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#クリエイターフェス
『果てなき蒼氓』:おすすめラノベ
こちらの呼びかけに参加してみようと思います。
水樹和佳子さん(イラスト担当)については、イティハーサを発火点とした記事で触れました。
一般的、ライトノベルとしては「重め」かもしれません。入りやすい作品ならば以下のランキングが参考になるかと。
谷甲州さんの文章に水樹和佳子さんのイラスト。このふたつが醸し出す独特の雰囲気。是非味わって欲しいです。イラストが多く、文体にリズムがあって、ファンタジー
童話「ユニコーンのなみだ」(#ウミネコ文庫応募)
では、時間をほんの少しまき戻しましょう。
そんなことができるのかですって?
もちろん、できますよ。胸に小鳥を飼えばいいんです。
ぱたぱたと想像力の翼をはばたかせさえすれば物語の世界では、どこにだって飛んでいけるし、勇者にもお姫様にもドラゴンにもなれるし、どんなこともかなえられます。
「ほら、こんなふうに」
そういって、月から落ちてきた黒猫はふふんと鼻を鳴らし、指をぱちんと鳴らすと、回転
オオワシのサチ|童話(#ウミネコ文庫応募)
「おーい!」
呼ばれて目を開けると、顔の上に大きな白い羽がふわりと落ちた。寝てる時に僕の上を飛ばないでって、いつも言ってるのに。羽をつまんで上半身を起こすと、オオワシのサチが本棚の上から僕を見下ろしていた。
「いつまで寝とんねん! もう8時やぞ! ホンマにだらしない奴やなぁ」
こうして猛禽類に起こされる日々を、もう7か月も続けている。
「そりゃ寝るよ。仕事休みなんだから」
僕は再び
ハモニカ学校にゆくことにしました。
息をすってはいてぇ。どれみふぁはそらしど。
もういちど、息をすってすってはいてぇ、はいて。
どどしらそそふぁふぁ、みみれれど。
うたちゃんは、青空の下でハモニカを吹いています。
いつも聞いてくれるのは、おじいちゃんだけ。
ひとりっきりです。
うたちゃんは、ハモニカの学校に通っています。
おじいちゃんは、うたちゃんのハモニカの音色が
すきでした。
あんまり上手じゃないけれど。
とても、一生け
王子のばら【#ウミネコ文庫応募】
すみれ色の瞳をした、それはそれは美しい王子は、今日も、見合い相手の心を踏みにじります。陶器のようになめらかで白い肌に、とてもよく映えるばら色のくちびるを、醜く歪めます。ほら、となりの国から来た可憐な王女が、がっくりと肩をおとして、国へ帰っていきますよ。
「王子さま、わたし、あなたさまの絵を描いてきましたのよ」
黒髪の王女が心を込めて王子の姿を絵に描けば、
「なんて気味が悪いんだ。そんなも
【ウミネコ文庫 童話】 靴をつくる男
小学校3年程度以上が読める内容(高学年以上推奨)と考えていますが、ルビは小学校で習わない漢字と特殊な読み方の熟語等にのみ振りました。
小学校で習う漢字であえて平仮名を使用している言葉も多くありますが、そのあたりのバランスは、あくまで「私の中の童話イメージ」によるものです。
1頁44字×28行の文字組を意識して書きましたので、スマホでは読みにくい部分もあると思います。
どなたかが挿絵を入れてくださ
ミズ・ミステリオーザ -ふくらはぎの刻印- プロローグ
プロローグ・ポチ、悪い子だ
エメラルドグリーンのワンピースの裾が、息が弾むのに合わせて揺れる。地下鉄の出口、軽快に階段を駆けあがろうとしたけれど、一昨日、退院したばかりの身には少々無理があったようだ。一旦止まって、日の光が射しこんでくる方を見上げると、春霞のかかった空を背景に高層ビルが屹立している。
階段を上りきった斜め向かいが、お目当てのオープンテラスカフェだ。若竹翠は、日当たりの良さそう