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2023年4月の記事一覧

『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』

『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』

『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』
越智月子著

鎌倉を舞台とした、穏やかな、物語。様々な問題を抱えた女性たちが、寄り添って生きているのだけれど。

最後の落ちは、(途中から、もしかしたらってよぎった展開ではあったのだけど、)少し、考えさせられた。こういう人生、こういう親子関係だったのかあと涙した。

物語に出てくる、コーヒーやカレーの説明が、なかなか良かった。

私自身、毎朝のコーヒーは欠かさないのに

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『失敗図鑑』

『失敗図鑑』

『失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!』
大野正人著

「中学受験最大の日能研では「教材・全国公開模試」にて採用! 小学生から大人まで楽しめる失敗(しっぱい)が満載!」

小学生向けに書かれた著名人の失敗談。

失敗王と言われるエジソンを筆頭に、カーネルサンダース、夏目漱石、手塚治虫など計22名の小話が、面白く、わかりやすく書かれている。大人が、読んでも十分に楽しめる内容になっている。

天才的な人

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『屋根の上のサワン』

『屋根の上のサワン』

『屋根の上のサワン』
井伏鱒二著

山椒魚と同様に、今回は、
一羽の雁を飛べないようにして自分の狭い世界に閉じ込めてしまう。そして、名前をサワンと付ける。

傷の手当てもしてもらっていたこともあって、サワンもはじめは、なつくのだけど、空を飛ぶ雁の群れを見て、悲しんだ。

最終的には、サワンは、羽ばたいていなくなってしまう。
残されたものは、悲しむ。

感覚的には、失恋に近いものなのではないか?と思

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『山椒魚』

『山椒魚』

『山椒魚』
井伏鱒二著

 山椒魚と岩屋って、知らずに選択してしまった人生ってことなのかなあと思った。

岩屋は〝壊れない〟し〝出ることができない〟それが、日常になる。

群れに縛られるメダカをバカにする。その点、山椒魚は、確かに自由だ。しかも、山椒魚には身の危険が無い。ただ、孤独なのだ。

そこに蛙が迷い込む。

最後に山椒魚が、死にゆく蛙に対して、「お前はどういうことを考えているのか?」と問う

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『木野』(『女のいない男たち』その2)

『木野』(『女のいない男たち』その2)

『木野』(『女のいない男たち』その2)
村上春樹著

「女のいない男たち」に含まれている短編の一つです。

これもなかなか、難解な文章の羅列が続いているので、じっくりと
キーワードを味わうのも面白いと思ったが、誰かに解説してもらいたいところだ。

主人公の木野は妻の不倫を目撃し、離婚。長年勤めた会社を辞め、バー「木野」を経営する。物語は「女」を失った「男」が、どうなっていくのか、ずらずら綴られてい

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『「女らしさ」とは何か』

『「女らしさ」とは何か』

『「女らしさ」とは何か』
与謝野晶子著
与謝野鉄幹と不倫の末、結婚。子供は、12人。ってすごいなあと思った。

「女らしさ」とは、愛情豊かで、優しいことなのか?子供への愛情は、「女らしさ」というよりも、人間性の問題だろう!

「女らしさ」というものが、男にとって都合よく定義されて、女性が不利益をうけていることを主張し、本来、人間性の問題で、男女に違いはないということを説いた本。

1921年にこ

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『運転者』喜多川泰著

『運転者』喜多川泰著

『運転者』
喜多川泰著

「運が劇的に変わる時、場というのが、人生にはあります。」

「運はいいか悪いで表現するものじゃないんですよ。 使う・貯めるで表現するものなんです。 」

「周囲から運がいいと思われている人は、貯まったから使っただけです。」

自己啓発風な小説ですが、読みやすくて、わかりやすく、元気付けられる内容です。思っていた以上に、よい本でした。

クリスチャンの人だったら、
「いつも

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『アンナカレーニナ 4』

『アンナカレーニナ 4』

「アンナ・カレーニナ 4」
光文社古典新訳
トルストイ著(望月哲男訳)

