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慕:狂い歌

期待に応えるのが億劫で
どうでもよくなって知らんぷり。
垢にまみれた中指の匂い
嫉妬もせずに、他人のふり。
悪戯なのか、きまぐれか、
寄越した言葉、思わせ振り。

変装もせずに、ありのまま、
何を隠すか、薬指。

如何なる制約なんのその
覚悟もないのに寂しいと言う
ポール・スチュアート。
せめてもと、香を纏う半端者。

似合わぬ口髭たくわえて
気取る素振り
何様よ。

なぜに貴方は寂しいのか。
なぜに貴方は笑うのか。
なぜに貴方はここにいるのか。

問い詰めるのも煩わし。
然りとて、現れたる九月花。
蕾もないのに咲く花の事。
当然の如く、できた実を失う。

知らぬが仏、奔放加減。
触らぬ神に祟りなし。
身を尽くして、見失う。

我慢は諦めと言い聞かし、
見えぬ未来ただ抱え、
こちとら孤独
三十路過ぎ。


一日延ばしは時の盗人、明日は明日…… あっ、ありがとうございます!