豆島 圭

note創作大賞2023 ベストレビュアー賞受賞。 春ピリカグランプリ2023 個人賞…

豆島 圭

note創作大賞2023 ベストレビュアー賞受賞。 春ピリカグランプリ2023 個人賞受賞。2022年、初めて書いた小説で 第17回 小説現代長編新人賞一次通過。「重い」「イヤミス」が好き。詳細はプロフ記事を見てね。フォローもフォロー解除もお好きにどうぞ。

マガジン

  • 絶対読みたい【創作大賞2024】作品

    「絶対読みたい!超楽しみ!」な創作大賞の応募作品たち。または、記事もしくはXのポストで「タグつけて応援したい!」作品。 自分用のマガジンだけど応援の意味を込めて敢えて公開中のマガジンです。(応援記事は全部は書けないです。すみません。でも応援しています!)

  • Thanks(感謝)

    豆島圭の小説等を紹介してくださった記事です。皆様に感謝申し上げます。

  • 【創作大賞2024】言の葉ノ架け橋/お仕事小説部門

    ちょっと不思議で、ほっこりな、お仕事小説(全10回)

  • 【創作大賞2024】残夢/ミステリー小説

    リアルな日常と闇を描く警察ミステリー。

  • story (小説)

    小説やショートショートはこちらにまとめます。

最近の記事

  • 固定された記事

言の葉ノ架け橋【第1話】

第1話 かけはし まだ夏は遠いけど、紫外線の強くなる季節。 首元に日焼け止めクリームを丹念に塗り込んでいると、「希生先生、希生先生」と庭から優しい声で呼ばれて慌てて振り返った。 「ヨウちゃん、そんなところにいたの。びっくりさせないで」 「希生先生、いそがんと学校に遅れるよぉー」 私はふぅと息を吐き、手の甲にもクリームをたっぷり塗り込んだ。 「サチ祖母ちゃんの声マネするのいい加減やめて欲しいわ。ほんと焦る」 同居していた祖母が急逝してから一年以上経つ。それなのに、あの語

    • 猫田さんが創作大賞にキターー! 猫田さんのホラー小説が読める! 猫田さんのホラー小説が読める! 先日の白鉛筆さんの真似してみた😂 https://note.com/ezobafunnuni/n/nff0ca12d895f

      • あとがきにかえて②墓場まで持っていきたくないから

        前回の①では、痴漢未遂にあったという話を書きました。 その話は、今まで身近な人に何度か話したことがあります。 怖いから見張ってて、と一緒に居る人にお願いしていた時期もあります。 今回の話は、誰にも話したことがありません。 ペッて吐き出したほうがいいのかどうか分かりません。 そうすべきことではないようにも思います。 誰にも話したことがないのに、Webに吐くって問題あるとは思います。 ただ、このまま「墓場まで持っていく」のが嫌だ 最近になって、たまにそう思うのです。 *

        • あとがきに変えて①ガムをペッってするように

          創作大賞2024にミステリー小説部門で応募した「残夢」という小説のあとがきのようなものです。 拙作を読んでいただいた方も、まだ読まれていない方も、読むつもりない方も、こちらの記事を開いていただいてありがとうございます。小説を読んでいなくても問題ありません。 コッシーさんの感想記事 にも書いてくださってますが、「残夢」は「小牧幸助文学賞」の「20文字小説」から始まりました。 そのあたりの説明から「あとがき」を書くつもりでしたが、感想記事に書いてくださっているので、あまり「あ

        • 固定された記事

        言の葉ノ架け橋【第1話】

        • 猫田さんが創作大賞にキターー! 猫田さんのホラー小説が読める! 猫田さんのホラー小説が読める! 先日の白鉛筆さんの真似してみた😂 https://note.com/ezobafunnuni/n/nff0ca12d895f

        • あとがきにかえて②墓場まで持っていきたくないから

        • あとがきに変えて①ガムをペッってするように

        マガジン

        • 絶対読みたい【創作大賞2024】作品
          43本
        • Thanks(感謝)
          49本
        • 【創作大賞2024】言の葉ノ架け橋/お仕事小説部門
          12本
        • 【創作大賞2024】残夢/ミステリー小説
          24本
        • story (小説)
          71本
        • essay(エッセイなど)
          27本

