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鳩の図書館(ショートストーリー)
昨年の「文学フリマ東京37」にて頒布された『鳩のおとむらい 鳩ほがらかアンソロジー』(発行:鳥の神話) 収録の「鳩の図書館」というショートストーリーを公開いたします。
本の話ということもあり、紙書籍で読んでいる雰囲気を味わっていただきたく、文庫ページメーカーを使用しました。(末尾に通常の横書きも掲載しております)
約2000字の作品ですので、気軽にお楽しみいただければ幸いです🕊
鳩の図書館
キャラクターにより深みを与える語彙力|monokaki編集部
こんな文章から始まる書籍が、1月19日に日本文芸社から発売される。以前にもmonokakiで紹介した『プロの小説家が教える クリエイターのための名付けの技法書』の著者であり、現役の小説家である秀島迅氏による『プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑 性格・人物編』。
冒頭にはプロローグとして「自分が創作したキャラクターに語彙力で〝性格〟を与える」「『行動・心理・言葉』でキャラクター
2023年 #小説 noteまとめ100作
今年もたくさん読みました。
+
「noteで小説書いても読まれないよね」
「がんばって書いても読まれないとくるよね……」
「うっし、ならば年の瀬100作品読もう!」
……と、3年前にはじめた小説noteまとめ100作。今年もやってきました!どこかにいるかもしれない100ファンの方々、お待たせいたしました!
はじめたときと比べて、note公式さんの年末まとめに小説カテゴリ定着したり(うれしい
小説/汐喰シーサイドホテル537号室
吹笛と共に飛び上がり、どんっと夜空に号砲を撃つ大きな雫のようにそれは起こって、わたしは遺灰を溢してしまった。でも自分が誰と衝突したかわからない。わたしは人の顔を見ないので。
人の顔を見ない理由はいくつかある。まず第一に人の顔を見ると悪玉菌が善玉菌を殺してお腹を壊し、それから鼻が曲がって目玉が飛び出て口は耳まで裂けて舌が耳殻をぺろぺろ撫でてぴちゃぴちゃという音が脳髄まで到達する前に足のつま先から
小説/汐喰シーサイドホテル704号室
「お願いだよ、この通り。な、な?」
父さんは 汐喰シーサイドホテルのフロントカウンターで両手を合わせる。
僕はカウンターに飾られた金色に光る〔Good-bye 2023〕の文字を見つめてる。
「海の見える部屋だって本当はひとつくらい空いてるだろ。な」
「申し訳ございません。あいにく満室でございます」
ホテルの人は同じ言葉を繰り返す。
「年越しの花火を子どもたちに見せたいんだよ。分かるよな。な?」