四賀マイル

ぼくはぼくだ

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記事一覧

ぼくは念のために生きる

 ぼくは念のために生きる。ぼくは平日は毎日、大学に通っている。中には1限の授業に出席している曜日もある。なぜ4年生なのにそんなことになっているのかについては、「ぼ…

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ぼくと彼女は大坪美穂黒いミルク展へ行く

 ぼくと彼女は『大坪美穂 黒いミルク』展へ行く。正確には『大坪美穂 黒いミルク―北極光・この世界の不屈の詩―』展である。もはや遠い過去の話のようにも思えるが、今年…

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ぼくは木村柾哉で切なくなる

 ぼくは木村柾哉で切なくなる。少し前、INIの公式TikTok(@official__ini)で木村柾哉さんのダンス動画を見た。ヨジンという韓国の女性アイドルの「Kiss Later」という曲…

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11日前
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ぼくは都知事選の投票へ行く

 ぼくは都知事選の投票へ行く。今回のnoteはどれだけ文字数を抑えられるかチャレンジである。だって、この前の「ぼくは百年の孤独を買う」という記事なんて、「近所の本屋…

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13日前
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ぼくは百年の孤独を買う

 ぼくは『百年の孤独』を買う。『百年の孤独』というのは、コロンビア出身のノーベル賞作家、ガブリエル・ガルシア=マルケスが1967年に発表した有名な長編小説だ。これま…

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2週間前
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ぼくは予告された殺人の記録を読む

 ぼくは『予告された殺人の記録』を読む。『予告された殺人の記録』というのは、ガブリエル・ガルシア=マルケスというコロンビア出身の作家が1981年に発表した小説である…

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2週間前
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ぼくと彼女は二年記念日を迎える

 ぼくと彼女は二年記念日を迎える。ぼくには彼女がいる。彼女とは一昨年の春、首都圏の大学の放送サークルの懇親会で知り合った。たまたま同じテーブルになったのだ。彼女…

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2週間前
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ぼくは外国人一家を渋谷ハチ公前に連れて行く

 ぼくは他人から道を尋ねられやすい。「あのう、すいません。○×ってどこですか?」と声をかけられることが定期的にある。自分の地元(大田区蒲田近辺)でも尋ねられるし…

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3週間前
7

ぼくと彼女は芥川龍之介展へ行く

 ぼくと彼女は『芥川龍之介展』へ行く。ぼくと彼女がデートで展覧会やら美術展やらに行く時、だいたいは彼女が行き先を決める。由梨が「これに行こう」と提案して→ぼくと…

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3週間前
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ぼくの彼女は暴力的だ

 数日前の話である。コンビニの夜勤のバイトから帰宅し、ぬるいお風呂に浸かってのんびりしていたら、右腕の上のほう(二の腕)に青紫色のあざがあることに気が付いた。 …

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1か月前
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ぼくはMBTIを信じない

 ぼくは意外と占いが嫌いではない。いや、科学的正当性は一切認めないのだが、エンターテインメントとしてはまあまあ楽しむ。例えば、ぼくはいま大学の放送研究会の後輩の…

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1か月前
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ぼくは大吉原展へ行く

 ぼくは『大吉原展』へ行く。このnoteでぼくはすでに閉幕してしまっている展覧会の話をすることが多いが、これはぼくの怠惰な性格のせいなのであしからず。いや、性格のせ…

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1か月前
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ぼくと彼女は帰って来た橋本治展へ行く

 ぼくと彼女は『帰って来た橋本治展』へ行く。もはや一昔前(?)の話のように思えるが、ぼくと彼女は『帰って来た橋本治展』へ行ってきた。神奈川近代文学館というところ…

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1か月前
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ぼくは脚本を提供する

 ぼくは脚本を提供する。ぼくは去年の12月まで大学の放送研究会に所属していた。ここで「所属していた」という過去形を使ったのは、去年の12月の番組発表会をもってぼくら…

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1か月前
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ぼくは傷を愛せるか

 ぼくは傷を愛せるか。ぼくには一か月ほど前から悩んでいることがある。いや、人間はえてして常に悩み事を抱えている動物であり、ぼくだってその例外ではないというだけの…

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1か月前
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ぼくは柳家喬太郎を聴く

 ぼくは柳家喬太郎を聴く。もはや遠い昔の出来事のような気もするが、日本では今年も4月下旬から5月上旬にかけて大型連休が存在した。通称、ゴールデンウィーク。その最中…

