「見えなくてもいい、いまそこにいる。信じて感じるのだ!」をスローガンに活動するこびと部が運営する図書館です。 こびと部はゆっくりのんびり各自のびのびをモットーに活動しております。
穂音(ほのん)
うちのお犬についての親バカ的なアレです。 ヘッダー画像は橘鶫さんが描いてくださった白いお犬です。
取り上げてくださってありがとう、心にグッときましたありがとう、のおと
長夜の長兵衛 二十四節気シリーズに続き、七十二候のシリーズです。 短編の連作です。読み切りですので、どこからでも、お読みいただけます。全部地の文で出来ているこの世界は、一体いつ、どこなのか、どうぞお好きなところへトリップしていただけましたら。
【短編小説】シリーズ化していない、独立した掌編を入れています。お好みのものがあったら嬉しいです。
好奇心。 知的生命体にとって、不可欠なものではないか、とわたくしは思います。 五つの自由、ってご存知でしょうかしら。 好奇心を満たす、という正常な行動をできる生活。そのためにはどうしたら良いのか考えまして、わたくしは野良犬であることをやめ、人間の庇護下に入ろうと思いました。もちろん、お相手は善良であることが必須です。わたくしの選んだおじいさんは山へ柴刈りへ行き、おばあさんは川で洗濯をする、その程度には真っ当でした。 なにも贅沢な暮らしを求めておるわけではありません
どうしても譲れない一線がある。自分が傑作だと思ったものが、選ばれていないことは、自分の作品が通過しなかったことと同じくらい、いや、それ以上に悔しい Uさんが素敵な企画を立ち上げておられます 【緊急企画】ぼくらの創作大賞2024 https://note.com/ueu/n/nd8045d0adc35
狭き門通過の皆さま本当におめでとうございます 応援記事でピックアップさせていただいた小説が9作品あって、私ってば見る目ある! でもどどーんと波立っているのは正直に告白します。先日から新作に着手したので、いつかきっと、ね この9作品の中から大賞が出ますように、祈ってます!!
蚊の名残 玉露の、ふわりと甘い香りが久兵衛の鼻腔をくすぐる。 幼馴染の金兵衛が招いてくれた。こうして汗を流すのも、残暑を過ごすには良かろうと思うてな。 縁側の向こうに流れゆく雲からはもう、入道雲のような猛々しさが消え失せ、空と曖昧に混じり合っておる。 こくのある味わいが喉元から胸へ腹へと広がり、久兵衛は目を閉じる。しばしののち、二口目。味が、変わる。 良い茶というものは、揺らぐものだな。 うむ、と金兵衛が茶碗を置く。茶托がわずかにかたん、と言うた。 遠くに舞
昨夜も今夜も、帰りながらとてもきれいなお月様に会いました。おかげで長ーい会議にヤラレタあと、夜道で心和みました。 さ! 帰ったら月餅を食べて、長兵衛を推敲して投稿しなくては。本日投稿のものと合わせて、あと10話で七十二候が終了します。あともう少し、がんばれ、わたし。
恋教え鳥 小さな包みを手に、婆さまの家を訪ねる。手折られた露草の色が涼やかで、質素ながらも芯のとおった佇まいである。 若安兵衛さんからにございます。長兵衛は風呂敷をほどく。十五夜の折にはどうにも手が回らぬゆえ、本日お届けするのをお許しいただきたい、と。 滅相もない、ありがたいことで。むかしから、爺さまは安兵衛さんの菓子以外は食べませんでしたけん。婆さまは薯蕷饅頭を押し戴くように、仏壇へお供えされる。 暖簾を継がれても、味は変わりませぬか、と長兵衛。 あとは鶺鴒で
白秋 竹林をゆくと、笹の声が聞こえてくる。そういえば風の音の話をしたことがあった。まだ夏の時分に、風鈴のもとで。 空は白みはじめ、緑の色が明るくなってくる。葉に置かれた露が転がり落ちる。歩きながら、銀兵衛は考えこむ。 風に姿かたちがあるとしたら、どのようなものだろうか。 背に追うた巻物が、かたかた、と鳴る。大家の金兵衛より和尚さんへの届け物である。余程、大切なものと見えて一巻ずつを自分と長兵衛に託された。半刻ほどずらして行くようにとも。 寺へ着くと、労いの言葉と共
