RIP SLYME論〈二〉/柳田寛登
今回は、2001年から2010年までのRIP SLYMEが論じる対象となる。この期間は彼らのメジャーデビューから、『GOOD TIMES』と『BAD TIMES』のベスト盤2作が発売されるまでに対応する(註1)。この時期には、「楽園ベイベー」(2002)や「熱帯夜」(2007)など「ヒップホップ」としてのみならず、「J-POP」としても知られているようなヒット曲が発表されている。では、この時期の彼ら、すなわち、広く知られている「RIP SLYME」はどのような世界を描いてい