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アラサー女子、納棺師に転職しました。

10月から納棺師へと転職しました。

▷画像は大体の流れである納棺の儀式
※宗教や地域によって違いはあります。


なぜ、納棺師なのか。

まず、この世に生まれた瞬間から"死"は自分にまとわり付き、逃れられないもの。

必ずやって来るものだったら
どんな生き方をしますか。
どんな後悔ない人生を送りますか。


"死"は"生き方"にも比例します。



誰かが亡くなれば、自分の生き方も考えるように・・・

そう感じとれる人は、あまり居ないように思える・・・けど

私たち納棺師は、
故人様の人生の終わりと始まりの準備を整えさせていただくと同時に、遺された人達の思いや感情、生き方を呼び覚ますような・・・

そんな、お志事だと思っています。

意見や感情は人それぞれです。
でも私は納棺師と言う職業に誇りを抱き、皆様の最期のお手当とお手伝いをさせていただきます。


そんな納棺師になるまでをたくさん綴りました
(長いですが・・・)


1.転職する前の職業


まずは納棺師になる前の経緯と職業について。

約8年半勤めた医薬品卸会社を退職しました。
クレイセラピストと名乗りながら、自然療法を謳っていながら本業は薬業界。

矛盾してましたね(笑)
でも気付かせてくれたのは2020年にやってきたウィルスです。
ある意味、ありがとうだなぁ(笑)

薬剤師補助として病院勤務。
数え切れないほどの膨大な薬。

ジェネリックに変わり続けて、名前が覚えられない事件発生したり。
(私の仕事は資格がいらず、処方箋を見ながら患者さんの薬を取り揃える仕事です)


入社して3年目の時に、
請負で入ってる私の会社は業務縮小命令が出されて、メインでやってる薬剤師補助だけが残りました。(他にも医薬品機器の取り扱い)


そうすると人がいらない。
私は薬剤師補助のメインメンバーだったので、継続。
当時、責任者だった上司はお別れ。
まさかの私にバトンタッチ。
23歳、当時最年少で責任者に。

そこから私の怒涛な日々と精神の強さが磨かれた時間でした。


実はこの経験がなければ
納棺師として必要な身体的・精神的強さは獲得出来なかったのかもしれない・・・


そして、さすがに8年も働くと飽きる。
後任不足だったが、限界・・・!
とりあえず、異動させてもらいました。


ところが、2021年4月に異動したのですが
つ・ま・ら・な・い


忙しい日々を送っていた私にとっては、暇な時間があると「何したらいい?」状態。

これは一年も保たないぞ。と即断。

こんな時間があったら、自分のやりたい事をしよう。

密かに転職活動の始まり。


2."きっかけ"となる出来事

そもそも特殊な職業であり、万人受けしない納棺師。

映画「おくりびと」でも納棺師に着目していますが
「汚らわしい職業」
「もっと真面目な仕事に就いた方が・・」

みたいなシーンがあるほどマイナスイメージ。


まず、納棺師になりたいと思ったのが今から約9年前の19歳〜20歳の時。

高校卒業して18歳で就職した会社が
葬儀・法要・墓を管理をする会社でした。
(ビルの中に墓・葬儀法要会場がある所)


私は法要部門で接客事務で経理をしていました。

経理をしているので色々な業者を知ります。

会食業者、仏具業者、葬祭スタッフ、お坊さん、お花屋さん、遺品整理業etc...

その中でも印象的だったのが納棺師


実際に現場を見ることは出来ないでしたが、
受付に挨拶をしてくれる時、
颯爽としていた立ち振る舞いでカッコ良かったのを覚えています。


在職中は納棺師になりたいとかはなく・・・
人間関係が問題でその会社は一年半して辞めました。

まだ19歳だったので、何をしよう・・・と。
すぐにまた就職はせずに、単発バイトをしながら過ごしてました。

医薬品卸会社に勤めるまでは、
もう一回葬儀関係に勤めてみたい・・と思うように。
その時思ったのが、納棺師でした。

(遺品整理士も興味あったのですが、会社が少ない上に25歳からと言う年齢制限もあったのです!)


まだ、自分に自信がなかった。
自分軸がブレブレ
な私に務まる自信がない。

身体的にも精神的にも未熟な私が納棺師なんて出来ない。

あと、納棺師になるなんて変じゃないか?
と思うこともありました。


なので別の会社で働くことに。
その会社でも転職したい気持ちはあり
(飽き性な面もあるので・・・)


転職サイトを見る日々があった時
いつも検索していたのが葬儀関係

何度も納棺師の求人を見ました。
それでも"今"ではないと思い続けていた。
まだ自信がなかったんでしょうね。

ようやく気付いたのは2021年6月頃。
上記でも書いたように異動した先がつまんない。


こんなの誰にでも出来るし、モチベーションが上がらない。
なんでこんなにもしがみついて居たんだろう。
タイミングってあるんですね。

転職しよう!とやっと心に決めました(遅い)
すると恐ろしいほど、決まっていくんです。


3.約8年ぶりの転職活動と決意表明


久しぶりの転職活動。
葬儀関係に進みたいと思うことも、
ごく一般的には珍しい方だと思いますが
その感情は自分の性格からも来ています。


まずやったことは、自分の性格を分析する。

・周りの20代と比べて落ち着きがある
(キャピキャピ感がない)

・物事を達観視する

・トラブルを冷静沈着に捉え解決する
(最初の会社で言われたのは「爆弾が落ちてきても、焦らず動じなさそう」と。いや、さすがに焦って逃げるけどね笑)

