カナヅチ猫

お話や雑記を書いています。 掌編小説集を販売しています。 https://hurry…

カナヅチ猫

お話や雑記を書いています。 掌編小説集を販売しています。 https://hurry-neko.booth.pm

マガジン

  • Strange days

    僕の日記と雑記です。 タイトルの由来は、The Doorsの曲から。

  • 短編・ショートショート

    とりとめもなく書いたお話とショートショートです。ほとんどが、一話完結のお話たちです。 【♯通り過ぎていく女たち】は基本的に1話完結ですが、何かのシリーズです。

  • 手のひらの 唇の脇の 手の甲の

    連載小説『手のひらの 唇の脇の 手の甲の』をまとめています。(全11話)

  • アンダースロー考察

    アンダースローについて考察してみるシリーズです。超不定期更新。思いついたときに書きます。

  • 詩みたいなやつ

    時々書いてる詩をまとめときます

最近の記事

〈雑記〉短歌おじさん2

 はい。こんちは。  ガチおじさんになってきました。それでは色々と放棄しておじさん短歌タイムです。 雑草に魂があろうが無かろうが芝生も牛の餌になれる 夜が来ても月曜が来ても細胞は毛を生やしたり毛を生やさなかったり 喝采を受けていたのはあの頃で爺になれぬとまた喝采は来ぬ 芋を洗い皮を向いたら食になり芽を生やすかどうかは他人ごと 山際に生え際を添えミルフィーユ死に際に見るは天か地か己  以上です。解説は特にありません。夏が来るのが嫌なので。  おしまい。またね。

    • 《読書感想文①》文フリ広島で買った本

       はい。こんにちは。  先日の文学フリマ広島にて買った本たちについて、読書感想文を書くことにしました。「買ったよ!」の報告の更に本気バージョンということです。  X(ついったー!)で書いてもいいのですが、僕にはあまりにも文字数が少なすぎるのでnoteの記事にて書くこととします。  もしかすると失礼な物言いをしてしまうかもしれませんので、作者様におかれましてはご了承の上でお読みいただければと存じます。そして、あくまでただのオジサンの読書感想文までと捉えていただきたい次第です。

      • 〈雑記〉熱いうちに打てればいいんですけど。#文学フリマ広島

         はい。こんにちは。  朔日、2月25日は文学フリマ広島に出店してきました。皐月まうさんと共同にて出店し、それぞれ4冊ずつ、計8冊の本を並べました。  前回の出店はきらさぎみやびさんにおんぶに抱っこでの出店だったので、今回は僕がおんぶする側に立とうと思ったのですが、針に刺されそうなのでおんぶするのは止めました。  はい。そんなわけで、二年前に出店し、昨年度は体調不良につき参加を断念していたので、今年こそは──ということで変な気合で四冊も本を作ってしまいました。前回の経験か

        • 〈雑記〉猫城を築城しました

           はい。こんにちは。  文フリ広島用に短い小説を書きました。『猫城』というタイトルです。一万字程度の軽めのものだし、猫を題材にした掌編集の一編ということで、遊びながら書けました。 「あんたあ、そこの城跡の城主じゃけえな」と、父からの一言を元に創った小説です。実家に帰省していた際に浴びた不意の一言でしたが、僕にとっては一万字の解釈になったわけです。  田舎の城跡の城主であることに意義はありません。ただの草地の、ただの小高い丘ですし、石垣も堀の跡もありません。もちろんですが、

        〈雑記〉短歌おじさん2

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        記事

          〈告知&雑記〉短歌おじさん

           はい。こんにちは。とりあえず短歌をば。  先月の最高気温は何度かと  頬を梳く秋風に聴くも応えなく  窓を開け放っていると、猫が目を瞑ってずーっと横たわっているような夜が来ました。伏せて顎と頬をソファに乗せて、かわいいラッパの耳をパラボラアンテナの如く拡げたままで、秋の虫に混じる車やバイクの音を聞いているようです。  外に人気があると寝ぼけ眼で顔を上げ、しばらくして飽きると、そのままの体勢で目を閉じて、顎の自重に負けてまたソファに頬を付けます。  そんな猫の話をずーっ