        記事

          「残夢」を読んでくれた信頼する某note仲間。私の描く「男もしくは大人」に一貫性があると感じたようだ。改めて考えてみたら、どうしても吐き出したくなった過去が2つある。残夢最終回の藤岡のセリフに繋がる心理と思う。愉快な話ではないけど数日内に吐く。吐き捨てる。この呟きにコメント不要ヨ

          「残夢」を読んでくれた信頼する某note仲間。私の描く「男もしくは大人」に一貫性があると感じたようだ。改めて考えてみたら、どうしても吐き出したくなった過去が2つある。残夢最終回の藤岡のセリフに繋がる心理と思う。愉快な話ではないけど数日内に吐く。吐き捨てる。この呟きにコメント不要ヨ

          「残夢」の感想を多数いただきました

          創作大賞2024のミステリー小説部門に応募しておりました「残夢」が、無事、先月末ころに最終回を迎えました。 お読みいただいたかた、これから読んでいただく方、ありがとうございます。 たくさんの感想をいただきましたのでご紹介させてくださいね。(投稿日順) 【福島太郎】さん最終回をいまかいまかと待ち構え、ある程度までの感想を下書きに保存していた福島さん。だから投稿が早いのですね~。本当にありがとうございます(´∀`*) 『なんちゅうもんを なんちゅうもんを読ませてくれんのや

          「残夢」の感想を多数いただきました

          腐る前に読んで!【#創作大賞感想】

          「毎週ショートショートnote」を企画運営されている、たらはかに(田原にか)さんを存じ上げない人は note では少ないでしょう。 でも、創作大賞 ホラー部門に投稿されていることに気付かなかった! 読む読む! と思った人は、下記のリンクから 今すぐGO! この記事は読まなくてもOKです。 もし、「あまり存じ上げないわ」「ホラーは興味ないわ」という方がいらしたら、ぜひ下記を読んでね。 * たらはかに(田原にか)さんと言えば、2023年の「ひなた短編文学賞」で大賞を受賞さ

          腐る前に読んで!【#創作大賞感想】

          言の葉ノ架け橋【第10話】🈡

          ←←最初から ←前話 架け橋(最終話)山からの風はまだ涼しいけれど、それでも最近、日中の気温はぐんと高くなってきた。短頭犬種は暑いのが苦手。一足早くウメ子先生は夏休みにして、お家でお留守番させなきゃかな。 玄関のクスノキにウメ子を繋いでいると、遠山が出勤してきた。 「あれ。遠山先生、早いじゃないですか。何の間違いですか」 「間違えてませんよ。失礼な。今日は上野室長も藤原先生も朝から会議で外出と聞いていたので早く来たんです。門馬先生ひとりで、大丈夫かなと」 朝早く登室する

          言の葉ノ架け橋【第10話】🈡

          言の葉ノ架け橋【第9話】

          ←←最初から ←前話 希生とウメ子の場合(後編)コージさん家族は玄関にあがるとまず、サチばあちゃんの仏壇にお線香をあげたいと言ってくれた。笑顔の遺影の前で長く手を合わせてもらっている間に冷たい麦茶といただいたお土産を卓袱台に並べる。「オイシソーネー」と食欲全開のヨウちゃんが、めずらしく縁側の中まで入ってきた。 「おもたせですみません。他に何もなくて」 「どうぞお構いなく」 居間の卓袱台を囲んで、よそよそしい会話が始まる。 小路口さんの長女で遠方にお嫁に行った佐藤千鶴さん

          言の葉ノ架け橋【第9話】

          言の葉ノ架け橋【第8話】

          ←←最初から ←前話 希生とウメ子の場合(前編)亡くなったサチばあちゃんが縁側に腰をかけ、幸せそうな笑みを浮かべている。隣の座布団に伏せているのは、ウメ子。 「ばあちゃんの人生も山あり谷あり。辛いことも、そういやぁたくさんあったなぁ。でもね、希生」 これから先の人生も、まだまだ楽しいと信じている瞳で、サチばあちゃんは私に語りかける。 「どれもこれも全部、自分が選んた大切な時間。後悔はないし、忘れたくもない。死ぬまで心に刻んでおきたいんさぁ」 そんな夢の中のサチばあちゃん

