白鉛筆

小説を書いています。 読んでくださる皆様、ありがとうございます。

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    六角形の祓い師が登場する作品をまとめたものです。

最近の記事

【雑談】『いぬいのラジオ(仮)』に出演しました。

この度、いぬいゆうたさんの人気番組『いぬいのラジオ(仮)』に出演いたしました。 これまで名だたる方々が出演されてきたこの番組。 ありがたいことに、『白4企画』でコラボレーションさせていただいたことを機に、白鉛筆もゲストとしてお呼ばれすることが叶いました。 憧れの余り、喋り方も喋る内容も浮き足立ってしまった白鉛筆。それをいぬいさんが、持ち前のトークスキルで見事にカバー&コントロールしてくださっています。 そんな白鉛筆の未熟さ、いぬいさんの熟練の技も含め、お楽しみいただければ

    • 【白4企画】いぬいゆうたさんに朗読してもらいました。

      note4周年の節目に、白鉛筆が今までやってこなかったあれこれに取り組んでみる『白4企画』。 第二弾として、人気noterであるいぬいゆうたさんとコラボレーションし、白鉛筆の作品を朗読していただきました。 * いぬいゆうたさんと初めてお会いしたのは、2022年11月の文学フリマ東京。 当時何も交流が無かった中で、ありがたいことに自分のブースにお立ち寄りいただき、ご挨拶をさせていただきました。 「朗読の御用命があれば、是非」 素敵なお声でそうおっしゃっていただいたもの

      • 【掌編】2

        数字は『2』から始まる。これは真理だ。 『0』や『1』は、それら単独では数字に成り得ない。『在る』か『無い』かで言い表せば事足りるからだ。二つ目や二匹目や二人目が出てきて初めて、数えるという行為が必要となる。故に数字は『2』から始まる。 ここまではよいか。では次だ。 今の話を聞き、それを言うなら『3』ではないか、と思った者もいるかもしれない。試しに手を挙げてみよう。ふむ、半数に満たないぐらいか。 今手を挙げた者はこう考えたのではないか。『0』と『1』が『在る』と『無い

        • 【短編】SHINONOME〈5.5〉⑤

          端的に言えば、妹を救ってもらった。 俺と東雲の間柄を決定付ける、ターニングポイントめいたものがあるとしたら、この出来事を置いて他にない。 詳細は語らない。ここで語るべきことがあるとしたら、以下三点。当時、同じ大学の先輩でありながら、その実、高校時代の同級生であった東雲を俺は頼った。およそ人知の及ぶ範囲では救いようがない事態にいた妹を、およそ人知の及ばぬ異能の力で救ってもらった。命に代えても守るべき、最愛の肉親。そいつをこともあろうか他力本願で保護してもらった俺に対し、東雲が

        【雑談】『いぬいのラジオ(仮)』に出演しました。

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        記事

          【短編】SHINONOME〈5.5〉④

          「そうだな。YES/NOで答えられる質問を、三つまで許そう。僕にではなく、ハチに対してのね。質問の内容は問わない。ダイレクトに『あなたとシノノメの関係は◯◯ですか』と訊ねても良いし、『あなたは●●ですか』と外堀から攻めるのも可。ただし、答えはすべてYESかNOだ。どう、面白いと思わない?」 矢継ぎ早に捲し立て、東雲は飲み物に口をつける。対する影山はなお怪訝な表情で、「待ってください」と片手を上げた。 「いきなりのお話で困惑しております。何でしょう、僅かな手がかりを元に、あ

          【短編】SHINONOME〈5.5〉④

          【短編】SHINONOME〈5.5〉③

          念のため伺いたいのですが。 そう前置きして、影山は俺を見た。 「あなた、滝沢幾馬さんあるいは一原力也さんではないですよね」 「……違うっスけど」 答えると、「良かった」とさして感慨も無さそうな顔で、影山は息を吐いた。「その二人のどちらか、あるいは両方と遭遇した場合、有無を言わずにまずは引け、と言われているもので」 誰から言われているのだろう。早蕨ミツルか。 「こいつはハチだよー。雑魚キャラだから、安心して」 雑魚で悪かったな。 「で。あなたはヒトカゲさん、かな?」

          【短編】SHINONOME〈5.5〉③

          【短編】SHINONOME〈5.5〉②

          滝沢幾馬と東雲紫陽、それから喫茶【Allegro】に、一原力也の名も出てきたか。 これら固有名詞について語り始めると、それだけでまた別の物語になってしまうであろうため、ここではばっさり割愛する。というか俺も、俺が関わった案件しか具には語れない。そもそもこいつらがどうやって出会い何をしてきたか、みたいな諸々の事情は、まぁ多少なりとも聞かされているけれど、説明がややこしくて難しい。 故に割愛。ショートカット。 まぁ何となく雰囲気で押さえておいて欲しいのは、滝沢さんというのが

          【短編】SHINONOME〈5.5〉②

          【短編】SHINONOME〈5.5〉①

          東雲が滝沢さんに説教されている。 俺は少し離れた場所から、椅子に座ってそれを眺めていた。 「それで? 君としてはどうしたいわけだい」 場所は、開店前の喫茶店【Allegro】。壁側にある四人がけのテーブル席に腰掛け、ノートパソコンを触りながら、滝沢さんは訊ねる。店の入り口付近、立たされたままの東雲は、不遜なことにパーカーのポケットに手を突っ込んだ態勢でそれに応じた。 「えーっと、できればなんにもしたくない」 あーこいつ馬鹿だ殺されたいのかな。思いながら、俺は滝沢さんを

