イケダマホ

おいしいごはんが食べられますように。 食を中心に日々の生活を綴っています。

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マガジン

  • CALLING[小説]

    食べ物の声を聞くことのできる少年が、ある食堂との出会いをきっかけに人生変えていく話 #創作大賞2024 #お仕事小説部門

  • 肉まん探究記

    肉まんレシピの追求

  • 生きる力

    noteで出会った素敵な記事たち

  • 食後景記

    家族のテーブルに見えたもの、その記録

  • 作りたいレシピ

    いつか真似したいレシピを集めています

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つなぐ食卓

去年の秋、4歳の姪と3歳の甥とスイートポテトを作った。祖母の家の畑で芋掘りをして、その日のうちに一緒に調理をして食べた。 甥はさつまいもを蒸す作業に痺れを切らし、早々に大好きな恐竜のもとへ行ってしまったが、姪は自分が掘り起こしたさつまいもと根気強く向き合った。 祖母と、姪と、甥が掘り起こし、小さな手で一生懸命泥を落としたさつまいもをわたしが切る。切られたさつまいもを、姪が蒸し器に入れる。湯気の立つ鍋を見ながら、「まだー?」「まだー?」と何度も尋ねてくる。 蒸しあがった芋

    • コロッケには愛がある

      おうちコロッケ、好きですか? 私は好きです。 芋なんて、なにしても、何もしなくてもおいしいのに、わざわざ茹でて、つぶして、形作って、衣をつけて、揚げる。 レンチンしてバター乗っけるだけ、塩振るだけの素朴な味わいも大好きだけど、やっぱり手間をかけたらかけただけおいしくなるのは気のせいではないはず。 サクッとした衣に、ほくほくの芋感がたまらない。 アク抜きとか、油抜きとか、筋取りとか、レンチンより蒸しだとか、料理のなかでやったほうがいいことは無数にあるけど、やらずにどれだ

      • 産後の目標だった小説一本書き上げました🎉お暇なときにでも読んでいただけると嬉しいです。 おいしいご飯が食べられますように。

        • CALLING [小説] (3/3)

          第3章 5.  母さんの作った食べ物が、『料理の記憶』を持っていたのかもしれないということに気づいたからといって僕の暮らしが大きく変わるようなことはない。ただほんのちょっと、弁当の時間が嫌いではなくなった。それだけだ。僕が母さんの弁当を喜んで食べようと食べまいと、毎日は変わらずやってくる。つまり、中間考査が目前だった。  テストが明日に迫り、放課後の教室はにわかに活気づく。僕はなぜこうなったのか、相変わらず事情を飲み込めないまま、空き教室で今井と机を並べていた。 「先

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        つなぐ食卓

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        • CALLING[小説]
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          6本
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          34本
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          13本
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          6本

        記事

          CALLING [小説] (2/3)

          第2章 3.  今井と店を訪れてから、外食はめんどくさいと思っていたのが嘘のように、3週連続で店に通い続けている。まるで中毒を起こしたみたいに、あたたかいおにぎりと具沢山のみそ汁が欲しくなって、そのあたたかいのを食べると、不思議なくらい自分の体が軽くなるのだ。  僕がちょうど『3rd kitchen』から帰ってすぐのことだ。普通の勤め人なら帰宅するはずの時間に、これから出勤だという母さんに呼び止められた。 「由貴ー?最近おかずがあんまり減ってないけど、どこかで食べてるの

          CALLING [小説] (2/3)

          CALLING [小説] (1/3)

          プロローグ  例年よりも一足早い桜の開花に、街中が柔らかくあまやかな空気に満ちている。レジャーシートを敷いた花見客は、ほの白い光に囲まれて弁当を広げ、一様に明るい表情を浮かべていた。  浅野由貴は、職場の窓から白い渦のように咲きあふれる桜を見下ろした。デスクには今日発売されたばかりの雑誌「Live」が数冊置かれている。表紙の中央には、一際大きな明朝体で「春のぬくもり」と書かれていた。由貴の指が、ゆっくりと紙面を滑る。みどりの鮮やかな豆ご飯のおにぎりに、春色の卵焼き。カバー

          CALLING [小説] (1/3)

          本能煩悩スフレ

          お久しぶりです。2ヶ月ほどnoteを不在にし、別投稿サイトに通っていました。最近考えたことをまとまらぬままにちょこっと書いたので、お時間あればのぞいてみてください。 ⌘ 赤ちゃんとの生活は、永遠に味わえるスフレみたいだ。 スフレとは、本来、瞬間を味わうスイーツである。 その日の気温や湿度に合わせて、丁寧に材料を混ぜ合わせる。最高の焼き上がりになるように、配合や混ぜ方、焼き方を変えてみる。じっくり丁寧に焼き上げ、スポンジを口にする瞬間が、まさにスフレの食べどき。焼きたて

