龍成(りょうせい)

脳科学やScienceを通じて、この世の真理に近づきたい。 beBitを創業、副社長…

龍成(りょうせい)

脳科学やScienceを通じて、この世の真理に近づきたい。 beBitを創業、副社長。その後、聴覚×脳科学の「neumo」を起業。 以前は京大と東大で講義も。 ブレインテックレポートも執筆。 http://neumo.jp/ja-consultation

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

睡眠をコントロールすることで、クリエイティビティを向上させる(MIT)

Dream to Create: Sleep Onset Boosts Creativityという論文ニュースからです。 創造性が高い状態になると昔から信じられていた「覚醒から睡眠」に移行する状態において、「木」に関する夢へと誘導するとクリエイティビティが向上するのかどうかを検証した、MITとハーバードの共同研究です。 5年以上前から睡眠×クリエイティビティに注目していたMITMITは睡眠を通じてクリエイティビティを向上させる研究に5年以上前から取り組んでいます。 Do

    • 異なる内発的報酬(読書や芸術鑑賞)に対して共通する感受性が存在し、それが高いほど精神的健康度も高い傾向がある(nature mental health)

      Sensitivity to intrinsic rewards is domain general and related to mental health というnature mental healthに掲載された論文から。 延べ483人の被験者に対して行われた実験で、視覚・認知・社会的な報酬に対する感度が高い人の方が、精神的に健康であることが分かりました。 視覚報酬は「風景画」、認知報酬は「ためになる知識」、社会報酬は「他者からの同意」です。 興味深いことに、金銭

      • 戦争で壊滅的な打撃を受けるウクライナの人口動態(Le Monde)

        Two years of war in Ukraine: A catastrophic effect on demographics というフランスのLe Mondeの記事、及び The war, refugees, and the future of Ukraine's population という論文をもとにした内容です。 戦争前ですらピーク時より20%以上も減少していたウクライナの人口ウクライナの人口は1993年には5,218万人いましたが、ロシアとの戦争が始まる前で

        • 「超加工食品」が脳に与える負の影響が分かってきた(WSJ)

          The New Science on What Ultra-Processed Food Does to Your Brain というWSJの記事から。元になる論文はBMJなどに掲載されています。 超加工食品(Ultra-Processed Food)を日常的に取っていると、死亡率・がん・呼吸器・心血管・胃腸・代謝に対して悪影響を与えるだけでなく、精神状態にも悪影響が出ることが、記事に登場するメタアナリシス研究で明らかになりました。 具体的には、うつ病、不安障害、睡眠障害

        • 固定された記事

        睡眠をコントロールすることで、クリエイティビティを向上させる(MIT)

        マガジン

        • Ryosei ビジネス記事メモ
          60本
        • 論文や記事
          93本
        • 脳科学中心のScience記事メモ
          79本
        • AI関連
          21本
        • 日々実践
          10本
        • 思いがけず目にした言の葉たち
          27本

        記事

          若い男女間の考えの溝を理解する(The Economist)

          Making sense of the gulf between young men and women というThe Economistの記事から。 商業的にはZ世代のように一括りで語られることが多い若い世代ですが、実際には全く異なる意識を持っているという内容です。 特にフェミニズムにおいては65歳以上の男性よりも、30歳以下の男性の方が反フェミニズムの傾向があり、「女性や女児の権利向上は、男性や男児の機会を脅かす行き過ぎたものである」と捉える傾向が強くなっています。

          若い男女間の考えの溝を理解する(The Economist)

          カップ麺化する世界の食。それは危険な兆候でもある(Financial Times)

          Oodles of noodles: how a global favourite became an economic red flag というFinancial Timesの記事から。 記事によると、1年間に消費されるラーメンを1列に並べると、冥王星まで届くそうです。 世界ではカップ麺(即席麺)が売れまくっており、2022年は過去最高の1,210億食が売れ、2018年よりも約17%増加しています。 この売上増は「経済的な悲鳴」を表している可能性がある、というのが記事

          カップ麺化する世界の食。それは危険な兆候でもある(Financial Times)

          ビットコインの未来は「デジタルゴールド」(The Economist)

          Bitcoin’s price is surging. What happens next? というThe Economistの記事から。FTX破綻時のメディアの風潮とは打って変わって、非常に好意的な内容です。 緩やかに価格が上昇し続けるのがビットコインの未来?ビットコインを「ニッチなサイバーパンクという存在から、主流の金融資産に近いものへと変化してきた」と評価しています。 また、テクノロジーへの見通しやイーロン・マスクなどのテクノロジーに精通したインフルエンサー(という

          ビットコインの未来は「デジタルゴールド」(The Economist)

          なぜ多くのインド人が株式に投資しているのか?(The Economist)

          Why are so many Indians piling into stocks? というThe Economistの記事から。 インドでは株式投資がブームです。2019年から2023年の間に口座数は、4,100万人から1億4,000万人と、3倍近くに増加しています。 デジタル化、パンデミックが家計を直撃したこと、そして投資された資産が実際に良いリターンを生み出したことなどが、インド人の株式投資熱を強く後押ししています。 しかし、加熱するインド株式市場の個別株そのも

          なぜ多くのインド人が株式に投資しているのか?(The Economist)

          米大統領選には出馬しないことを、正式に表明したミシェル・オバマ

          Michelle Obama's office says the former first lady 'will not be running for president' in 2024 という米NBCのニュースが飛び込んできました。 正確に言えば、共和党の予備選でトランプ元大統領が圧勝したので、賭けサイトのオッズがどのように変化したのかチェックしに行ったら、ミシェル・オバマの倍率が急落していました。 2月14日に賭けサイトをチェックした時には、ミシェル・オバマの倍率は

          米大統領選には出馬しないことを、正式に表明したミシェル・オバマ

          OpenAIに挑む、フランスの超有望AIスタートアップとは?

