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納棺師のお志事

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納棺師である私がお志事で学んだこと、体験したこと。
運営しているクリエイター

#死

大切な人を亡くしても強がらなくていいんだよ

大切な人を亡くしても強がらなくていいんだよ

納棺師のお志事で心に残ったことを書き留めます。

ちなみにこちらのマガジンからも
納棺師のお志事についてまとめてあります↓

40代/女性/病死
髪の毛は全て抜け落ちていました。
きっと抗がん剤治療をしていたんでしょうね。
ウィッグを被せたら違和感ない。

生前の写真を拝見した時よりも
少し痩せていたのが見受けられました。

立ち会う人が約10名くらい居て
ママ友らしき人たちの前で死化粧。

自分

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いつ、何処で、どんな風に死ぬか分からない

いつ、何処で、どんな風に死ぬか分からない

韓国・梨泰院/雑踏事故
インドネシア/暴動事件
インド/吊り橋崩落
日本/観光バス横転事故

いずれも10月に起こった事故、事件。
人が死にすぎている(生存者もいる)

韓国・梨泰院事故は
圧死で死ぬとか想定外ですよね。

偶然にも居合わせた場所で事故が起き
それが運命の分かれ道となる。

いつ、何処で、どんな風に死ぬか分からない

いつも心の隅では思っているけど
実際に起きてしまってからは遅い。

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死期が近いていても、自死を選ぶ選択とは?

死期が近いていても、自死を選ぶ選択とは?

久しぶりに納棺師のお志事で感じた事を書きます。
※心苦しい事も書くので、嫌な気分になったらごめんなさい。

80代女性の湯灌、納棺を担当させていただいた。

事前に現場に来るまでに発注書が葬儀屋から来るんですが、死因が書いていない時が多々ある。

実際に現場に行った時
今日の故人様の死因。
「首吊り」と聞いた時ビックリ。

事前に発注書に"顔が赤いので化粧で隠して下さい"と要望がありました。

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キュン❤︎とする納棺式

キュン❤︎とする納棺式

人生の最期である締めくくりが葬儀。
その亡くなった人と触れ合える最期の機会が納棺式。

葬儀が始まると厳かな雰囲気に変わるから
納棺式くらいは笑って語って触れて送り出す場所であってほしい。

そんな笑顔溢れるキュンとした納棺式を綴ります。
(うろ覚えのところもあるので、言葉のみを書いてるものもあります)

男性の死化粧

男女問わず死化粧はします。
(遺族がそのままが言いと言われればしない)
そん

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納棺師が語る、死生観WS開講のお知らせ

納棺師が語る、死生観WS開講のお知らせ

ついに私の伝えたいこと、完成しました!

納棺師に転職してもうすぐ一年。
特殊な職業だからこそ面白みもあって勉強になる。

たくさんの故人様と遺族様に会って気付いたんです。

みんな死って当たり前にあること知ってるよね?

知ってはいるけど、そんな先の話なんて・・・
死なんて考えたくない・・・そんなイメージでしょう。
負のイメージって中々抜け出せないのは違和感。

でも私たちは生まれながらにして死

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-END展-死について考えてみる

-END展-死について考えてみる

行ってきました。
密かに話題になっていて、たくさんの来場者が。

END展 死から問うあなたの人生の物語

死に対して、積極的に考えることないですよね。

私は納棺師のお志事で毎日痛感しているので
普通の人よりは死生観を意識して過ごしてます。

ここ2年間の内に世の中は様変わりして
亡くなる人も多くなりつつあり
あまり共感しなかった死について
身近に感じる人が増えたんではないかと思います。

EN

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生まれ変わり(輪廻転生)の道なり

生まれ変わり(輪廻転生)の道なり

私たちは死ぬと何が行われるのか。

悪いことをするとあの世で罰を受ける
来世で苦労する人生に生まれ変わる。

前世の行いが現世に影響を与えるという考え方は
仏教の世界観、宇宙観に基づいている。

ココでは、「輪廻する世界」と「輪廻しない世界」に分かれている。
私たち人間は「輪廻する世界」の住人。



六道という六つの世界があります。

「輪廻しない世界」は生まれ変わりの苦しみから解放され、

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新たに死生観とデトックスをテーマに発信したい

新たに死生観とデトックスをテーマに発信したい

身体と心のデトックスは
生きる喜びを与えてくれる。
そしてみんな、生き方に悩んでいる。

そんな悩んでいる人たちは
当たり前だけど死生観なんて考えていない。

死生観を考えることは、
生きること(生き方)に精通するものだと思っています。

⁡納棺師になり半年以上が経ちました。
毎日、一期一会で立ち向かう現場は
とても勉強になり充実し時が経つのがあっという間に。


納棺式も人それぞれで
笑顔溢

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全ての年代が考えるべき、終活のススメ

全ての年代が考えるべき、終活のススメ

終活というと、高齢者や終末期患者など死期が近い人が考えるものだと思いがち。

でも"今"考えてみるコトだと思う。
それは10代〜60代以上全ての人。

死は誰もが訪れるもの。
これは平等に与えられたもの。

それが人によって短いか長いだけ。

先日の納棺師のお志事で終活していた90代の女性を納棺しました。

この体験を通して、書いてます。

お着替えと死化粧と納棺でした。
着替える洋服は着物。

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『納棺師×クレイ』唯一無二の存在になりたい

『納棺師×クレイ』唯一無二の存在になりたい

先日、姉弟で納棺師とエンバーマーをやってる2人によるインスタライブの配信を拝見しました。 

沖縄初のエンバーミング施設の立ち上げを予定しているので注目です。

とっても勉強になるので、見てみてください⤵︎

コロナ、ワクチン、食、健康、医療、死生観
納棺師とエンバーマーの現場で分かったことを教えてくれました。

私も納棺師の立場として
毎日違う故人様を綺麗にするので
病死、老衰で亡くなった人の顔

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孤独死は一人ぼっちなのか?

孤独死は一人ぼっちなのか?

先日、納棺師のお志事での出来事。

66歳、男性、脳梗塞
死亡推定時刻12/25
発見時刻1月下旬

そう、発見されるまで約1ヶ月。
家で脳梗塞で倒れて誰にも発見されずに居た。
これが孤独死。

約1ヶ月放置されていた故人様の様子は見れなかった。

黒い納体袋に包まれたまま。
腐敗臭や体の腐敗が見込まれるため開けない選択をしました。

なので状況は分かりません。
遺族も故人様の顔を見れることは出来

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「おくりびと」が再びヒットした理由

「おくりびと」が再びヒットした理由

2008年公開で米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「おくりびと」が中国で大ヒットしているらしい!

私も納棺師という職業を知ったのもこの映画。
そして遺族の人にも「あの映画に出てきた職業ですよね」と言われることが何度もある。

納棺師は日本独特の職業。
海外にも納棺師に似たような、遺体の表立った傷や死んだ時に起きた変化などを綺麗に補正し、なるべく生前の姿に近づける処理をするエンバーミングをする

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アラサー女子、納棺師に転職しました。

アラサー女子、納棺師に転職しました。

10月から納棺師へと転職しました。

▷画像は大体の流れである納棺の儀式
※宗教や地域によって違いはあります。

なぜ、納棺師なのか。

まず、この世に生まれた瞬間から"死"は自分にまとわり付き、逃れられないもの。

必ずやって来るものだったら
どんな生き方をしますか。
どんな後悔ない人生を送りますか。

"死"は"生き方"にも比例します。

誰かが亡くなれば、自分の生き方も考えるように・・・

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