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国債(10)日本だけハードル走!?

前回の要約:
『国債は”政府の帳簿上、利息分だけ計上すればいいじゃん”』が世界標準なのに、日本は『元本も絶対期限内に返さないとダメ』ということでした。


少しくどいですが、大事な前提を再確認。

国債の購入者が”償還してお金をもらう”とは別の話
”国の帳簿上、そのマイナス分を埋めるかどうか?”
の話として
”そのためのお金を準備。
国の支出できる金がその分減る”という話です。

これだけ読んで「??」の方は前回記事を読んでね。

もし「いつも財政黒字が達成できる」なら

仮に『600億円国債発行した』という同条件でどうなるか?


世界標準:
『財政収支が黒字の時にできる範囲でマイナス分を埋めてー償還ーね』
なので
 ”いつも財政黒字”ならば、元本分をどんどん返済してゆく
 つまり、無事全額償還できるということに。

日本流:
『財政赤字でも黒字でも絶対60年で全額埋めて』ルールで
財政黒字の額が多い時は多めに埋めたりすればいい。
で、”黒字幅が少ない時は必要に応じて少額、その穴埋めに国債を発行することに。
 *国債発行=国が支出するための財源を確保することです*

どっちの大差ないでしょうね。

「いつも財政赤字」だとどうなるか...

『600億円国債発行した』という同条件で開始。

世界標準:
”利息分は支払う”けど
”財政赤字ならマイナス分を埋める必要ないー永遠にー”訳だから

結論:
■600億円の元本分が永遠に残る
ー利息は支払い済みー

ですね。
シンプルでオッケー?

日本流:
”財政赤字でも絶対全額”だから

結論:
■600億円の穴埋めをするために、600億円の国債を発行が必要。

ですね。

分かり易く言うと、日本は600億円財政減となるから公共事業や社会保障とかに支出できる金額が減るっていうことですね。

うぐぐ.....
でも、ちょっと待ってね。

『60年』っていうルールだよね?

すみません。省略しちゃいました。
きちんと正確にいきましょうね。

日本流:
”財政赤字でも60年後には絶対全額”だから

結論:
■600億円の穴埋めをするために、60年後には600億円国債を発行、600億円を調達することが必要。

ですね。

でも、これで終わらない。
借金を返すために、新たに借金を借りる。
っつうことは、そのためにまた借金を借りる....のエンドレスですね。

ただし
最初の600億円は「支出するため」の国債発行で、その同額が政府から支出され政府にマイナスが発生したけれど、「借金を返すための借金(=2回目以降)」は支出をしないんです。(??の方はコチラを

つまり
2回目以降の国債はこういうことですね。

国債グローバル理解プロセス

この「2回目以降の、借金を返すための借金」は借換債と言います。

結論:
■600億円の穴埋めをするために、
60年毎に「国債の穴埋め期限が来て
600億円国債を発行して600億円を調達する」ことに。

言い換えると
600億分の国債(借金のための借金)が常に発行し続ける
=600億円の元本分が永遠に残る
■その度に新たな利息負担が生まれ、それを払い続ける

とりま:とりあえずまとめ。

世界標準:
■600億円の元本分が永遠に残る
ー利息は支払い済みー

に対して

日本流:
■600億円の元本分が永遠に残る
■その度に新たな利息負担が生まれ、それを払い続ける

ということで

結論:
日本だけ、自らが作ったルールで
■2回目以降の国債(借換債)の利息分をずーと損をする

本来善意で始まった仕組みなのですがね:涙)

日本だけハードル走


なお、今回は「考え方」について書いたのですが
実際の「60年償還ルール」を理解したい方は、次回記事をどうぞ。

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