クライマックスに、入る。

2012年の映画を先に見ておくことをお薦めします。

超大作ですが、読み始めるとどんどんのめり込んで行けます。

4巻はぼろぼろになっていく、アンナ。
疲れ果てる、ブロンスキー、
まさに、破滅というのは、こういうことを言うのだろう。

こんなに、魅力的で、破滅的な女性に出会ってみたいと思

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『一度しかない人生を「どういきるか」がわかる100年カレンダー』

『一度しかない人生を「どういきるか」がわかる100年カレンダー』

「一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー』本書スペシャルカレンダー・フレームワークDL特典付き

大住 力著

本書の巻末には、 1930〜2131年の約200年分のカレンダーページが用意されています。

自分の誕生日や入学、卒業、友人との出会い、結婚、子供の誕生など、日付を眺めるだけでも、なかなか感慨深いものを感じた。

本書では、様々な過去の出来事や趣向などから、

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『丸の内魔法少女ミラクリーナ』

『丸の内魔法少女ミラクリーナ』

『丸の内魔法少女ミラクリーナ』take 2
村田沙耶香著

ミラとは、くじら座の胸に輝く星で「不思議なもの」という意味かある。その名の通りこの星は、膨張と収縮を繰り返す不安定な状態にあり、膨張すると星の温度が下がって暗くなり、収縮すると温度が上がって明るくなる。

クリーナの意味は、掃除人

不思議で不安定な掃除人ってことかな?

主人公の茅ヶ崎リナは36歳のOLなのだけど、幼少期のころから、魔法

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『十三夜』

『十三夜』

『十三夜』
樋口一葉著

裕福な家に嫁いだ主人公の『お関」の悲惨なDV被害の物語。

離婚したいと実家に逃げ込む。ひどい被害を受けているという話を聞いて、母親は、即離婚をすすめるのだけど、父親からは離婚を思いとどまるように諭される。再び、嫁ぎ先に戻ろうとして乗った人力車の運転者は、幼ななじみで、もともと、いいなずけだった「縁之助」。

縁之助は、お関が裕福な家に嫁いでしまってから、落伍していき無一

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「たけくらべ」

「たけくらべ」

『たけくらべ』
樋口一葉著

文学史で、単語として単純に暗記していたことを思い出す。タイトルの「たけくらべ」って、丈(背丈)を比べるってことで、幼なじみってことということも学んだ気がする。

冒頭の
『廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お齒ぐろ溝に燈火ともしび
うつる三階の騷ぎも手に取る如く、明けくれなしの車の行來ゆきゝ
にはかり知られぬ全盛をうらなひて、』

よくわからないけど、何か趣きを感じる

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『むらさきのスカートの女』

『むらさきのスカートの女』

「むらさきのスカートの女」
今村夏子著

物語を文字通り読むと、
権藤チーフ(わたし:黄色いカーディガンの女) が、むらさきのスカートの女(日野まゆ子)を追い回して、最終的には追い出してしまう話。

物語を語る「わたし」(=権藤チーフ)というのが、かなり、コミュ力、生活能力のない、いわゆる欠陥人間なのだけど、どうやら、自由気ままな人生を送っている「むらさきスカートの女」に自分と同じコミュニケーショ

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『Life span 老なき世界』について

『Life span 老なき世界』について

以前作成した書評
から、Chat AIで感想文を作成して見ました。けっこうスッキリとした文章だと思い、そこそこ感動してます。

「LIFE SPAN 老いなき世界」は、驚くべき科学的進歩に基づいて、人間が永遠に若く、健康的に生きることが可能であると主張しています。著者は、長寿遺伝子の存在や、ストレスによる活性化など、新しいアプローチを提案しています。この本は、私たちが今後直面するであろう問題を深く

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