龍成(りょうせい)

脳科学やScienceを通じて、この世の真理に近づきたい。 beBitを創業、副社長…

龍成(りょうせい)

脳科学やScienceを通じて、この世の真理に近づきたい。 beBitを創業、副社長。その後、聴覚×脳科学の「neumo」を起業。 以前は京大と東大で講義も。 ブレインテックレポートも執筆。 http://neumo.jp/ja-consultation

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睡眠をコントロールすることで、クリエイティビティを向上させる(MIT)

Dream to Create: Sleep Onset Boosts Creativityという論文ニュースからです。 創造性が高い状態になると昔から信じられていた「覚醒から睡眠」に移行する状態において、…

自由になるために「経済的自立」を問う勝間和代、「面白がる」ことを問う岡田斗司夫

『自由さというのは勝間和代のように経済的自立の上に成り立ってるのではなく、「面白がること」だと思う。 面白さ以外の目標をあまり持たないようにすること、面白がる以…

お酒を週に2杯以上飲んだら、飲み過ぎなの?(WSJ)

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なぜ高級車を買っても幸せになれないのか?をドーパミンで説明してみる

お金持ちのYouTuberや有名人の多くの人が、高額な買い物がもたらす幸せは「買った時がMax」で、それ以降は急激に喜びが低下すると言っています。 なぜなんでしょうか?脳…

ソフトバンク、NVIDIAの売り時を間違えたことで24兆円近くの利益を逃す

SoftBank Chief Rues Selling Nvidia Stake and Missing Out on $150 Billion というWSJの記事から。 ソフトバンクは元々、NVIDIAの株を7億ドル(約1,113億円)で入手し、…

Apple、独自のAIビジョン(Financial Times)

Apple Intelligence: iPhone maker takes control with its own AI vision というFTの記事から。 AppleのOpenAIとの提携について、Financial TimesとThe Wall Street Jour…

UAEのAI注目企業、G42(The Economist)

G42, an Emirati AI hopeful, has big plans というThe Economistの記事から。以下の内容はWikipediaなど様々な情報源からまとめています。 G42は2018年に設立されたアラ…

FDAの諮問委員会は、MDMAの「PTSDに対する治療効果」に否定的な見解

Panel advising US regulator rejects MDMA as treatment for post-traumatic stress disorder というFTの記事から。 米食品医薬品局(FDA)が招集した専門家で構成される…

ほどよいアルコール消費は、認知症予防になるの?

医学論文誌 The Lancetの "Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission" という論文から。論文では、認知症の予防可能因子を12に…

幸福とは今あるもので満足すること。成功は不満足から生まれる。選択せよ(ナヴァル・ラヴィカント)

ナヴァルは起業家であり投資家であり、思想家でもあります。彼の考えは、こちらでも知ることができますし、本にもなっています。 今あるものに満足することは大切だが、「…

団塊の世代は、なぜケチなのか?

Baby-boomers are loaded. Why are they so stingy? というThe Economistの記事から。 莫大な資産を有する(米国の)団塊の世代が引退すると、大消費時代が来ると思ってい…

中国、犬型ロボット兵を公開(CCTV)

中国はカンボジアとの合同軍事演習で犬型のロボット兵を公開しました。 ライフル銃で射撃するロボット犬の映像が衝撃的なので、そちらばかり報じられていますが、最初に映…

認知症高齢者が保有する資産は、2030年には約314兆円に達する

Dementia in Japan: a societal focus という医学論文誌The Lancetの記事を読んでいたところ、認知症患者さんの資産に関する話が出てきたので紹介します。 The Lancetの記…

中年期やシニアにおける社会参加は認知症リスクを激減させる(nature aging)

Social participation and risk of developing dementia というnature agingの論文からです。 85才を越えると55.5%の人が認知症になるというデータもあるように、認知症は…

デートアプリに興味を失うZ世代の女性(FT)

Young women fall out of love with dating apps というFTの記事から。 若い女性はデートアプリに対して「燃え尽き症候群」に陥っています。自分には不要なコンテンツが提…

少子化対策にお金を投じるのが「無駄」な理由(The Economist)

Why paying women to have more babies won’t work というThe Economistの記事から。 日本よりもはるかに激しい少子化に苦しむ韓国は合計特殊出生率が0.72、ソウルに至っ…

