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「イメージズ」のメランコリー:カサヴェテス『フェイシズ』についての覚書/伊藤連
『ガラスの動物園』の長男トムは、夜ごと映画に出かける。多くの読者(観客)から同性愛者と見なされているこの人物の習慣には、どうやら別の動機を伺うこともできそうなのだが、それについてはたしか新潮文庫版の訳者後書きでもすでに指摘されていたからここで触れることはしない。トム本人の語っていた事情を、本を探す手間を省いて、ただ思い起こしてみることにしよう(言い訳めくが、ウィリアムズの作品はつねに、確かめる
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