このたびの文学フリマ大阪「ウミネコ製作委員会」無事出店完了しました。まことに有難う御座いました。 会場に足を運んでくださった皆様も、noteやXで声援くださった皆様も。 大阪の上空に集結しておられた「浮遊層」の皆様も。 隣接ブースを快諾してくださったつるる・とき子書店のお二方も。 番頭、心より御礼を申し上げます。 午前11時に、dekoさんと二人で出店者のステッカーを受け取ってから、あれよあれよという間に打ち上げを終えて、気がつけば終電に駆け込んでいるわたくし。
鈴虫 拝啓 久兵衛どの はじめて空を飛びました。 羽だけになったなら、世界はこんなに広かった。 ふらり、風にあおられたのを鳥が捕まえてくれたらしく。雲の濃いところと薄いところがつらつらと行き合い、地上よりずっと早くから秋の仕度がなされていると知りました。なんと浅はかであったことか、季節が来たとあなたに告げているのは、わたしだと思い込んでおったのです。 思い込みはよろしくありませんね。 あそこをたゆたうものも、雲だと決めずに五感を越えてみれば。あれは、気配を変え
桃 銀兵衛は山へ柴刈りに。 まとめたものを背負い下ってゆくと、辻の地蔵さんが暑そうにしておられる。せめて埃だけでもと、腰の手拭いを外して払って差し上げる。 蜻蛉が日に日に赤くなる。 しゃがんで手拭いをゆすいでおると、川辺にもこうして秋が集うてくるのが見える。 おや。 上流からゆっくり、何かが流れてくるのである。目をこらすと、大ぶりな桃の実のようで。 ―どんぶらこ、どんぶらこ 錐の先のようなものが胸の奥に差し込まれてくるのはなぜか。 そうだ確かにそんなひ
親愛なるみなさま! ウミネコ制作委員会、番頭の穂音です。 文学フリマ大阪が近づいてきております。 今日からカウントダウンを始めますと、開催当日にぴったりなんでございます。9、8、7……0! ウミネコ制作委員会、最大の特徴は、そのラインナップの幅広さ! ヘッダ画像、もう一度ご覧になってくださいまし。 大勢のnoterさんが作家となり挿絵画家となって完成した 童話集 個性豊かな作家による物語が読める mini文庫 海外の風が吹く スケッチブック ウミネコ
秋の色 言いつかった用事に思いがけず手間どった。 長兵衛は早足で歩き出す。 しばらくいくうちに、一面の稲穂も、遠くの山の木々も茜色を映し始める。刻々と変わる眺めに心を寄せていると、己も同じに染まっていくようだ。秋の色が、そこはかとなく迫っている。昼間は暑さに紛れているが、こうして日暮れになると、ようわかる。 足元が見えにくく、歩みが緩くなってきた。宵闇が近い。そろそろ潮時であろう。 稲架小屋を背に、ごろりと横たわると長兵衛は目を閉じる。土熱れの名残がからだを包み込
泥辺五郎さんの記事のおかげで、生成AIの使い方が劇的に改善されました! https://note.com/dorobe56/n/n3c9fd9185cb1 が、 雉はなんかムクドリみたいなのとピヨ子になっているし、桃は生のまま焼いてるし、まだまだなのでした。 またチャレンジしてみます。
藤井風さんのライブ配信、誰でも見られるらしいと、ついさっき聞きました。 https://www.youtube.com/live/TELFpTs29Ag?si=VGTp0Hm5cXiyHfgp これ見ながら桃太郎読もうかしら!! 月曜4じまでアーカイブもあるらしいです
松岡正剛さんが逝かれた。 ガラン、と心の奥に音が響いた。 わたしはISIS編集学校の卒業生で、松岡さんは校長先生。 編集、というとつい本や雑誌のことを思い浮かべてしまうが、松岡さんの考える編集とは、もっと広い。情報の扱い方、そのものなのだと思う。 決して書き方の学校では、ない。 以前、したためた編集学校のこと。 世田谷の編集工学研究所にはものすごい量の蔵書がある。卒業で訪れた日に、福袋のように放出されたものを一袋求めて帰った。ガチの化学の教科書のような