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異業種参入の契機到来…動き出した金融変革の歯車――
フィンテックが書き換える業界の勢力図 コロナ禍により、個人・法人ともに非対面取引(インターネット取引)が普及した。銀行だけでなく、証券・生保・損保・ノンバンクいずれも非対面チャネル重視の傾向は続くだろう。法改正やFinTechの活用により、異業種からの参入も相次いでおり、金融業界の競争環境は激化している。もはや、エンベデッド・ファイナンスや生成AIの利活用などに後れを取れば、業界再編のターゲットに
もっとみる戦略がコモディティ化する流通小売業界…他社との差別化を図る策とは――
競争優位性を生み出すRetailTech 新型コロナウイルス感染症拡大により、世界の人々の暮らしは一変した。またロシアのウクライナ侵攻等の世界情勢の悪化が原油高騰や物価高を引き起こし、食品や日用品をはじめとするあらゆる商品の価格を引き上げ、販売管理費等のコストが流通小売業の収益を圧迫している。同業界では、戦略の大幅な見直しが避けられない状況にあり、各社、生き残りをかけた事業再編を加速させている。
教師主体から子供主体の教育へ、「詰込み型」から「個別最適」学習へ――
「21世紀型教育」を実現するためのEdTech 現在、教育現場のデジタル変革が推進されている。例えば、公立小中学校を対象とするGIGAスクール構想によって、児童生徒1人1台の情報端末とクラウド環境が整備され、先端技術を用いた教育やスタディ・ログ等によるデータの蓄積が行われ、教育データの利活用が進むことが期待されている。補足しておくと各学校の方針にもよるが、私立小中学校や高校も補助金等を活用した同様
もっとみる借金のツケ回しで成り立つ医療提供体制…医療業界に迫る「2025年問題」とは――
医療提供体制を支えるMedTech 来年、日本の医療提供が混乱することが予想されている。医師の働き方改革の一環として、今年4月より医師の時間外労働時間の上限規制(960時間)が適用された。既に医療現場の悲痛な叫びが、報道を通じ、耳目しているだろう。今後、医療提供体制を維持することはできるのだろうか。日本の現状と実態を理解した上で、持続可能な医療提供体制を構想してみる――。
1. 医療業界の「20
「物流クライシス」は世界的潮流だった…デジタル化で危機は乗り越えられるのか
海外大手プラットフォーマーの失敗から学ぶ「物流の未来」 世界的に直面する「物流クライシス」に対して、どのようなデジタル対応が効果的なのだろうか。現実論としての落としどころを探ってみた――。
1. 物流業界の現状:世界と日本の違いを探る1-1. 世界の物流業界の現状
世界の物流業界は、デジタル化の波とグローバル市場の成長により大きく変化している。元々拡大の様相を呈していたEC(電子商取引)市場