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2か月前
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ぼくは念のために生きる

 ぼくは念のために生きる。ぼくは平日は毎日、大学に通っている。中には1限の授業に出席している曜日もある。なぜ4年生なのにそんなことになっているのかについては、「ぼくは勉学に勤しんでいるから」という説と「ぼくは卒業のための単位が足りていないから」という説の二つがあるが、どちらの説が正しいのかは読者のみなさまのご想像におまかせします。

 少し前の話だ。その日は1限から授業があった。4年生なのに1限に

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ぼくと彼女は大坪美穂黒いミルク展へ行く

 ぼくと彼女は『大坪美穂 黒いミルク』展へ行く。正確には『大坪美穂 黒いミルク―北極光・この世界の不屈の詩―』展である。もはや遠い過去の話のようにも思えるが、今年のゴールデンウィークのあと(5月上旬)、ぼくと由梨は、コピス吉祥寺7階の武蔵野市立吉祥寺美術館でやっていたこれに行ってきた。

 ぼくと由梨は武蔵野市立吉祥寺美術館にはよく行っている。由梨の大学のキャンパスが吉祥寺にまあまあ近いところにあ

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ぼくは木村柾哉で切なくなる

 ぼくは木村柾哉で切なくなる。少し前、INIの公式TikTok(@official__ini)で木村柾哉さんのダンス動画を見た。ヨジンという韓国の女性アイドルの「Kiss Later」という曲の振り付けを踊ってみたという動画である。

 「曲も振り付けもかわいすぎないですか??」という説明文を読んで、いやいやかわいいのは柾哉さんあなたですよ……と心の中でツッコみつつ、ぼくはこの19秒間のダンス動画

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ぼくは都知事選の投票へ行く

 ぼくは都知事選の投票へ行く。今回のnoteはどれだけ文字数を抑えられるかチャレンジである。だって、この前の「ぼくは百年の孤独を買う」という記事なんて、「近所の本屋さんで『百年の孤独』文庫版を買った」というだけの話で4,000字overだもの。話が長いにしても度を越している。

 その点、「都知事選の投票へ行ってきた」という話なら長文になりようがない。政策とか選挙制度とかの話をするなら長くなりそう

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ぼくは百年の孤独を買う

ぼくは百年の孤独を買う

 ぼくは『百年の孤独』を買う。『百年の孤独』というのは、コロンビア出身のノーベル賞作家、ガブリエル・ガルシア=マルケスが1967年に発表した有名な長編小説だ。これまで日本では新潮社の単行本でしか出版されていなかったが、この度、ついに新潮文庫版が発売された。筒井康隆による書き下ろし解説付きである。

 昨年の暮れ、「2024年『百年の孤独』文庫化」というニュースが流れた時には日本の海外文学ファンたち

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ぼくは予告された殺人の記録を読む

ぼくは予告された殺人の記録を読む

 ぼくは『予告された殺人の記録』を読む。『予告された殺人の記録』というのは、ガブリエル・ガルシア=マルケスというコロンビア出身の作家が1981年に発表した小説である。なぜぼくがこの小説を読んだのかというと、これまで単行本でしか出版されていなかったガルシア=マルケスの長編『百年の孤独』がついに文庫化されるというニュースを何か月か前(もしかしたら去年?)にX(旧Twitter)で見かけて、『百年の孤独

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ぼくと彼女は二年記念日を迎える

 ぼくと彼女は二年記念日を迎える。ぼくには彼女がいる。彼女とは一昨年の春、首都圏の大学の放送サークルの懇親会で知り合った。たまたま同じテーブルになったのだ。彼女はお酒を飲めないから一杯目からソフトドリンクを注文していた。だからぼくは彼女のグラスが空になった時に「二杯目どうします?」と言って、お酒のメニュー表ではなくソフトドリンクのメニュー表を差し出した。

 彼女はぼくのこの気遣い(というほどのも

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ぼくは外国人一家を渋谷ハチ公前に連れて行く

 ぼくは他人から道を尋ねられやすい。「あのう、すいません。○×ってどこですか?」と声をかけられることが定期的にある。自分の地元(大田区蒲田近辺)でも尋ねられるし、初めて行ったような場所でも尋ねられる。ぼくは今月も3人のひとから道を尋ねられた。しかも全員、明らかに外国から来たっぽいひとだった。そう。ぼくは道を尋ねられやすいし、特に外国のひとから道を尋ねられやすい体質なのである。

