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【掌編】君に贈るもの、その価値。
誕生日ぐらい顔を見せて頂戴。
そう言われたから、自殺したんです。
扉の向こう側、君は答えた。
「甘いケーキも、大好物のフライドチキンも。プレゼントだってばっちり選んだ。後はあなたの笑顔だけ。そう促され、たまらなくなりました」
廊下に座り、僕は黙って話を聞く。目前にある部屋のドアは、よく見る木目調の合板でできたものであるところ、頑なな君の態度と相まり、堅牢な檻のごとき重圧を放っている。
中学
誕生日ぐらい顔を見せて頂戴。
そう言われたから、自殺したんです。
扉の向こう側、君は答えた。
「甘いケーキも、大好物のフライドチキンも。プレゼントだってばっちり選んだ。後はあなたの笑顔だけ。そう促され、たまらなくなりました」
廊下に座り、僕は黙って話を聞く。目前にある部屋のドアは、よく見る木目調の合板でできたものであるところ、頑なな君の態度と相まり、堅牢な檻のごとき重圧を放っている。
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