          本能煩悩スフレ

          卵焼き器 de ミルクレープ

          一般的なフライパン24cmとかで焼いてしまうと、厚みを出すために大量にタネを用意しないといけないので、四角くてかわいいサイズのミルクレープを焼いてみた。 生地を焼く 簡単レンチンカスタードクリーム ふつうのカスタードクリームは卵黄しか使わないが、卵白が余るのが嫌なのでこのレシピを愛用。クレープを冷ます間にクリーム類を用意しておくとよい。 組み立て カスタード、生クリーム、いちご、生地を用意する。

          卵焼き器 de ミルクレープ

          5年前の今日告白するわたしへ

          拝啓 5年前の今日、告白するわたしへ あなたは5年後には結婚して、子どもまでできています。安心して告白しましょう。 とはいっても、朝からそわそわしっぱなしで、なんで言おう、いつ言おうとぐるぐる考えていることでしょう。 いまはどのあたりでしょうか、行きの車中ですか?彼の家の最寄りのローソンで待ち合わせ中ですか? 食べることが大好きなわたしらしく、思い切って年末蟹ランチに誘ったことは、吉とでたのではないでしょうか。なんせ、城崎までは車で往復3時間はかかりますから、その間に心

          5年前の今日告白するわたしへ

          犬も祝うクリスマス

          クリスマス、一年のなかで最も好きなイベントだといっても過言ではない。わたしが祝うべきことなどなにも起きていないのだが、御多分にもれず、乾杯酒を手にし聖なる夜を賛美する。 「クリスマスだから」は魔法のことば クリスマスだからちょっと贅沢なごはん クリスマスだから自分にご褒美 いつもよりいいお肉、いつもより贅沢なスイーツ、いつもよりちょっぴり背伸びした服装。キラキラした街並みと、隠し持ったプレゼントの温もり。何歳になってもクリスマスにはそわそわしてしまう。「クリスマス」という

          犬も祝うクリスマス

          【雑談】文章のこと

          わたしが食べたのは焼き魚定食だったかな?? ランチで1800円 がつんとステーキの口になっていたので、一切れ食べてすごく驚いた。 まったく脂っこくない!!!というか、むしろあっさりしている。しかし赤身が多いからと言って食べごたえがないわけでもなく、ちゃんと牛肉なんだが、なんとなく肩透かしを喰らった気分。 もうあと3枚はいけたな、ぐらいの胃の具合でほんとにあっさりしたステーキでした。 ⌘ 長い間放置していたnoteアカウントを、産休を機に始動させて約半年。 たくさん

          【雑談】文章のこと

          長々し夜をひとり厨で

          夫がエッセイを書いてくれていたので、another sideを少し。 ⌘ 月に1回くらいまったく寝付けない日がある。心身ともに健康体であると自負しているので不眠症ではない。不思議な現象だが、本当に起きる。じーっと目をつぶってもスマホを遠ざけても、まったく眠れない。 横にいる夫は、すやすやと寝息をたててすっかり寝入っている。ひとりの夜は長い。そういう日は、ベッドにいることを早々に諦めてキッチンへ向かい、パウンドケーキを作ることにしている。 なぜパウンドケーキか。理由は単

          長々し夜をひとり厨で

          焼きそばとたまごの素敵な関係

          焼きそば作りにちょっとしたこだわりをもっている。 最後にたまごをのせると、焼きそばがまったく違う料理になるのだ。家で作れば、一食100円を切るんじゃないかという家計の味方。コスパの良すぎる焼きそばだが、ただの焼きそばと侮ることなかれ。 ソース焼きそばは、包んでオムそばに、塩焼きそばは半熟目玉焼きを絡めて、それだけでひと味違った焼きそばができる。豚こまがちょっと少ないなーってときの救世主にもなる。豚もたまごもタンパク質。 この記事を読んだ方にはぜひ試してもらいたい。今日伝え

          焼きそばとたまごの素敵な関係

          ゆずの香、冬の料理を華やかに

          白菜、ネギ、かぶ、大根、水菜、冬が旬の野菜は冬の味がする。なんとなく淡白で、凛と冷たい感じ。(もちろんそればっかりではないけれど) 冬野菜には、そっとゆずを添えるだけで、見た目も味も一気に華やかになるので気に入っている。 滋味あふれる冬の晩御飯。 冬至にもぜひゆずを添えたい。

          ゆずの香、冬の料理を華やかに

          記事がコンテストで優秀賞に選ばれました。食への愛が通じた瞬間😚

          記事がコンテストで優秀賞に選ばれました。食への愛が通じた瞬間😚

          「未知」、アドバンテージ

          知らないからこそ挑戦できることって多いなあと最近思う。 しまなみ海道をサイクリングしたとき、インスタの写真をみて、亀老山展望に行きたいと軽々しく思ってしまった。 サイクリング超初心者のわたしは、これがいわゆるヒルクライムというやつだとも知らず、ガンガン行こうぜの精神で峠に入っていく。なんかここやばい、と思ったときにはもう引き返すのも惜しいという、ただの負けず嫌いと気力だけで4kmほどの峠を登り切った。達成感もひとしおであるが、きっとこんなにもしんどい道だと知ってたら登ろう

          「未知」、アドバンテージ