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中年期やシニアにおける社会参加は認知症リスクを激減させる(nature aging)
Social participation and risk of developing dementia というnature agingの論文からです。
85才を越えると55.5%の人が認知症になるというデータもあるように、認知症は誰にでも襲いかかる可能性のある病気です。
社会参加は認知症リスクを30〜50%低下させる可能性
様々な研究を総合すると、中年期およびシニア期における社会的参加が活発な人は、その後の認知症リスクが30〜50%も低くなる可能性があります。
ただし、この論文のAbstractにもあるように「社会参加と認知症」の因果関係(Causal)については、証明しきれていません。
因果関係とは「社会参加が直接、認知症リスクを低減させている」のか、それとも「認知症リスクの低い人の方が社会参加が活発」なのかが分からないということです。
社会参加が認知症を予防するのはなぜか?
社会参加が認知症を予防するメカニズムとしては、論文では以下のような仮説が挙げられています。
認知予備能の向上:人との交流で、計画・記憶・言語能力が鍛えられることにより、予防効果を発揮する
脳萎縮を防ぐ:社会的孤立は前頭葉や側頭葉の体積低下(海馬についても)につながることが分かっていますが、社会参加がこれを防ぐ
生活習慣と血管リスクの改善:社会的な接触によって、喫煙や過度の飲酒などを控え、健康的な生活習慣を促進する
ストレスと炎症の低減:ストレス反応を減少させ、炎症マーカーを低下させる
老化の加速や免疫機能の低下を防ぐ:社会的孤立は細胞の老化を加速し、免疫機能低下を引き起こす可能性がある。社会参加がそれを防ぐ
精神的刺激:新しい情報や複雑な人間関係の処理が精神的刺激を提供する
社会参加とは何か?
論文に登場する社会参加の例を以下にまとめます。グループミーティング、グループディスカッション、ボードゲームなどが例として挙げられています。
個人がコミュニティに参加し交流活動を行うということを意味するので、上記以外にも様々な活動があると思います。
もちろん仕事も社会参加(海馬体積の増加や、軸索形成やシナプス形成を阻害するタンパク質のレベルの低下と関連)です。
従ってFIRE(Financial Independence, Retire Early)の仕方によっては、認知症リスクを高める可能性があります。
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