又吉マタキチ

兵庫県芦屋市出身の自称ボンボン。2児の父親。 物語を書く生活をしています。 薀蓄を語りすぎる事が玉に瑕。 あなたの「オモシロイ」は僕が創ります!

コモンセンス

 道なりに真っすぐ伸びた防波堤や、サンシェードが破れたまま、営業を続けている定食屋。今までは、当たり前すぎて意識したことがなかった。嫌な思い出の方が多いというの…

悪党には悪党の理屈がある

 拓人の心には、考える事を放棄して、場に染まりたい悪魔がいるようだった。そう考えると、この車から飛び降りてしまいたい衝動は、自分の良心かもしれないと思うほどの冷…

えてして

 靴をひっくり返すと、砂は諦めたように地面に落ちた。 「こんなに入っていた」  独り言のつもりが、皮肉に聞こえたのではないかと、浩平は少しだけ後悔した。 「なんか…

あの日から。もしくは、それより前から。

 キャラクターがプリントされた、ピンクや水色の袋が下がっている。お目当ての綿菓子屋を英男は見つけた。  参道の石灯篭に火が灯っている。いつもの神社とは違う雰囲気…

蝉と花

 亡骸。  かつては自分に無関係だと思っていた。  夏の途中になれば、いたるところに、足を折り畳むようにして、仰向けになって蝉は転がっている。あの姿を見て何も思わ…

返答次第

「突然すみません。隣の部屋に住んでいる者の姉です。弟の姿を見ませんでしたか?」  ドアを開けると眩しかった。夜勤明けの僕は、眠ろうとしていた所だった。 「いえ。見…