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これをすると質の低いケアプランになる‼︎
利用者の支援の計画や管理をするマネジメント領域のなかで、ついやってしまう超ダサいこと。
それは
手立てがゴールになっているプラン。
ここでいう手立てとはなにか。
手立てとは「手段」である。
本来は、手立てでなく
見立てがまずは必要なのだ。
見立てとは、「見て選び定めること」こと。
利用者の暮らしを支えるために、アセスメントを行い、どのサービスを選び、そして、どのサービスを選ばないのか。
即ち暮らしをなぞらえる大まかな設計。
そう、サービスの全体的な骨組みを設計するのが、「見立て」である。
プランの設計には、この見立てが必ず必要になる。
一方、手立てとは、目的を達するための手法。
見立てられた骨組みに沿って、サービスの量や回数は、どの程度提供するのか、誰が提供するのかなど、必要な肉付けしていくのが「手立て」である。
実は、この「手立て」を達成目標にするプランを作ってしまうケースがあるのだ。
手立ては、あくまでも手段であり、たどり着きたいゴールではないのだ。
例えば、こんなケースがダサいプランの例。
【意向】
野球が観たい
↓
【達成目標】
野球観戦に行く
少し雑な説明ではあるが、「観たい」に対して「連れて行く」がゴールになっている。
そう、手段がゴールになっているのだ。
では、こうならないためにまず必要なのは、徹底したアセスメント。
できれば、ここは個人作業ではなく、協働作業ですすめたいところ。
例えば
その利用者は野球観戦をして、本人はどんな未来を描きたいのか。
野球観戦をしたあと、どんなことが達成できそうか。
野球観戦は、本人にとって、どれくらい大事なのか。
こういった具合にクリエイティブに考えるのが、マネジメントの基礎なのだ。
野球が好きなのは、いつから?
野球をするのが好き?観るのが好き?
他に好きなスポーツはある?
野球を観てる時は、どんな気持ちになる?
誰かの影響は?
このように「好きな理由」や「観たい理由」を棚卸しして、利用者の本質的な思いを深掘りしていく。
すると「野球が好きなのは、気の合う仲間たちと楽しく過ごせることが、唯一無二の幸せ」なことが紐解けるかも知れない。
こうなると達成目標は
【意向】
野球が観たい
↓
【達成目標】
同じ趣味の仲間たちと楽しく過ごせる時間が持てる
と見立てを設計し、これを実現するための手段をクリエイティブに考えていく。
【支援内容】
・半年に1回野球やサッカーなどの観戦に行く
・スポーツファンクラブやサークルといったコミュニティに参加し、多様な人たちとのつながりをもつ
といった感じに立てればよいのだ。
相談支援や事業所でのマネジメントは、形式的にいえば、PDCAで回っていく。作ったプランは、その人の暮らしを支える道標でなければならない。
だからこそ、見立てを設計するセンスが絶対的に必要なのである。
下手こいたプランを作り、利用者自身から「この人のプラン、ハズレくじやったわ」と思われようものなら、もう目も当てられないし、プロ失格のラベリングをされても仕方ない。
こんなことにならないために、作成にあたってのとっておきの練習方法がある。
それは、利用者のケアプランを本格的に立てる前に、「スタッフで練習」をするのだ。
私の事業所では、これを新人職員研修のコンテンツのひとつとして、入社半年後に取り組んでいる。
新人スタッフは、プランの対象となるスタッフがどんな悩みを持っているか、どんなことを叶えたいのかのヒアリングから始める。
その人と仲の良さそうなスタッフからのヒアリングもOKにしておく。
しかし、ここでトラップを仕掛ける。
プランを立ててもらうスタッフには、事前に『沢山の情報をはっきりと与えないでね』とコッソリ伝えておく。
それはそうだ。
利用者は、はっきりとやりたいことや、叶えたい夢なんかを自分で伝えることが少ない。
「わからないもどかしさ」を演出に加え、徹底的に思考させるプロセスを踏んでもらう。
そして、なんとか仕上がったプランの説明も、本人を目の前にしてもらうことが、この研修のゴールとなる。
やってみると面白い。
しかも新人職員にチューターとしてついているスタッフは、アドバイザーとして参加し、他人のプラン作成に携わることもできる。
プランの質を上げたいと考えているサービス管理責任者の方は是非、パクってください。
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