          Meet the French startup hoping to take on OpenAI というThe Economistの記事を参考に、Mistral社のウェブサイト、TechCrunchの記事、FTの記事や比較論文なども調べてnoteにしています。 フランスのMistral社が開発した生成AIはOpenAIに匹敵?GPT-4という最強のllms(大規模言語モデル)を生み出したOpenAIが、生成AIの分野では独走しているかに思われていましたが、Alphabet(

          OpenAIに挑む、フランスの超有望AIスタートアップとは?

          BadGPTの時代へようこそ(WSJ)

          Welcome to the Era of BadGPTs というWSJの記事をもとに、他のウェブサイトの情報も併せて記事にしています。 BadGPTやFraudGPTが暗躍OpenAIの人工知能を利用した "BadGPT" や "FraudGPT" と言ったサービスが登場しています。 基本的にインタフェースはChatGPTに似ていますが、例えば「銀行関連のフィッシング メールを作成」を要求すると、どこに悪意あるリンクを挿入すべきかも含めたメールのフォーマットを書き出して

          BadGPTの時代へようこそ(WSJ)

          睡眠中にリラックスする言葉を聞くと心拍数が下がり、眠りも深くなる

          Relaxing Words Steer Sleep Quality という論文ニュースから。 リエージュ大学サイクロトロン研究センター(GIGA)の研究によると、睡眠中にリラックスする言葉を聞くと心拍数が下がり、睡眠も深くなることが分かりました。 この研究を応用して、睡眠中の心拍数を計測することで睡眠の質を推定できたり、心拍数をコントロールすることで睡眠時の記憶処理における「感情要素」を操作できる可能性があります。 【龍成メモ】睡眠中における聴覚への刺激は睡眠の質を高

          睡眠中にリラックスする言葉を聞くと心拍数が下がり、眠りも深くなる

          Bud Lightに対してトランプ元大統領が援護射撃をするも、トランスジェンダー騒動の傷は癒えず

          Bud Light Missed Out on the Super Bowl Party というWSJの記事から アメリカの保守層の愛すべきブランドだったBud Lightが昨年、トランスジェンダーでインフルエンサーのDylan Mulvaneyさんとコラボし、彼女の絵柄つきのBud Lightをプレゼントしたところ、政治的に保守系のコアなファンが激怒し、米国内シェア1位の座をModelo Especialに奪われてしまいました。 今年に入っても状況は変わらず、2月17日

          Bud Lightに対してトランプ元大統領が援護射撃をするも、トランスジェンダー騒動の傷は癒えず

          女性のサイコパスは、これまでの想定の5倍も多い可能性

          Prevalence of Female Psychopaths: More Common than Believed という論文ニュースで、3月16日に行われる講演に先行して公開された情報です(より詳細な内容については講演もしくはその後に発表されるかもしれない論文を参照ください)。 サイコパスの男女比は 1.2:1これまでのサイコパスの測定(判定)方法は男性を基準としていため、女性のサイコパスを見極めづらい傾向にありました。 より正確な方法でサイコパスの測定をしたところ

          女性のサイコパスは、これまでの想定の5倍も多い可能性

          耳が悪くなる原因には何がありますか? 抗がん剤もその1つです。

          耳のセミナーで「耳が悪くなる(内耳の細胞がダメになる)原因は何がありますか?」と聞かれて、私が「抗がん剤もその1つです」と答えました。やり取りの中で「もうその抗がん剤は使われてないはずです」という話も出たので、改めて調べてみました。 主に Oxidative Stress and Inflammation Caused by Cisplatin Ototoxicity という論文をもとに、このnoteを書いています。 今でも立派に使われている抗がん剤、シスプラチンシスプラ

          耳が悪くなる原因には何がありますか? 抗がん剤もその1つです。

          サンフランシスコ、復活の狼煙(のろし)を上げる

          ちょうど去年の今頃に、サンフランシスコのオフィスの空室率は24.1%になり、昨年2023年末にはなんと35.9%に達したと言われています。 犯罪率も顕著に増加し、ホテル、スーパーマーケット、デパート、アパレルなど、様々なテナントがサンフランシスコから撤退し、全米中そして海外からも完全にオワコン扱いされています。 このままオワコンロードを爆走すると思われたサンフランシスコですが、ここ1週間で超メジャーな経済誌(経済紙)から2つも明るいニュースが出ました。 流れは変わりつつ

          サンフランシスコ、復活の狼煙(のろし)を上げる