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狂い歌

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詩のようなものです。
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自分と自分達 :シのようなモノ

自分と自分達 :シのようなモノ

はじめから終わりを覚悟していた。
それなのに、終わりのタイミングをずらしていた。
永遠や永劫や「ずっと」なんて意味がない。
どこまでなのか、わからない出来事は、そうやって片付ける訳だから。

子供のふりができなくて、大人になりきれなくて、ただ甘えていたのかもしれない。
わかったような台詞ばかり並べて、好かれようとしていた。

「僕」や「俺」あるいは「私」なんて主語を使わずに、誰が言ったかわからない

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心と言葉は違う

振り返り、吐き捨てるのは悪態で
思いかえし、求めるのは温もりか

人を罵るのは偽りで、
人を誉める事が、素直な心だと思いたい。

言葉は正確な心ではない。
心を瞬間的に表現するだけの暗号。
発信する時も、解読する時も、
間違いはあるだろう。

言葉の奥には心があって、悪態の向こうの本心は別の形かもしれない。
反対に、人を誉める時には下心だってありえる。

そんな心を、限られた言葉で組み立てる事をし

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線:狂い歌

線:狂い歌

この線を超えてはいけません。
恋は甘くて
愛は覚悟がいります。
甘さは、毒になるから
覚悟のない恋なんてする気は、僕にはありません。

触れてはいけません。
覚悟があっても、僕はあなたに触れる気はありません。

守るもの、守りたい人を大事にしてください。
それがお互いにとっての幸せだから。

笑ってください。
それだけで、僕は満足だから。
その笑顔が好きだから、悲しいなんて事はありません。

その

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口と虚:狂い歌

口と虚:狂い歌

追憶するのが辛いのは
決して戻れぬ悔恨か。

事実と記憶は相反し
あらぬ事象を真実と言い聞かす。

「こうみえて負けず嫌い」
そんな見栄など見え透いて
ただただ笑え、悪さ自慢。

瞬く間に興醒めて
愛想笑いにうんざりすべきかな。

いつの間にやら時過ぎて
何を成す事なく
うん十年。

それもありかと思ほゆが
頭下げが恒常化。

妬みと弱音を携えて
渡り歩くかこの先も。

願えば叶う奇跡だよ。
いや

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慕:狂い歌

慕:狂い歌

期待に応えるのが億劫で
どうでもよくなって知らんぷり。
垢にまみれた中指の匂い
嫉妬もせずに、他人のふり。
悪戯なのか、きまぐれか、
寄越した言葉、思わせ振り。

変装もせずに、ありのまま、
何を隠すか、薬指。

如何なる制約なんのその
覚悟もないのに寂しいと言う
ポール・スチュアート。
せめてもと、香を纏う半端者。

似合わぬ口髭たくわえて
気取る素振り
何様よ。

なぜに貴方は寂しいのか。

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ただいま :狂い歌

ただいま :狂い歌

おかえり
ただいま

おかえり
ただいま

おかえり
ただいま

ただいま
おかえり

ただいま
おかえり

ただいま
おかえり

ただいま

ただいま

ただいま

ただ

ただ

ただ

無音

不惑となる:狂い歌

不惑となる:狂い歌

契りてど
果たせじ絵空事

いつの頃かと心寄せ
挙げ句に存ぜぬ吾の嘘

誠の想い
泡沫に等し

嘘を現に表して
只々、苦悶す
吾の内

幾度語りし
下らぬpride
見栄の花

善し悪し知らず
邪気、無くて
宣う野の望み
果てしなく

師走の川原にて
独り空しく叫ぶ
吾、詩人

晩成とは
いつの事かと
尋ねる由なくて

吾、来る年にて
不惑となる

未だに
麻を吸いし
朝ぼらけ

諸行は愚か
正に

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Decade? No. A score of years.:狂い歌

Decade? No. A score of years.:狂い歌

足音聞こえて
止まることなく
吾、進みたり

過ぎたりし時の声
我よ我よと
呼び止める

見ずともわかるその姿
己の業

咎と知りながら
吾は無情

許しを乞わず、道ゆかば
音のみならず
匂い立つ

書の店見れば
胸苦し

それでも
夢と言い聞かす

嗚呼、憮然。
嗚呼、不様。

吾の後に
聞こえし罪の声
匂いし罪の香

それでも流せぬ空涙

吾子の為と嘯くも

それは嘘

吾は罪悪を感じぬ。

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キャバクラの詩:狂い歌

キャバクラの詩:狂い歌

人生暇潰しかと
嘯いてみたけれど
それは虚勢

あな悔し
あな憎し

落ちる楓の葉
この心を喩えたとて
池の水面を彷徨い
そして沈む事を許されじ

あな悔しこの心
あな憎しこの心

未練無しと偽って
平然と喰らう
冬苺
それは惰性

薄紅暈し
せがむ人肌に
世の全てを引き換える
享楽
ただ虚し

然りとて
人の業

それも人生だと
自ら慰めて
ただ求めし恋慕の情

あな悔しこの体
あな憎しこの体

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