睡眠をコントロールすることで、クリエイティビティを向上させる(MIT)

睡眠をコントロールすることで、クリエイティビティを向上させる(MIT)

Dream to Create: Sleep Onset Boosts Creativityという論文ニュースからです。

創造性が高い状態になると昔から信じられていた「覚醒から睡眠」に移行する状態において、「木」に関する夢へと誘導するとクリエイティビティが向上するのかどうかを検証した、MITとハーバードの共同研究です。

5年以上前から睡眠×クリエイティビティに注目していたMITMITは睡眠を通

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自由になるために「経済的自立」を問う勝間和代、「面白がる」ことを問う岡田斗司夫

自由になるために「経済的自立」を問う勝間和代、「面白がる」ことを問う岡田斗司夫

『自由さというのは勝間和代のように経済的自立の上に成り立ってるのではなく、「面白がること」だと思う。

面白さ以外の目標をあまり持たないようにすること、面白がる以外の価値観をあまり持たないようにすることが、実は自由への案外近道じゃないかと思っている。』

以前、億男という小説が大ヒットしましたが、その小説に関する岡田斗司夫さんの解説動画がありました。

その動画(実際は切り抜き屋さんによる動画の寄

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お酒を週に2杯以上飲んだら、飲み過ぎなの?(WSJ)

お酒を週に2杯以上飲んだら、飲み過ぎなの?(WSJ)

Do Americans Drink Too Much? Alcohol Is Driving a Debate in Washington というWSJの記事から。

現在は男性1日2杯以下、女性は1杯以下が基準

現在アメリカでは、連邦政府のガイドラインでは「男性は1日に2杯以下、女性は1杯以下」であれば安全な飲酒とされています。

ビールで言えば5%のビールを小さめの缶(約355ml)で2杯

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なぜ高級車を買っても幸せになれないのか?をドーパミンで説明してみる

なぜ高級車を買っても幸せになれないのか?をドーパミンで説明してみる

お金持ちのYouTuberや有名人の多くの人が、高額な買い物がもたらす幸せは「買った時がMax」で、それ以降は急激に喜びが低下すると言っています。

なぜなんでしょうか?脳科学から半分冗談な仮説で説明したいと思います。

脳内の神経伝達物質には、実際にドーパミン以外にも様々なものがありますし、幸せをドーパミンだけで説明するのは乱暴ではあります。ただ、ドーパミンに絞ったとしても、人生を考える上でのヒ

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ソフトバンク、NVIDIAの売り時を間違えたことで24兆円近くの利益を逃す

ソフトバンク、NVIDIAの売り時を間違えたことで24兆円近くの利益を逃す

SoftBank Chief Rues Selling Nvidia Stake and Missing Out on $150 Billion というWSJの記事から。

ソフトバンクは元々、NVIDIAの株を7億ドル(約1,113億円)で入手し、それを市場で33億ドル(約5,247億円)で売却していました。

これだけでも普通に考えたら凄まじい利益です。何の問題もありません。

しかし、NVI

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Apple、独自のAIビジョン(Financial Times)

Apple、独自のAIビジョン(Financial Times)

Apple Intelligence: iPhone maker takes control with its own AI vision というFTの記事から。

AppleのOpenAIとの提携について、Financial TimesとThe Wall Street Journalの両方の記事を拝見しましたが、かなり見方が異なるようです。

WSJは、OpenAIがMicrosoftとの契約が

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UAEのAI注目企業、G42(The Economist)

UAEのAI注目企業、G42(The Economist)

G42, an Emirati AI hopeful, has big plans というThe Economistの記事から。以下の内容はWikipediaなど様々な情報源からまとめています。

G42は2018年に設立されたアラブ首長国連邦のアブダビに拠点を置くAI企業です。UAEのタフヌーン・ビン・ザーイド国家安全保障局顧問が支配的な株主で会長を勤めています。

中国との深い関係について米国

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FDAの諮問委員会は、MDMAの「PTSDに対する治療効果」に否定的な見解

FDAの諮問委員会は、MDMAの「PTSDに対する治療効果」に否定的な見解

Panel advising US regulator rejects MDMA as treatment for post-traumatic stress disorder というFTの記事から。

米食品医薬品局(FDA)が招集した専門家で構成される諮問委員会(advisory committee)において、薬とセラピーを組み合わせたMDMAベースのPTSD治療について、臨床結果は治療が効果

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ほどよいアルコール消費は、認知症予防になるの?

