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〈雑記〉あとがきにさえなっていない、書いた側の感想文
はい。こんにちは。
十一日連続投稿していた連載が終わりました。
あとがきまで読む人は少ないだろうし、僕の小説は筆者である僕ぐらいしか分析を書く人がいないので、僕が書きます。
連載の日数としては二週間にも到達していませんし、文字数としては四万三千字くらいなので、やっとこさ書いた一編といったところでしょうか。
これでも僕としては、過去で一番長い小説になりました(連作短編のシリーズを除いて
『手のひらの 唇の脇の 手の甲の』(まとめ読み版)
連続投稿していたものから加筆修正はしていません(42000字よりちょっと多いくらいです)。
1話ずつ読みたい方はマガジンへどうぞ。
第1話「狭山さん、左手――見せて下さい」
「左手?」
僕が結婚していないことはもっと早くに知っていただろうに、何を今さら聞くことがあるのだろうか。とはいえ、新入社員であるミコにとっては初めての出張だ。車内くらいは肩肘を張っていなくてもいいだろう。僕はハンドルか
『手のひらの 唇の脇の 手の甲の』(最終話)
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(前のお話)
昨日の夜もきちんとベッドの上で寝たはずだったのだが、横になると久しぶりに布団で眠れるのだ、という感覚になった。
隣に京佳さんがいるという状況は変わらないはずなのに、睡魔が強烈に襲ってきたことを覚えている。そのまま、僕は何もせずに朝を迎えた。
「おはよう。ごめん、僕の職場まで通勤にどれくらい掛かるか分からないから、早く起きすぎた」
「んーん。昨日寝るの早かった
『手のひらの 唇の脇の 手の甲の』(7/11)
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(前のお話)
助手席に座ったミコが「相談があるんです」と言っていたが、口調からはいつもの彼氏についての相談なのか、取り留めて行う必要のある相談なのか、僕には分からなかった。
「なんの相談?」
「んー、とりあえず今日は仕事疲れちゃったので、一回リセットしてから話していいですか?」
「それは構わない。僕は聞く側だから、ミコの思うときに話せばいい」
「ん。じゃあ、とりあえず、ラー
『手のひらの 唇の脇の 手の甲の』(6/11)
(最初から読む)
(前のお話)
初めて脱がせたときは、ほくろの多い人だな、と思った。
僕はほくろに対して特段のフェティシズムを感じているわけではないが、やけに目に付いたのだ。すらっと伸びた背に豊かな胸をしているため、もっと他に見るべき場所はあったのかもしれない。しかし僕は、どうも京佳さんのほくろが気になってしまった。
「なんだか恥ずかしいですね」と京佳さんが口元を隠しながら笑うと、隠れた
『手のひらの 唇の脇の 手の甲の』(5/11)
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(前のお話)
ラブホテルはなんとも都合の良い場所だ。いや、都合が良いというか、人目を気にする必要がないという点においては、常に需要があるから存在しているのだろう。
「すきい。だいすきい」
「それ言わないと気持ちよくなれないの、おもしろいよな。ただ単に変態なのか、純愛者なのか、僕には分からないよ」
「だってえ――すきい。んっ、気持ちいいんだもんっんっ。すきい――ああっ、んっ