          〈告知&雑記〉短歌おじさん

          〈雑記〉血が吹き出ても、次のシーンが無ければ死なない

           はい。こんにちは。  映像が浮かばなくなりました。頭の中に見えていた映像が途切れ途切れになり、次のシーンへと続かないのです。  僕は小説を書いているときに、頭の中の映像を書いていることが多いのだけれど。ここに少し厄介といえば厄介なことがあって、僕は一人称視点で小説の登場人物が見た映像を見ているのです。  注釈が一つ。先に書いた「登場人物が見た映像」というのは、正しく「登場人物」の話であって「主人公」ではないということ。あくまで、小説の登場人物のそのほとんどを指しているわけ

          〈雑記〉血が吹き出ても、次のシーンが無ければ死なない

          『ボヤニアイスクリーム』(2/2)※創作大賞2023

           結論から言えば、佐知子も僕もどちらも家を出なかった。別れ話の切れ目を不用意に作ったのは僕だ。にも関わらず、別れ話の再開の仕方が分からなくなったのだ。僕はあの夜、佐知子と意図的に口を利かなかった。  帰りしなに駅中の弁当屋に寄って「どれにする?」と僕は聞いた。別れ話の切れ目から最初の一言だった。すると、佐知子は指差しだけで応えた。確かに指差しのみで成立するやりとりなのは否定しない。しかし用件はただの用件でしあって、何もそんな不遜な態度をとらなくてもいいのに、といやに腹が立って

          『ボヤニアイスクリーム』(2/2)※創作大賞2023

          『ボヤニアイスクリーム』(1/2)※創作大賞2023

          『ボヤニアイスクリーム』  風呂から出ると、テレビの中で男女が別れ話をしていた。ほんの十数分前には見つめ合ったり抱き合ったりしていた男女が、「あの時の言葉はなんだったの!」などとダイニングテーブルを挟んで罵り合っている。女性が手近にある小物を掴み男性の足もとに投げつけたが、画面上を通り過ぎる残影だけでは何が投げつけられたのか判別できなかった。  僕の十数分間と、架空の関係性の男女の幾分かの期間。映画でもドラマでもアダルトビデオの前半の小芝居でも、媒体が何であろうが追体験とし

          『ボヤニアイスクリーム』(1/2)※創作大賞2023

          <雑記>風向きが変わろうが、髪の毛はまだ生えている

           はい。こんにちは。春の風が吹いています。  夏の風は嵐の中から、秋の風は僕のつむじに当たり、冬の風は無風状態と言っていいほどの軟弱さでした。  それでも季節は廻り、また春の風が吹いています。  水に溶けてしまった春の風は、薄い薄いラーメンの出汁のように僕の胃に吸収されていくのでしょう。煮干しなのか豚なのか、はたまた牛骨か。いずれにしても、僕の胃は出汁を吸収するために必死に動くのです。時計の針の音は思春期から大学生になるまでは嫌いだったけれど、働き始めたころには耳につかなく

          <雑記>風向きが変わろうが、髪の毛はまだ生えている

          『待ち猫行列』

           ラーメン屋の行列は何人を超えてから行列と呼ぶのだろう。店舗前に用意された四つの椅子は埋まり、さらに僕の前に一人の待ち客が立っている。ちなみに偶然にも僕を含めて皆スーツ姿だ。服装が一致しているかはさておき、人間が二人立って並んでいるのだから、列と呼んで差し支えない気がする。  しかしながら、三つの椅子の上に座しているのは白・黒・茶の三匹の猫であって、ラーメンを待つ客ではない。首輪をしていないのでおそらく野良だ。短い軒には冷たい風に混じって春の日差しが降る。猫たちには恰好の日向