 先週のことである

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ぼくと彼女は芥川龍之介展へ行く

 ぼくと彼女は『芥川龍之介展』へ行く。ぼくと彼女がデートで展覧会やら美術展やらに行く時、だいたいは彼女が行き先を決める。由梨が「これに行こう」と提案して→ぼくとしても特に異論はないので→二人で一緒に行くことになる……といった流れである。「異論はない」というより「異論が思い浮かばない」というのが正確かもしれないが。

 しかし、たまにはぼくのほうから「この展覧会に行きたい」と提案することもある。たま

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ぼくの彼女は暴力的だ

 数日前の話である。コンビニの夜勤のバイトから帰宅し、ぬるいお風呂に浸かってのんびりしていたら、右腕の上のほう(二の腕)に青紫色のあざがあることに気が付いた。

 別に痛みはない。バイト中にぶつけたかな。ウォークイン冷蔵庫(ペットボトル飲料水とかを並べる冷蔵庫)に入った時に扉にぶつけ……た記憶はないがなあ。家でぶつけた記憶もないし、大学でぶつけた記憶もない。公園で小学生からバスケットボールを当てら

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ぼくはMBTIを信じない

 ぼくは意外と占いが嫌いではない。いや、科学的正当性は一切認めないのだが、エンターテインメントとしてはまあまあ楽しむ。例えば、ぼくはいま大学の放送研究会の後輩の深田という男子に片想いしているのだが、ネットの無料占いサイトでぼくの星座と深田の星座をマッチングさせて相性を占ったりしている。それで良い結果が出たらうれしくなるし、悪い結果が出たら「こんなものに信憑性はねえ!」と自分で自分に言い聞かせつつシ

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ぼくは大吉原展へ行く

 ぼくは『大吉原展』へ行く。このnoteでぼくはすでに閉幕してしまっている展覧会の話をすることが多いが、これはぼくの怠惰な性格のせいなのであしからず。いや、性格のせいなら「あしからず」じゃなくて「あしき」じゃねえかとツッコまれそうだけど、そもそもぼくみたいな不埒な男に多くを求められても困るのです。

 ぼくは美術展やら展覧会やらには彼女と一緒に行くことが多い。これは、美術展やら展覧会やらに行こうと

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ぼくと彼女は帰って来た橋本治展へ行く

 ぼくと彼女は『帰って来た橋本治展』へ行く。もはや一昔前(?)の話のように思えるが、ぼくと彼女は『帰って来た橋本治展』へ行ってきた。神奈川近代文学館というところでやっていた展覧会である。

 『帰って来た橋本治展』へ行こうと提案したのは由梨のほうだ。『帰って来た橋本治展』へ行くまで、ぼくは橋本治という作家を知らなかった。文学部は文学部でもぼくは文学部哲学科の学生なのである。いや、橋本治は哲学関係の

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ぼくは脚本を提供する

 ぼくは脚本を提供する。ぼくは去年の12月まで大学の放送研究会に所属していた。ここで「所属していた」という過去形を使ったのは、去年の12月の番組発表会をもってぼくらの代は現役を引退したからで、「部費を払っている」「部員名簿に名前が載っている」という意味ではぼくはいまだに「所属している」んですけどね。

 4月の平日の昼のこと。ぼくが大学に向かうためJR京浜東北線に乗っていると(ぼくのような偉大な学

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ぼくは傷を愛せるか

 ぼくは傷を愛せるか。ぼくには一か月ほど前から悩んでいることがある。いや、人間はえてして常に悩み事を抱えている動物であり、ぼくだってその例外ではないというだけの話なのだが、noteってそういうどうしようもない感情をぶちまけるための場所ですよね(違う?)。……まあ、noteの正しい使用法については専門家に議論を委ねるとして、とりあえず、今日のぼくはぼくの悩み事について書くことにする。

 ぼくは必ず

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ぼくは柳家喬太郎を聴く

 ぼくは柳家喬太郎を聴く。もはや遠い昔の出来事のような気もするが、日本では今年も4月下旬から5月上旬にかけて大型連休が存在した。通称、ゴールデンウィーク。その最中の某日、ぼくは楢崎(地元の友人)と一緒に浅草演芸ホールへ行って、柳家喬太郎師匠の落語を見に行ってきた。

 ぼくらが行ったのは金曜日。ぼくは本来ならコンビニ夜勤のバイトが入っている曜日だが、バイト先の先輩に頼まれてシフトを交代していたため

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