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Decade? No. A score of years.:狂い歌

足音聞こえて
止まることなく
吾、進みたり

過ぎたりし時の声
我よ我よと
呼び止める

見ずともわかるその姿
己の業

咎と知りながら
吾は無情

許しを乞わず、道ゆかば
音のみならず
匂い立つ

書の店見れば
胸苦し

それでも
夢と言い聞かす

嗚呼、憮然。
嗚呼、不様。

吾の後に
聞こえし罪の声
匂いし罪の香

それでも流せぬ空涙

吾子の為と嘯くも

それは嘘

吾は罪悪を感じぬ。

真っ当な道に焦がれ
幸福など装うも

ハラリと破れし
文の紙

これぞ無惨。

狂いて無き事にできぬ
吾、純心。

知らぬと言い逃れ、
阿保の振りなどしても
許されじ

呆れたりし人の顔

俯きて拒む
白の紙

文字でも埋まらぬ
吾の内省

児戯に等しきこの所業

物狂る欲しけれ
平穏ぞ。

無垢よ!

吾の内に秘めし無垢よ!

年月に
偽りし無垢を
忘れたり。

許せじは
吾自身

縮みて戻らぬ
その片鱗

これぞ罪人か?

否!吾は生者ぞ!

数多の悪行を犯したとて
この世に留まりし者は、
生を全うせねばならぬ

人の世に救いあり

それを与えしも
吾自身

方便と異なりし
吾の本音

終ぞ見つからぬ贖罪か

それもまた人の常

吾は只管、今日も眠む










一日延ばしは時の盗人、明日は明日…… あっ、ありがとうございます!