ほどよいアルコール消費は、認知症予防になるの?

医学論文誌 The Lancetの "Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission" という論文から。論文では、認知症の予防可能因子を12に分類していますが、その中からアルコールにフォーカスをして紹介します。

アルコールの飲み過ぎは認知症リスクを高める論文では認知症の要因として「

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幸福とは今あるもので満足すること。成功は不満足から生まれる。選択せよ(ナヴァル・ラヴィカント)

幸福とは今あるもので満足すること。成功は不満足から生まれる。選択せよ(ナヴァル・ラヴィカント)

ナヴァルは起業家であり投資家であり、思想家でもあります。彼の考えは、こちらでも知ることができますし、本にもなっています。

今あるものに満足することは大切だが、「不満足」だからこそ成功できるという矛盾"Happiness is being satisfied with what you have. Success comes from dis-satisfaction. Choose."
幸福とは

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団塊の世代は、なぜケチなのか?

団塊の世代は、なぜケチなのか?

Baby-boomers are loaded. Why are they so stingy? というThe Economistの記事から。

莫大な資産を有する(米国の)団塊の世代が引退すると、大消費時代が来ると思っていたが…アメリカのベビーブーマーは人口の20%しかいないのに、国の純資産の52%を所有しています。

チャールズ・グッドハートやマノジ・プラダンの「ライフサイクル仮説」によれば、

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中国、犬型ロボット兵を公開(CCTV)

中国、犬型ロボット兵を公開(CCTV)

中国はカンボジアとの合同軍事演習で犬型のロボット兵を公開しました。

ライフル銃で射撃するロボット犬の映像が衝撃的なので、そちらばかり報じられていますが、最初に映像に登場したのは「ロボット偵察犬」なので、もしかすると危険な地域に様々なレーダー(現行ロボットは映像のみ?)を搭載して、最初に偵察に行くことが主要な任務かもしれません。

また、同じ動画では射撃ドローンも公開されており、地味に不気味でした

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認知症高齢者が保有する資産は、2030年には約314兆円に達する

認知症高齢者が保有する資産は、2030年には約314兆円に達する

Dementia in Japan: a societal focus という医学論文誌The Lancetの記事を読んでいたところ、認知症患者さんの資産に関する話が出てきたので紹介します。

The Lancetの記事は上記のような内容です。215兆円とあったので色々と調べてみたところ、三井住友信託銀行株式会社が出した2022年における推計では

「日本の認知症高齢者が保有する資産総額は 202

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中年期やシニアにおける社会参加は認知症リスクを激減させる(nature aging)

中年期やシニアにおける社会参加は認知症リスクを激減させる(nature aging)

Social participation and risk of developing dementia というnature agingの論文からです。

85才を越えると55.5%の人が認知症になるというデータもあるように、認知症は誰にでも襲いかかる可能性のある病気です。

社会参加は認知症リスクを30〜50%低下させる可能性様々な研究を総合すると、中年期およびシニア期における社会的参加が活発な

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デートアプリに興味を失うZ世代の女性(FT)

デートアプリに興味を失うZ世代の女性(FT)

Young women fall out of love with dating apps というFTの記事から。

若い女性はデートアプリに対して「燃え尽き症候群」に陥っています。自分には不要なコンテンツが提示されると感じたり、暴力的な脅迫を受けていると思うユーザーもいるそうです。

Tinderを運営するMatch GroupやBumbleの株価はピーク時よりも80%以上も下落してます。

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少子化対策にお金を投じるのが「無駄」な理由(The Economist)

少子化対策にお金を投じるのが「無駄」な理由(The Economist)

Why paying women to have more babies won’t work というThe Economistの記事から。

日本よりもはるかに激しい少子化に苦しむ韓国は合計特殊出生率が0.72、ソウルに至っては0.55人です。

その韓国は子供が生まれたら「1億ウォン(約1100万円)」の手当を支給するプランを発表しましたが、記事ではそれも無駄に終わるだろうと予測しています。

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