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【完】預金は貸出の原資でない。でも...

【完】預金は貸出の原資でない。でも...

前記事で「大和総研、富士通総研、野村総研、新生証券調査部長などが、当然一般常識、いわゆる”又貸し論”を理解した上で、”それは間違い”と結論づけている」と紹介しました。

【全国銀行協会の書籍】度々紹介している「全銀協(銀行の業界団体)」様です。

一般人向けHPでの説明は下記の通りでした。(こちらの記事で紹介)

一方で
全銀協の企画部金融調査室発行の「図解 わが国の銀行」記載は

【日本銀行企画

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信用創造の前提として

信用創造の前提として

「信用創造とは何か?」、「信用創造に原資は必要か?」「無から創り出せるのか?」「貸出過程の仕訳」「貸出にマネーストックは必要か?」などツイッターで議論が進んでいます。

僕は引き続き、実務を知らない立場として「現場のリアル」を尊重しつつ、今の自分の考えを絶対視せずに、ある意味柔軟に理解を深めていきたい。

【Tポイントや楽天ポイントと同じ。】このnoteで色々と紹介してきたように「そもそも」の確認

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無意味な議論の山(1)

無意味な議論の山(1)

生産的な、あるいは前向きな議論に適するメディアもあるが、えてしてツイッターは不向き。 
 そんなツイッターでの「無意味な議論」を有意義なものにするため、議論参加者に感謝しつつ事実と解釈を紹介してゆく。

【預金は国債や貸出金の原資か?】藤巻健史さんへの質問から始まりました。

藤巻さんは有名な方だし「国債は日銀では簿価計上されている」と国会で確認してくれたり、勉強になります。本も買ったことあります

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【ダメ押し・新常識】預金が貸出・運用の原資?

【ダメ押し・新常識】預金が貸出・運用の原資?

前記事で
「大和総研、富士通総研ともに一般常識と違う結論を自信満々に説明している」、「2つの総研の記事は”一般常識は間違っているよ”と言っている」と紹介しました。
 「ちょっと勘違いした若手社員が勢い余って書いた」との批判もこれだけではあるでしょうから最後に。

 総研の最大手、野村総研の記事を紹介。

【野村総研】野村総研、「金融イノベーション研究部」発行物の内容です。
ここでも同様に「MMTが

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【一般常識】預金が貸出・運用の原資

【一般常識】預金が貸出・運用の原資

【一般常識が何か?】まず最初に「一般的に知られていること」「一般常識」「当たり前」について確認します。

 あくまで「正しいか?」でなく「何が一般常識か?」です。
 「普通の人が考え知っている内容」であり「これが間違っていても恥ずかしくない」内容です。
*画像クリックでサイトに飛びますので、ご自分で深堀りしたければどうぞ。

著者の有馬さんは関西学院大学商学部を卒業。
チェースマンハッタン銀行、ス

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「貨幣は負債である」その帰結とは?③

「貨幣は負債である」その帰結とは?③

以前の記事(~帰結②)でサラ~と書いた一文。
「お金は格差の根源でもあるし成長の根源でもあるんだね。」について

【「お金が利子を生む」って?】お金を銀行に預けたり、お金を借りると利子・利息が付いてきます。
要するに「カネがカネを生む」。

今の日本、現代社会で当たり前なことも実は「常にどこでも当たり前」とは限らない。

そもそも、ほんの400-500年前までは、かなり幅広い人類社会で、建前として

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「経済成長は不可能なのか?」名著です。

「経済成長は不可能なのか?」名著です。



《一流の社会学者が本気で書いた!》日本経済に関する本は吐いて捨てるほど出ています。
そんな中、東京大学大学院の、著名な社会学教授が書いたもの。

ちょっと「他にはない」面白そうな感じしませんか?

「はじめに」で著者はこう書いている。

『私は経済や財政の専門家ではなく、社会学者として、階層問題や社会保障制度あるいは雇用構造などの研究に携わってきたものだが、...日本社会全体に漂う暗鬱とした閉

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国債(10)日本だけハードル走!?