          言の葉ノ架け橋【第8話】

          私の「残夢」にどえらい感想…いや、解説をつけてくださいました。吉穂みらいさんです。「残夢」既読の方はゼッタイ読んでください!見事な解説!ネタバレ嫌いなかたは後で。私のミステリに興味ない方は、こちらの記事だけ読んでください!すごいから! https://note.com/yoshihomirai/n/ne418b41cd533?from=notice

          私の「残夢」にどえらい感想…いや、解説をつけてくださいました。吉穂みらいさんです。「残夢」既読の方はゼッタイ読んでください!見事な解説!ネタバレ嫌いなかたは後で。私のミステリに興味ない方は、こちらの記事だけ読んでください!すごいから! https://note.com/yoshihomirai/n/ne418b41cd533?from=notice

          創作大賞イベント  登壇者の方々の貴重なお話、交流した創作仲間さんたちからいただいたアドバイス等々を受け、連載中の「言の葉ノ架け橋」の最終章は、慌てずじっくり書き上げます。 連載は暫く空きますが、今まで投稿したものを大きく変更することはないと思います。 ご報告だわん U・ᴥ・U

          創作大賞イベント  登壇者の方々の貴重なお話、交流した創作仲間さんたちからいただいたアドバイス等々を受け、連載中の「言の葉ノ架け橋」の最終章は、慌てずじっくり書き上げます。 連載は暫く空きますが、今まで投稿したものを大きく変更することはないと思います。 ご報告だわん U・ᴥ・U

          創作大賞イベントに行ってきたよ! のレポート?

          既定の文字数をオーバーしている「あらすじ」は全部わすれてください。以下、まじめに書きます。時間ないんです、ほんと。 かぼちゃ色の電車に乗って2時間ほど、行ってまいりました、四ッ谷の note place 。そう、このイベントでございます。 ◆オフライン創作会 GWの「新川帆立×秋谷りんこ」さんのイベントにも、「創作会」の時間から参加していた私。 あの時、黙々と執筆される皆様の近くで、noteで既に知り合っていた方々数人と、テーブルにお菓子を広げてワイワイ創作に関する話

          創作大賞イベントに行ってきたよ! のレポート?

          残夢【第三章】④残夢(最終回)

          ◀◀最初から ◀前話 取調室から戻った強行犯係の面々は、ぐったりとうな垂れていた。 「あの様子だと近堂は本格的な精神鑑定を受けさせる必要があるかもしれない」 俺がそう言うと真っ先に反応したのは小池さんだった。 「それでも責任能力はアリと出るだろうけど、刑期に影響があるかもな。そして、あっという間に野に放たれて、そしたら」 そう言ってみんなを見回した。 「またやるよ? 刃物を振り回して誰かをギタギタに刺す。俺かもしれないし、山ちゃん、お前かもしれない」 そう言って山下に

          残夢【第三章】④残夢(最終回)

          残夢【第三章】③逃走

          ◀◀最初から ◀前話 一九九五年 冬 僕は背伸びして大輔のハンマーを探す。薫子の名前の前に置いてあるかな。でも玄関の外からではよく見えない。 さっきから家の中は全く静まり返っている。チャンスかもしれない。 僕は、扉の取っ手に手をかけた。そっと押してみる。 その時、音が聞こえた。 僕は扉から手を離し、玄関脇にある植え込みまで咄嗟に走った。隠れるように屈みこむ。山を登ってくるような車の音が聞こえたんだ。 まずい。誰か来る。薫子だったらサイアクだ。 車の近づく様子をう

          残夢【第三章】③逃走

          言の葉ノ架け橋【第7話】

          ←←最初から ←前話 横手川君と松田さんの場合(後編)月曜日、小雨。 横手川くんは、いつものように無表情で登室した。何も言ってこない。ウメ子は金曜日からあまり食欲がなく、元気もない。小雨の中わざわざ連れてくるのは可哀相に感じて、今日はおうちでお留守番をさせてきた。 パグはもともと留守番するのが得意な犬種らしい。加えて、おばあちゃん犬だから、部屋の中でケージに閉じ込めたりしなくても危ないことはしない。『かけはし』に着いたら雨足が強くなったせいか、ヨウちゃんも出勤してこない。

          言の葉ノ架け橋【第7話】