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生きる力

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#エッセイ

靴ひもを結びなおす、優しさ。

靴ひもを結びなおす、優しさ。

amazarashiの秋田ひろむさんが作詞作曲した「僕が死のうと思ったのは」の歌詞にこんな描写があります。

靴紐が解けているのに結び直せないのは、自分に関心を向けていない様子の現れです。人との繋がりを結び直す元気もない状態でもあります。

この歌詞を聴いたときに思い出したのは、こちら。

男の子の足元を見てください。靴紐が解けていますよね? 

2人は、ひょんなことから絶交してしまいます。ずっと

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月の光

月の光

 「スヌーズレンをやりたいと思います」

 新しく赴任して来た作業療法士さんはそう言いました。スヌーズレン?なんだかおしゃれでおいしそうな響き。一体どんなものなんでしょう。

 機能訓練室という部屋にはマットが敷かれていて、その上には知的障がいを持った人たちが寝転んでいます。作業療法士さんは部屋の電気を落とすと何かのスイッチを押しました。すると、天井に星空のような光が広がって、床に敷いてあった透明

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新玉ねぎにどハマり中|パリッコの「つつまし酒」#226

新玉ねぎにどハマり中|パリッコの「つつまし酒」#226

新玉元年 そもそもそういう傾向が僕にはあるのですが、最近、うっかりどハマりしてしまい、毎日そればっかり食べている食材があります。それが、新玉ねぎ。
 ごぞんじですよね? 春になるとスーパーなどでもよく見かけるようになる、一般的な玉ねぎよりもみずみずしそうな、白くてでっかい玉ねぎ。あれ、具体的には、普通玉ねぎは収穫後に乾燥させるところ、その過程を経ずにすぐ出荷される、旬の玉ねぎのことなんだそうです。

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本が好きと言うと「そうなんだ」で終わっちゃう人生を脱したい #私の本棚

本が好きと言うと「そうなんだ」で終わっちゃう人生を脱したい #私の本棚

28歳にして短期・中期合わせて30以上の職場を経験した。そう。お察しの通り、人生血迷っているドフリーターである。同時に、常に物事をこねくり回しまくる、コネクリストでもある。

出勤初日、どの職場でも聞かれるのが趣味だ。素直な私は嘘偽りなく、相撲と読書であることを伝える。すると相手は「そうなんだ、あんまりよく知らないなあ」などと終わらせにかかってくる。相手から話を振ってきたのに、こんなに実りのない結

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ウイスキーを飲んでみよう。

ウイスキーを飲んでみよう。

お酒の楽しみ方・飲み方・種類の好みは人それぞれ。

私自身、2020年に最寄りのスーパーで「デュワーズ ホワイトラベル」というウイスキーを何気なく買ってハイボールとして飲んだところから、ウイスキーの虜となりました。

そこで今回は、一歩踏み込んだウイスキーの楽しみ方を教えます。

1.はじめの1杯との出会い1)とりあえずのハイボール

飲み会の席で、ハイボールをなんとなく飲んだことのある人は多いと

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すべての犬たちが幸せでありますように (犬の短歌 12首)

小学四年生の、誕生日だった。

ゲージに入れられやってきた1匹のコーギーの子犬。その日から「クッキー」は我が家の一員になった。

クッキーはまだ耳が立ったばかりの赤ちゃんで、最初は本当に大変だった。やんちゃすぎる彼は私や弟のジーンズの裾にかみついて、楽しそうに引っ張り始める。穴だらけになってダメになったズボンや靴下がいくつもあった。

しつけをして、一緒に暮らすためのルールを覚えるまでは、かなり振

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日本の健康食「もうやんカレー」は、現代を生き抜くために不可欠

日本の健康食「もうやんカレー」は、現代を生き抜くために不可欠

1997年創業の「もうやんカレー」。
創業して以来、一途にカレーと向き合い、多くの人に愛されてきたもうやん。
1994年に誕生した「とと戸」は、28年間の多くを無駄な時間として費やし、現代フリーターにありがちな職を転々とする生き様で、多くの人に期待をされず生きてきた。

かけ離れた世界で存在するもうやんととと戸、ついに交わる日がやってきた。

もうやんカレー・初来店オフィスビルの地下一階にあるもう

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お化粧最低限の私が箱根で気づいた、美への投資

お化粧最低限の私が箱根で気づいた、美への投資

私は美に投資できない。

きれいにお化粧をほどこしている人を見て、わぁいいなぁと、一瞬興味が湧くけれど、色々購入して比べてみたりするのは億劫になってしまう。

最低限のお化粧だけシャーっとして出かけちゃう。

外にある美しいものが見たい。

光を浴びた木々や、艶めくソースがかかった料理や、現実にはないものを描いた絵画。それらを見るために旅にでる。

目的地は箱根。

箱根登山鉄道が湯本駅に到着し、

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「まごわやさしいご飯」を作ってみた話

「まごわやさしいご飯」を作ってみた話

 【まごわやさしい】
 この言葉を初めて聞いたのは、当時、まだ現役の野球選手だった工藤公康さんのドキュメンタリーを見たときのことだ。

 テレビカメラは工藤氏の自宅キッチンを映し出し、そこで奥さまの雅子夫人が手際よく料理をしている。大きな冷蔵庫を開けると、そこにはたくさんのタッパーが並んでいた。中身はすべて、下処理された食材や、夫人手作りのお惣菜だ。きちんとラベリングされ、整理された冷蔵庫は、なか

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