          【短編】SHINONOME〈5.5〉①

          【白4企画】音声配信をやってみよう。

          note4周年の節目に、白鉛筆が今までやってこなかったあれこれに取り組んでみる『白4企画』。 企画立ち上げに際しては、たくさんのご反応をいただき、本当にありがとうございます。 今回はその第一弾として、音声配信にチャレンジしてみました。 話す内容はおろか、編集の仕方もアップロードの手段も定かでないまま、気持ちひとつ、ほぼ丸腰で挑んだ初収録。 無計画・無謀さが滲む内容とはなりましたが、とても楽しく刺激的な体験でした。 多くは語らず、後は放送で。 よろしければお聴きください

          【白4企画】音声配信をやってみよう。

          【白4企画】白鉛筆が4歳になります。

          2024年6月で、白鉛筆が4歳になります。 いつも作品を読んでくださる皆様、本当にありがとうございます。 才能豊か、様々な形で創作に携わる方が集う、noteの世界。 4年間、もっぱら小説を書き公表してきた白鉛筆ですが、 「あんなことがやってみたいな」 「あの人がやっているあれ、面白そうだな」 と、時に小説以外のアウトプットに興味を持つこともございました。 しかし、食指が動いたとしても、 「自分には無理だ」 「小説に専念した方がいい」 と頭から追いやり、「いつかチャ

          【白4企画】白鉛筆が4歳になります。

          【ピリカ文庫】可逆性セレナーデ弍號機

          深夜だと言うのに、コインランドリーには人がいた。 四車線の大通りに面したガラス張りの店内、中央のベンチに女性が一人座っている。洗濯が終わるのを待っているのだろう、傍らに大きな袋を置き、スマートフォンで動画を見ているようだった。 この時間なら誰もいない、と高を括っていたところ、失敗した。今から他の店舗に行こうにも、時間がかかる。何より外は雨。入ってきた扉側、無数の水滴が張り付いた全面ガラスを見やり、これ以上は勘弁、と心が折れた。 仕方がない。やるしかない。 私は濡れた傘

          【ピリカ文庫】可逆性セレナーデ弍號機

          【#あなスパ】兎と犬と鳥と神

          noteで配信されている人気ラジオ番組、『すまいるスパイス』が3周年を迎えられます。 その記念企画である、リスナーが心に残った放送を投稿する『#あなスパ』。 素敵な回、貴重な回、恐れ多くも自分の名前を出していただいたありがたい回(『推しについて話そ?』はありがたすぎてもはや別腹)がある中、それでもひとつを選ぶとしたら、白鉛筆はやはりこちらを挙げます。 紫乃さん(現在は卯月紫乃さん)がパーソナリティーを務め、ゲスト二人の創作に纏わるあれこれを掘り下げるコーナー、『創作につい

          【#あなスパ】兎と犬と鳥と神

          【雑談】『すまいるスパイス』で推していただきました。

          ありがたいことに、この度『すまいるスパイス』の新企画、『推しについて話そ?』で取り上げていただきました。 コッシーさんと豆島 圭さんという、むしろ推される側のお二人から『推し』として語っていただけるというこの企画。 もう、ドッキリを疑い監視カメラを探すレベルで、惜しげもなく褒めちぎっていただいています。 本当にありがとうございます。 「果たして白鉛筆以外に需要はあるのか」と心配になる内容ですが、コッシー×豆島 圭の2ショットトークが聴けるだけも十分価値はございますので、白

          【雑談】『すまいるスパイス』で推していただきました。

          【掌編】チルアウト、三千世界。

          十八歳。世界が散った。 誕生日には毎年、ケイちゃんのお母さんがプレゼントを送ってくれた。ケイちゃんは私が関西に住んでいた頃の友達で、と言ってもそれは三歳までの話であり、正直、私はその顔すら思い出せない。しかし母親同士が仲が良く、住む土地が離れてからも「ケイちゃんはブラスバンドを始めたらしい」だとか「ケイちゃんが中学受験に受かったらしい」だとか、数年おきにちょくちょく情報がアップデートされていた。その度私は脳内で顔が黒く塗りつぶされたマネキンに管楽器を持たせたり合格通知を受け

          【掌編】チルアウト、三千世界。

          【掌編】ヒーロー

          仕掛けられた時限爆弾。目の前には赤い線と青い線。どちらかを切れば今すぐ爆発、どちらかを切れば君は助かる、そんな劇的なシチュエーションにあるとして。 その爆弾に対し、君が取り得る選択肢は、およそ四つ。 ①赤い線を切る ②青い線を切る ③赤い線と青い線を切る ④赤い線も青い線も切らない 一番危ういのは、もちろん③。どちらかを切れば即爆発なら、どちらも切れば即爆発だ。君の身体は木っ端に砕け、確実に助かることはない。 ①と②のリスクは同一。爆発の確率は50:50。手掛かりも保証

          【掌編】ヒーロー

          【雑談】シロクマ文芸部活動日誌(2024.1〜3)

          「●●●」から始まる小説・詩歌・エッセイを書きませんか。 人気noterの小牧幸助さん主催の企画『シロクマ文芸部』では、毎週末、上記のようなお題が提示され、それに従いクリエイター達が作品を持ち寄り、読み合い、楽しんでいます。 今回は2024年1〜3月の期間、白鉛筆がこちらの企画に参加した作品について、簡単な振り返りをしていきたいと思います。 よろしければお付き合いください。 ◯『sister』 2024年初めての作品。 前作『羊頭狗肉』が自分としては良作であったため

          【雑談】シロクマ文芸部活動日誌(2024.1〜3)