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「貨幣は負債である」その帰結とは?③

以前の記事(~帰結②)でサラ~と書いた一文。
お金は格差の根源でもあるし成長の根源でもあるんだね。」について

【「お金が利子を生む」って?】

お金を銀行に預けたり、お金を借りると利子・利息が付いてきます。
要するに「カネがカネを生む」。

利子・利息とは
他人にお金を一定期間預けることで
「自分が持っていたら、そのお金を使って獲得しただろう利益分」であり「預け期間中の自分の機会損失費用」ですね。

お金を自分が借りた場合は
「貸主がお金を手放すことで失う機会損失費用」だと。

僕の考え

今の日本、現代社会で当たり前なことも実は「常にどこでも当たり前」とは限らない。

そもそも、ほんの400-500年前までは、かなり幅広い人類社会で、建前としては良くないものとして封印されてきていた。

イスラム教は現在でも利子は禁止。(建前としては)
キリスト教も利子をとることは禁じられていた。
ユダヤ教では異教徒からは利子を取ってよいが、同胞からは禁止されていた。

ここから分かるのは
「大昔から利子が存在していた」「いろんな社会で自然と発生した」
だからこそ「禁じるべきものとして宗教の中できちんと位置付け」られるということではないか?

憶測だけど
昔から「貧しい庶民が憎むもの」「多数派の妬みをかうもの」
「勤労に反するもの」、「金持ちの特権」として認識されていたんじゃないかな?

【「カネがカネを生む」結果①】

一般庶民は「利子・利息をもらう」なんてことはなく「お金を借りては利子を払う」、そのことが「毎日を生きる庶民と金持ち貴族の差を固定化」させるものとして機能していたんじゃないかな?

トランプの大富豪ゲームで
貧民は、常に一番良いカードを2枚も渡す。
大富豪は、常に有利なカードをもらう、それがゲームスタートの前提となる。
これと同じ。

つまり

【「カネがカネを生む」結果②】

「カネがカネを生む」という性格を持つお金。
その性格、お金を使うことで格差が生み出されるんだ、と。

毎日の生活で「カネがカネを生む」故に「弱肉強食」の性格を持ったお金を使う。
そのことを通して、その性格が内面化してくる(無自覚に当たり前のものとして社会に共有されてゆく)。


そうしてゆく結果
この結論①が
更に「僕らの内面にもうひとつの結論を作り上げる」ことに。

【改めて。負債貨幣とは?】

記事に書いたように
借金という形で貨幣が発行され
 世の中にお金が回る
それが負債貨幣。
それが近代以降の社会の姿な訳です。

「人類の発展史上で近世という時代を特徴づけている…
 他に抜きんでている…」
「信用こそが、近代を特徴づけるおおいなる差異のすべてを生じさせたもの」(関心ある方はコチラの記事

ドイツ財政学のパイオニア、カール・ディーツェル

そして
言うまでもありませんが
「借金として貨幣が発行される」ということは
その受け手、お金を使うすべての者は利子・利息を払わないといけない。

「負債貨幣に生きる」ということは
無意識に、そして強烈に
「カネがカネを生む原則」に
僕たちが日々拘束されている、ということ。

結論①「格差を生み出し」つつ
結論②「活動を活発化」させ経済・人間活動を発展せざるを得ない
ように思わされてきた。

【まとめ。】
負債貨幣は「カネがカネを生む」というお金がもつ原理を強烈に内蔵している。
つまるところ2の帰結、明暗をもたらす。
【良い点】
「多くの人々が金持ちを目指す」、人間活動の活性化のドライブとなる。

【悪い点】
「金持ちの方が常に有利」であり「弱肉強食」「格差の原因」。

【希望はないのか?】

でも
希望はあるよ。

「カネがカネを生む」でないロジックを組み込んだお金を設計し、社会に院ストールすればいいんだから。

■減価するお金、ゲゼルマネーという考え方もある。実例もある。
参考)「ゲゼルマネーとは

■デジタルマネー・ブロックチェーンの試みもある。
たとえばピースコイン、「感謝の気持をベースにARIGATO CREATION」「使う人が増えるほどマネー総量が増える」といった「カネがカネを生む」と全く違うロジックを組み込むお金ね。

■公共貨幣論も、「脱負債貨幣のひとつの答え」だよね。

ともかく

最後に言いたいのは

負債貨幣の罠から放たれる、
負債貨幣の無意識の仕組みから逃れるためにこそ
まずは
負債貨幣を正面から受け止めて
きちんと理解することから開始しよう。

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