          『待ち猫行列』

          <雑記>サヨナラ男

          「さようなら」ではない「サヨナラ」である。  続きが存在しない、反撃が許されない――それが「サヨナラ」である。この文章は「サヨナラ男」が、ただただ「サヨナラ」をされ続け、いつまでたっても「サヨナラ」の味を舐め続けるだけの文章である。 「サヨナラ男」(小学生編) 小学校6年初旬、地域の野球クラブに所属した僕は2月生まれで、同学年で同じスポーツをする友達と比べて体格差があった。このことに気づくのは中学に入ってからのことだった。  小学6年生の僕は足が速いと思っていた。遠くにボー

          <雑記>サヨナラ男

          あけましておめでとうございます。 生存していて年男なので、書き初めをしました。自分の名前を書き初めの題材にするなんて、書き初めの意味とはなんぞや……と少し考えましたが、よく分からないのでやめました。 今年もよろしくお願いします。

          あけましておめでとうございます。 生存していて年男なので、書き初めをしました。自分の名前を書き初めの題材にするなんて、書き初めの意味とはなんぞや……と少し考えましたが、よく分からないのでやめました。 今年もよろしくお願いします。

          〈雑記〉赤い月を見て願うことはないが、黄色い月を見て願うことはある。

          ※一部にお下品な話題が登場します。  ご了承いただける方のみお読みください。  はい。こんにちは。  秋が深まり山は赤や黄色に染まり、先日の月食では月が赤く染まりました。  長袖の部屋着の手首を冷たく震わせる夜風を感じながら、僕は赤い月を見ました。スマートフォンのカメラ越しに何度かと、肉眼で──いや、眼鏡越しに何度か月を見ました。  赤い月を見た僕にはツキは無いようで、冷えた空気に尿意を感じ、トイレで赤い尿を排出しました。赤い尿を……赤い!?!?  尿が赤かったのです。

          〈雑記〉赤い月を見て願うことはないが、黄色い月を見て願うことはある。

          〈雑記〉キンモクセイの香り?

           はい。こんにちは。 「キンモクセイの香り」ってすぐに思い浮かびますか?  僕としてはですが、キンモクセイの香りを何かの匂いに例えようにも難しく、何かの例えなしに説明するのも難しいように感じるんです。頭の中で香りをイメージしようとしたときに、特にキンモクセイに関して難しく感じてるんです。  まあ、これは僕がキンモクセイの香りというものを正確に認識したのが35歳になった今頃だからというのもあると思います。キンモクセイの香りって、僕みたいな走り回り田舎小坊主だった人間からしたら

          〈雑記〉キンモクセイの香り?

          『誰がために薪を割る』

           混ざりきっていないカフェオレかと思った。 「猫は液体だ」などという言葉のとおり、離れの薪小屋にあるバケツの中で、一匹の猫が身を丸めて寝ていたのである。熟睡はしていなかったのだろうが、優れたバランス感覚だなあ、と僕は感心した。一見するとバケツは薪小屋の隅にいつもどおり立っていただけで、傍から見る分には猫が入ってるかどうかなんて分からなかったのだ。  僕が見下ろすと、バケツいっぱいのカフェオレはぬるりと頭だけを起こした。いや、カフェオレというのは僕の初見の感想であって、体毛の

          『誰がために薪を割る』

          <雑記>夏過ぎて、秋はもう寒いからこたつと戯れたい。

           はい。こんにちは。  夏が終わりました。僕の中では夏の終わりを、日中の最高気温が30度を超えなくなる程度と定義しています。いや、28度や29度でも十分に暑くて、心まで溶けそうなんですけどね。  ちなみに、「夏と言えばビール!」と書こうと思ったんですけど、日常生活も仕事でもアルコール飲料を欲しない僕にとっては、夏にビール! のような楽しみはないのです。  それよりも、この秋の涼しさが進むにつれて、「ああ、夜更け時にはこたつに入りたいなあ」と思う感覚の方が僕は好きであって、期

          <雑記>夏過ぎて、秋はもう寒いからこたつと戯れたい。