国債(10)日本だけハードル走!?

前回の要約:
『国債は”政府の帳簿上、利息分だけ計上すればいいじゃん”』が世界標準なのに、日本は『元本も絶対期限内に返さないとダメ』ということでした。

少しくどいですが、大事な前提を再確認。

国債の購入者が”償還してお金をもらう”とは別の話

”国の帳簿上、そのマイナス分を埋めるかどうか?”
の話として
”そのためのお金を準備。
国の支出できる金がその分減る”という話です。

これだけ読んで「

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国債(9)日本の常識は世界の非常識。

国債(9)日本の常識は世界の非常識。

前回の要約:
『国債は”政府の帳簿上、利息分だけ計上すればいいじゃん”』が世界標準です。

日本流:国債のコストとは?
で、前回の最後に「実際は世界各国で累積赤字が積みあがる」としましたね。この部分を組み入れて対応しているのが日本流なんです。

結論:
 "国債発行は元本と利息分の両方を計上しなきゃダメじゃん。"

まぁ、グローバル標準とは全然違いますね。

当然、歳入=収入として
つまり「国の支

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国債(8)日本の常識は世界の非常識。

国債(8)日本の常識は世界の非常識。

国債シリーズでも特に重要な記事。

「国債を政府の帳簿でどう解釈するか?」
この記事で紹介するのがグローバル標準ーたぶんー。
次記事で日本の考え方を紹介します。

もう前提が大きく違うんですね。

グローバル標準:国債のコストとは?ステップ毎に説明しましょう。
①政府が国債を発行:
    政府      購入者A
   国債(生まれる)(見てる・お金ある)

②その国債をAさんが購入する(=お金

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財政破綻への道。歴史を振り返って

財政破綻への道。歴史を振り返って

「日本が財政破綻するのを避けなければ!」
「将来世代のためにも消費税負担を我慢しなければ...」
という、高い危機意識をお持ちの方々

まず、こちらの記事を読んでほしい。

『日本国が財政破綻する道筋。』

日本政府の借金が増える一方で
問題なのはどこまで借金を許容できるか?

という前提にたった時

「借金の上限は資産の上限と同じ」と考えた時に....。

そういう話です。

歴史は事実の積み重

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国債(7)金融機関は損してる!?

国債(7)金融機関は損してる!?

前回の記事:要約
『国債価格の急落、国債金利の急騰などの可能性』を危惧する専門家も多いのでまずは詳細の入札結果で利率を調べたら驚愕のマイナス利率が!?

今回は統計的な事実を冷静にシェア。

直近24入札集計(2年~, 平均・最高利回り):
■利付10年国債  14入札58%でマイナス利率(24入札2年間)
■物価変動10年国債 100%でマイナス利率(24入札6年間)
■利付5年国債   100

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国債(5)グローバルスタンダード

国債(5)グローバルスタンダード

日本の国債償還には『60年償還ルール』があり、それを改めるべきだ、という言説は多い。財政当局に近い立場の方からも発信されている。
 基本としておさえるべき。このルールは
 ■財政収支無条件ー財政収支が赤字でもー
 ■期間限定ー60年期限で全額ー 
 の2条件を守り、国の会計に計上した
 国債の額に見合うお金を用意しないといけな(=償還する)、
 というもの。

驚愕のグローバルスタンダードとは!?

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国債(4)戦前からの統計で完結。

国債(4)戦前からの統計で完結。

前回の要約:
IMF(世界通貨基金)、世界で信頼されているデータベースに基づいて
=先進33国、平均31年間の歴史的事実として=
 ■そもそも単年収支で黒字達成を一度も達成したことがない国が4分の1
 ■収支黒字の達成経験ある国においても、その確率は4分の1程度。

=累積赤字がない国=
 ■G7,G20,【先進諸国でも記録の全ての年で累積赤字】。
 ■全世界の累積赤字統計を集計したら
 4,92

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