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障がい福祉

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障がい者支援にまつわる話題や組織で働くための姿勢、心構えなどをまとめています。
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#福祉

支援の進め方

支援の進め方

福祉は、生きづらさや困り感を抱えて生きている方たちの暮らしの課題を整理し、ありとあらゆる資源を整え、支援を組み立てていく仕事。

一方、ヒューマンサービスであるがゆえに、チームの成果が人の出来不出来で成り立ち、成果が出ないのは、人と判断されてしまう傾向に陥る。人のスキルやパフォマンスに依存がちであり、責任を個に押し付けたくなるのだ。

ここでの改善策の一手として、個人のスキルアップ、強みの強化はや

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支援のプロセスは共有すべし

支援のプロセスは共有すべし

福祉サービスには、3つの特徴がある。
①即時性
②無形性
③不可逆性

福祉や教育などは、サービスの生産と消費が同時に行われたり、暮らしの困り感や生きづらさの解消や支援という実態のある製品が存在しなかったり、元と全く同じ状態に戻せなかったりする。
 
こうした特性を持ち合わせている業界にいる認識がないと、クライアントである利用者や家族からの信用をすぐに失ってしまう。とはいえ、ただ認識しておけばOK

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これをすると質の低いケアプランになる‼︎

これをすると質の低いケアプランになる‼︎

利用者の支援の計画や管理をするマネジメント領域のなかで、ついやってしまう超ダサいこと。

それは

手立てがゴールになっているプラン。ここでいう手立てとはなにか。
手立てとは「手段」である。

本来は、手立てでなく
見立てがまずは必要なのだ。

見立てとは、「見て選び定めること」こと。

利用者の暮らしを支えるために、アセスメントを行い、どのサービスを選び、そして、どのサービスを選ばないのか。

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最高のサービスを提供する介護スタッフになる方法①

最高のサービスを提供する介護スタッフになる方法①

福祉はヒューマンサービスである

なんかピンと来ない方もおられるだろう。

ヒューマンサービスとは、無形性、即時性、不可逆性の特徴をもつ対人関係の社会サービスをさす。

福祉のほかにも教育業や相談業もこれにあたる。

では、最高のヒューマンサービスとは、何か。 

例えば、テーマパークのサービスとは、夢の国に来た人たちに、時間を忘れるくらいの楽しさを提供することであるし、飲食店のサービスとは、美味

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福祉はポジション別分業への挑戦をすべし‼︎

福祉はポジション別分業への挑戦をすべし‼︎

今回は施設の障害福祉サービスについての展望の投稿となる。

現場に長年居て、気付くこと。それは、マルチプレイヤーを育てているという現実。

私的な見解だが、どのポジションもこなせるマルチプレイヤーは今後多く必要ないと考える。

無論、マネジメントする立場として、マルチプレイヤーは安心できる存在であることが間違いないし、当然法人に貢献してもらいたい期待値も高くなる。

スペシャリストかジェネラリスト

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教育と福祉は違う‼︎

教育と福祉は違う‼︎

私は、大学生の前で福祉の話をする機会が年に数回あるが、まれに福祉に対して超意識高い系の学生が存在する。

「すぐに起業したいんです。今、教育や心理学勉強をしていて、児童福祉の◯◯なところに社会的課題を感じて、こんな仕組みを作ったら、◯◯になると思うんです」

「それで質問なんですけど、教育と福祉の違いってなんですか?」

少し悩んだあと、こう回答した。

教育はティーチング福祉はコーチング

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利用者の主訴に同意するな!

利用者の主訴に同意するな!