・芯が強い/メンタルが強い

これらを私の中で分析して、選ぶきっかけとなりました。

他にも職業はあると思うけど、
私の中では、例えると太陽か月の職業だったらどちらを選ぶか。

太陽は明るく照らしてくれて、人に元気を与えたり笑顔にする、輝かしてくれる職業だったり。

は地道にコツコツ、影の大黒柱みたいな、目立たない職業だったり。


私はどちらかと言うと、でした。
今までの経験上からもずっと。


人それぞれ、持ってる才能は違うからこそ
太陽と月、どちらも必要なんだと思うし
あえて逆を選んでも楽しいかもしれないし、でもツラいかもしれない。


そこで経験として学んだ先に
自分の才能の凄さに気付くことが出来る。



私は誰もやらないような職業を選んだかもしれない。
でも、誰もやらないからこそ発見が多くて経験値が上がる。
誰も見たことない景色と知識を得る。


それが出来る人は
誰よりも強くなり、誰よりも成長すると思います。


そう思った時、納棺師になることは変じゃない!
むしろ、誰も周りに居ないからこそ面白みがある。
人に興味を持ってもらえるし、自分の糧になる。


話は逸れましたが・・・
と言うことで私は葬儀関係一択で考えてました。

まず葬儀関係に進みたいと思ったら求人検索。
実はその時はまだ、納棺師じゃない(笑)

目に止まったのが葬儀に花を添えるフラワーコーディネーター。


小さい頃にお花屋さんになるのが夢だったし
花とか植物とか好きだしと思い応募したが、落選。


そこで吹っ切れたのか。
葬儀ディレクターか納棺師の二択に絞りました。


葬儀ディレクターの現場は見たことあるのですが・・・
夜間勤務とか嫌だし、営業力ないしな〜と思い
納棺師かなと(まさかの選択笑)


もちろん安易に納棺師になりたいなんて思ってないです。


2020年3月に祖父が亡くなりました。
身内が亡くなるのは初めてで、かなり泣きました。

闘病が長かった祖父は痩せ細り、見てるのも辛かったです。


葬儀の時、祖父の顔を見た瞬間
朗らかとしていて、むしろニッコリしているような感じで驚いたのを覚えています。

最期の瞬間こそ、遺族に安心を与えるような心配りが素敵だなと思ったし、技術が凄いなと思って改めて納棺師に関心が湧いた瞬間でした。


きっと祖父が身をもって教えてくれたのかな。
と今でも思っています。


決意した時、映画「おくりびと」を見返しました。

「おみおくり」という女性納棺師を描いた映画もあるので、興味ある方はどうぞ。

映画だからこそ、綺麗に描かれているけど・・・
改めて見終わった時に「私には出来る」と勝手ながら感じました。


故人様を思いやる丁寧な心遣いと接し方。
面には出さない感情と葛藤の中にあるプロ意識。

これに魅了されて、自分の心に火がつきました。



納棺師は大体が、葬儀会社が直接雇用している所と納棺師専門の会社があります。


私が勤めているのは、納棺師専門会社です。

求人検索してもあまりヒットせず求人募集内容も良い所がなかったので、自分で検索して会社のHPを見て直接応募しました。


その後、面接をして現地見学。
職業ならではかも知れないですが、納棺師を希望するにあたって必ず現地見学があります。

実際に勤める場所で制服を着て、先輩と同行します。
私は先輩がやっている所を見学。


納棺師はご遺体を綺麗にするために処置をするのですが、それが生理的に無理な人も居るので、実際に目で見て聞いて触れて(私は故人様の髪を洗わせていただいた)どうするか決める。


実はこの現地見学はかなり重要かつ良かった。
勤める職場、スタッフの雰囲気、業務内容など把握できること。

先輩スタッフも良い人で根掘り葉掘り聞いちゃいました!


だから"入社して思っていたのと違う"がない。
これは大きなポイントでした。


特殊な職業だからこそ、自分の意思確認も必要。


私は現地見学で初めて納棺の儀式を見させてもらった時に、自分もそこに立っているのが想像つきました。


業務終了後、意思確認して無事採用。


その後、退職する会社には退職届けを提出し
入社日まで2週間お休みをいただき、こうして働いています。


とこんな感じで、ざっくりと納棺師になるまでの道なり。
決意してから決まるまで二か月くらいでした。
転職活動ってこんなにスパンと決められたものだったけ?
と感じることもありました(笑)


憧れの職業までとはいかないですが、
ずっと心の隅でうずくまっていた。

それを解放するには、かなり時間がかかった。


でも、どれだけ時間がかかっても気付いて行動して良かったです。

"気付き"って本当に大切。
誰しもある、うずくまっているもの
それを解放してあげると思いがけないものに出会える!


納棺師のお志事など、実際に務めて感じたことは改めて書きたいと思います。

まだ入社したばっかりですが既に何人か故人様を処置して来ました。
裏側って本当に凄いですよ(笑)
綺麗な故人様を見せるための努力が凄いんです。
自分でやってみて、改めて尊敬しました。



まあ、納棺師と言う特殊な職業は離職率も高いですが・・・

でも私は前職で散々"辞める辞める詐欺"をしながら8年半勤めたし(笑)
任されたことは責任感を持ってやり遂げる自信があるし。

簡単には辞めないと思いたい・・・
(なのでここに決意表明として書きます!)

今後に乞うご期待!



最後に納棺師になるまでの勉強として読んでいた本。
読んでいるとウルウルする場面もありましたが、たくさん勉強になりました!
納棺師に興味がある方、納棺師とは?と気になる方は良かったら参考にどうぞ。


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