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会社員はダサいから、就活をしなかった。
会社員ってダサい。
ずっとそう思っていた。もしかしたら今でも思っているのかもしれない。
小さい頃からずっと、父親の様になりたくないって思っていた。
朝早くに母親に叩き起こされる。ワイシャツと下着だけの格好で朝食をもそもそと食べる。歯を磨いて、デカい声でえずく。眠そうな目を擦って、早朝に家を出ていく。
父親は、会社からよく電話がかかってくることがあった。その時だけは明るい声でハキハキ喋って、
恋愛小説|初デートは、怪獣映画をみよう。
「はじめて」というのは、それだけで特別なものになるからよい。
それそのもの自体はあまりにも恥辱で、目も当てられないほどに粗末であったとしても、それが「はじめて」であるだけで途端になぜだか、それそのものの全てを特別に、そしてさらには愛おしくも感じてしまう。
人生における初デートというのは、そういう類のものだと思う。
僕にとっての「はじめて」のデートは映画館。中学二年生の時だった。
一緒に行っ
ちょっと爪を伸ばせば届いていたのかな
「今週末、東京行くことになったからさ、空いてたら飲みに行こうよ。」
その通知がスマホの上部にひょいと顔をのぞかせたのは、ちょうど12時ごろ。
僕が午前中の仕事をひと段落を終えて、春に向けて少しずつ暖かくなってきた街中を休憩がてら散歩している時だった。
3年ぶりに見るそのアイコンは、僕の心臓を雑巾で絞るかの如くキューっと締め付けた。
僕が大学時代にずっと片想いをしていた先輩だった。
彼女と
ポケモンと父親の背中
それは、まだ消費税が5%だった時。
それは、小島よしおが「そんなの関係ねぇ」と叫んでいた時。
それは、コブクロの蕾が車のラジオから流れていた時。
それは、ポケモンのダイヤモンド・パールというゲームが小学生のハートを鷲掴みにしていた時。
小学生だった当時の僕は、周りの小学生と同じようにポケモン沼にどっぷりつかり、そして、ポケモンのダイヤモンド・パールをプレイしていました。
そのゲームの序盤に、テ
【笑いのカイブツ】笑いの才能ってなんだろう。
僕は映画館が好きです。それも、ちょっと早めに館内に入るのが。ひとりで絶対に食べきれない量のポップコーンとペプシコーラを買って入るのが。
しんとした館内。歩くたびに、カップの中のペプシコーラがゆれて、氷がカラカラとなるあの感じ。真っ暗の中、微かな光を頼りに自分の席まで歩いて行って。ようやく席に座ると思ったよりも椅子が深く沈むあの感じ。普段の生活だと鼓膜がしんどいくらいの音が、映画館の中だけでは、興
胃と大腸は、摘出してしまっても死なないらしい。
土曜日。
狭すぎるワンルームに響き渡る、隣に住む外人の奇声で目を覚ます。
まだ完全に視界が戻らない中、スマホを探す。「モテそう」という理由だけで買った、使い道のない間接照明が手に当たって、床に落ちる。
若干の苛立ちを原動力に、重たい身体を起こす。床に転がる2Lのペットボトルを拾い上げ、いつ汲んだか分からない水を喉に流し込む。暖房のつけっぱなしで乾いた喉に水が流れるのを鮮明に感じる。
少し臭