何故牛なのかは、後半で。

福祉現場で大切なこと
それは

同意と共感を使い分けること人が生きている以上、感情や気分の浮き沈みがあるのは、当然。それは障害をもつ人も同じ。

障害をもつ人は、みんなココロが綺麗で、夢に向かってキラキラしながら、純粋に生きているといったステレオタイプの情報で、こうデザインをされていることも少なくない。

確かに1人の人間として「すげーな」と感心させられることもある。で

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苦手な排泄支援の乗り越え方

苦手な排泄支援の乗り越え方

福祉に携わる人たちが必ず乗り越えていかなければならない仕事内容がある。それは排泄支援。誘導をしたり、後処理したり、交換したりと様々な関わり方がある。

排泄は、生物としての生理現象であるうえ、人の暮らしのなかで、極めてプライバシーの高い領域であり、健康のバロメーターとなる大切なもの。

このように暮らしのなかで、重要なものと分かってはいるが、この排泄支援にカルチャーショックを感じる新入職員も少なく

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利用者の死から学べること

利用者の死から学べること

施設利用者は不死鳥ではない。

とかく80歳を過ぎても、元気な利用者たちと一緒に笑い、悩み、励ましの暮らしのプロセスを共有していると、スタッフは死に対して無頓着になりやすい。 

私は数年前、ある末期癌の利用者の死に直面したことをきっかけに、障害者支援施設のスタッフでは珍しく「看取り」に関する勉強や研修に参加しまくった。

そのなかで出会った言葉

遺体はケアの通信簿

寝たきりの方や車椅子利

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最高のサービスを提供する介護スタッフになる方法②

最高のサービスを提供する介護スタッフになる方法②

前回、書かせてもらった、ひとつ目は、介護スタッフとしての自分の価値を知る。

すなわち、自身で自分の強みを見つけ、それを今の仕事と掛け算して出た答えを大切にすること。

そして、その答えを発展させていくための行動をとっていこうというもの。

二つ目は

他の人の価値を知り、自分にできそうなことをやるこれは、グループワークがやりやすい。
まず、最初に何をするのか。

3人ほど集まって、「それぞれが考

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落ちこぼれリーダーの話

落ちこぼれリーダーの話

リーダー、または管理職になると、必ず部下やメンバーとの面談が発生する。

面談にはやってはいけないことがある。それは

「何でもいいから話聞きますスタイル」である。

これは、僕自身の失敗談である。

7年程前、一般職からリーダー職になり、意気揚々とマネジメントを始めた。事業所からは、金銭的なインセンティブを与えられた訳ではないが、猛烈な改革をすすめた。

チーム内でのチューター制度の整備。
業務

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それ、プールの監視員じゃない?

それ、プールの監視員じゃない?

介護の現場は、利用者にとっての暮らしの場。

スタッフたちは、安全安心の暮らしを保証するための必要な資源を揃え、サービスを提供する。

そして、その現場で必要になる技術がある。
それは見守り。

見守りとは
常時目を離さず、危険がないように気を配ることを意味する語。 小児および高齢者を保護することを指して用いられることが多い。

この見守りは、食事、排泄、入浴などの各場面に始まり、日中提供する作業

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利用者の「強み」の見つけ方

利用者の「強み」の見つけ方

▼アナタの強み(ストレングス)は?

先日、次女からオモシロイものを渡された。

「sunメッセージ」と言うタイトルの封書に、クラスメイト31名全員からの「アナタの良いところ」を書いたカードが入っていた。

次女の話によると

授業の一環で、クラスメイト全員に向け、それぞれの良いところを名刺サイズのカードに書き出し、それを本人らに配ったものらしい。

次女宛に書かれたカードのいくつかを紹介しよう。

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福祉にマニュアルなんて必要ない?

福祉にマニュアルなんて必要ない?

今回はエピソード回になってしまいますが、福祉のよくない習慣を変えた取り組みをご紹介しますので、お付き合いいただけたら、幸いです。

▼伝統芸と職人芸と私

僕が入社した20年前は教育プログラムなどなく、「気合」「元気」「やる気」みたいなノリで指導を受け、見て学ぶことが推奨される時代でした。

「動け」「先輩の仕事の先回りをしろ」「先輩が何を考えているのかを考えろ」「仕事は奪え」そんな言葉たちに囲ま

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