ぼくは都知事選の投票へ行く

 ぼくは都知事選の投票へ行く。今回のnoteはどれだけ文字数を抑えられるかチャレンジである。だって、この前の「ぼくは百年の孤独を買う」という記事なんて、「近所の本屋さんで『百年の孤独』文庫版を買った」というだけの話で4,000字overだもの。話が長いにしても度を越している。

 その点、「都知事選の投票へ行ってきた」という話なら長文になりようがない。政策とか選挙制度とかの話をするなら長くなりそうだけど、あいにくぼくはそんなに意識高くないし。「2024年の7月上旬に自治体の出張所へ行って都知事選の期日前投票をしてきた」。はい、今回の記事は500字以内で終わるの確定である。

 これまでぼくが投票した選挙は次の通りである。

  • 2021.07   東京都議会議員選挙

  • 2021.10   衆議院議員総選挙

  • 2022.07   参議院議員通常選挙

  • 2023.04   大田区議会議員選挙・大田区長選挙

  • 2023.06   東京都議会議員補欠選挙(大田区)

  • 2024.07   東京都知事選挙

 つまり、18歳になって選挙権を得てからというもの、ぼくは投票可能なすべての選挙で投票している。「なんだ意識高いんじゃん」とツッコまれそうだが、本人的にその自覚はない。「社会を変えたい」とか「有権者としての責任を果たしたい」とかいうことではなく、なんていうか、単純に「投票に行く」という行為が好きなのだ。

 以前この話を藤沢(放送サークルの後輩)にしたら「それを『意識高い』って言うんじゃないですか」と言われたが、そういうわけではないと思うんだよな。投票所に行って、銀色の台の前に立って、備え付けの鉛筆で候補者の名前を書いて、投票箱に一票を投じる。ぼくはあの一連の作業が好き。梱包のプチプチを潰すのが好きっていうのと似た感覚である。意識が「高い」「低い」ではなく、意識が「ない」というのがぼくの実態だ。

 ただ、じゃあ何も考えずに投票しているかというとそんなことはなく、ぼくなりに考えて一票を投じてはいるけどね。投票用紙にはいつも立候補者のうちの誰かしらの名前を書いている。白票を投じたり、立候補者以外の人名(「渋沢栄一」とか「津田梅子」とか)を書いたりしたことはない。ぼくが投票した候補者が当選するか落選するか、そこはまあ色々ですけども。

 ちなみにですが、ぼくは選挙に行く度に「自分が何の選挙で誰に投票したか」をPCのWordで記録しています。本来ならこういうのはExcelでリスト化すべきなのかもしれないが、音声ドラマの脚本家をやっている手前、ぼくはWordのほうに思い入れがあるので……

ぼくの投票記録(イメージ)

 国政選挙の時には比例区・比例代表の投票先も記録しておく。選挙が終わって開票結果が出たら、候補者名の右のところに「(当)」とか「(落)」とか付け足して当落の結果も記録しておく。……って書くと本当に自分は意識高い系なんじゃないかという気がしてきたが、いやいや、ぼくは歌舞伎や寄席に行ったあとにも同じように出演者や演目を記録に残してますからね。たぶんシンプルにぼくは「記録魔」ってやつなのだ。

 ……あー、気が付いちゃったけど、ぼくは「記録魔」だからnoteの記事が毎回長文になるんでしょうな。ぼくはきっと、ぼく以外の他人にとってはどうでもいいこと、ぼく自身にとってもどうでもいいかもしれないことまで記録しておかなければ気が済まない性質の人間なのだろう。なぜこういう人間が出来上がったのかは不明だが(保護者や学校の影響ではないと思う)、出来上がっちゃったものはしょうがない……

 さて、ようやく本題に移ります。今回の選挙(都知事選)でもぼくは期日前投票に行った。ぼくは選挙はいつも期日前投票に行くタイプなのである。理由は二つある。「日曜日はいつも予定が入っているから」。そして「投票日当日の投票所は混むから」。

 大学の放送研究会の渉外になったことで、毎週……ではないにしても、日曜日は他大学の放送サークルの番組発表会へ行くことが多くなった。彼女ができて日曜日がデートのレギュラー曜日になってからは、日曜日はいよいよ毎週予定が入るようになった。正真正銘、ぼくは「投票日当日に仕事や旅行、レジャーなどの理由で投票に行くことができない方」に該当するってわけで、だからぼくはいつも期日前投票に行っているのである。ただでさえいつもデートの集合時間に遅刻しているような人間が、デートに行く前に投票所に寄れるわけはないしな。

 それに、投票日当日の投票所は混雑がひどい。ぼくが選挙権を得て初めて行った選挙(都議選)では、ぼくはまだ放送研究会で本格的に活動する前だったし、毎週日曜に会わなきゃいけないような彼女もいなかったので、ぼくは投票日当日に投票へ行った。投票所は自宅近くの大田区立小学校である。最初は久しぶりに訪れた母校を懐かしく思いつつ、生まれて初めての選挙にドキドキしていたが、長い時間行列に並ばされているうちにだんだんうんざりしてきた。

 その点、期日前投票は待ち時間ゼロで済む。少なくともぼくは期日前投票で列に並ばされた記憶はない。期日前投票の会場(大田区の出張所)へスッと入って、受付で入場券を出して、投票用紙に候補者名を書いて、投票箱に一票を投じる。実にスムーズな流れである。期日前投票の会場はいつも空いていて、過去にはその場にぼく以外誰もいなかったこともあった。

 今回の選挙(都知事選)では、ぼくは金曜日の学校帰りに期日前投票へ行った。出張所の投票の部屋(?)に入ったら、先客が二人いたな。それでぼくは「おや、今回の選挙はいつもより混んでるな」と思ったぐらいである。それでも待ち時間ゼロで、投票はスッと終わりましたけどね。部屋を出る時に立会人のひとから「お疲れさまでした」と声をかけられたけど、ぼくは疲れるようなことは一切していない。これじゃあ逆に投票の充実感がないぞ!

 念のため言っておくと、ぼくは、ぼくみたいな人間が少数派だってことをちゃんと自覚してますからね。ぼくの周りに「『投票に行く』という行為自体が好き」なんて言っている変人はいない。さっき名前を出した藤沢(サークルの後輩)なんて一度も選挙に行ったことがないと言っていたし。香川(学科の友人)はどうかなあ。香川とは選挙や政治の話はしたことがないけど、なんとなく律儀に行っているイメージはある(今度聞いてみよう)。

 そもそも、選挙や政治の話なんて他人とすることが滅多にないよな。由梨(彼女)が選挙に欠かさず行っていることは知っているが、誰に投票したのかとかは聞いたことがない。そういえば、由梨の弟の孝彦くんはこの前18歳になったから選挙権を手に入れたはずだ。孝彦くんは選挙とか行くタイプなのかなあ。まあ、神奈川県民なので今回の都知事選とは関係ないけど。すみません、完全に余談でした。

 ぼくは都知事選の投票へ行く。申し訳ないが、noteの文字数をどれだけ抑えられるかチャレンジは失敗である。ここまでで3,000字弱に達してしまいましたのでね……。おまけにこの記事には見せ場もなければオチもない。かといって、ぼくにはせっかく書いた記事をボツにする度胸もない。そんなわけでこの記事はこのまま公開することにします。すべてはこの暑さのせいだ。この災害級の暑さがいけないのだ。連日の猛暑にもかかわらずわざわざ学校帰りに期日前投票に寄ったぼくは、「投票に行く」という行為がよっぽど好きに違いない。

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