レンフリー

はじめまして、VRChatに生息するアマチュアなライトノベル作家、レンフリーです。 普…

レンフリー

はじめまして、VRChatに生息するアマチュアなライトノベル作家、レンフリーです。 普段はバーチャルな世界を舞台に、掌編や短編を作っております。

マガジン

  • ライトノベル

    VRChatに関係なく、世界も時代も異なる、1話限りの短編集。

  • エッセイ・雑文

    自分のこと、VRChatのこと、日々思うこと。感じたことを感じたままに書き綴る、私のお話。もしくは思考の切れ端

  • VRC小説

    VRChatを舞台にした短編小説群。続き物だったりそうじゃなかったりします。

  • VERMILIONな日々

    VERMILION.studio(https://kv2.booth.pm/)の展開する3Dモデルシリーズを題材とした日常系短編集

記事一覧

声劇台本「VRCやってる?」

人物紹介  上司:VRとかわかんない人。YouTuberが流行っているのは知ってる。  部下:VRチョットわかる人。最近はAIボイスチェンジャーにハマってる。 上司「VRCやって…

レンフリー
12日前
2

センスのない人

私の彼は、センスがない。 どうしようもないくらい、センスがない。 「このレストラン、美味しくてオススメだよ」 そう言って連れてきてくれたお店は、私が気になってい…

レンフリー
1か月前
4

妖精からプロテインを込めて

事故物件という話は、聞いていない。 それでも、この部屋は何かがおかしい。 規則的に叩かれる壁、誰かに見られているような感覚。夜、耳元で聞こえる誰かの声。 引っ越…

レンフリー
1か月前
1

私が転職を決めたわけ

私は、今の職場が嫌いなわけではない。かといって好きなわけでもない。 ただ、安定した生活と充実した趣味の時間が欲しくて選んだだけの、妥協の選択だった。 安定は、し…

レンフリー
2か月前
6

VRで生きています

 VRで生きています。  VRの世界で食事がとれるわけではありません。  VRで生活費を稼いでいるわけでもありません。  ログイン時間は短いです。  VR機器をつけたま…

レンフリー
3か月前
13

廃墟の街の武者と猫

夜。それは俺の店が一番騒がしくなる時間帯だ。 鉄くずと漂流物だらけのこの島でも、酒が飲めるところはそれなりにある。だが、労働者向けの安いパブの中では、俺の店が一…

レンフリー
3か月前
4

私の小説、私の色

私の作品には、節操がない。 ヤンデレみたいな恋愛話を書いたと思えば、ほのぼのとした話を書き、かと思えばバトルを入れて、エモい感じのものも書く。 世界観もあっちこ…

レンフリー
3か月前
4

伯爵と令嬢は相企む

「みなさま、伯爵陛下をご存知ですか。齢19で家督を継ぐと、北に行っては蛮族を討ち、南に行っては呪いを払う。治める領地は常に潤い、町は常に祭りのように賑わっていると…

レンフリー
4か月前
11

【メタバースぼくの生き方】ソロ系物書きマンの場合

初めての方ははじめまして。知ってる人はいらっしゃ~い!普段はnoteでVRChat系の小説を書いているレンと申します。 今回は、こちらの企画に参加して、記事を書いておりま…

レンフリー
5か月前
17

Vermilionな日々side.デルタフレア

「僕って、かなりクールだと思うんだ」 「……デルタちゃん。それマジで言ってる?」 学校からの帰り道。隣を歩く友人に日頃から思っていたことを話すと、なぜか変なもの…

レンフリー
6か月前
5

VERMILIONな日々 sideラムダ

アタシ、ラムダにとってお酒はまさに、命の水だ。 喉を焼くアルコールは虚ろな脳を覚醒させ、ほどよい酩酊は現代社会に蔓延るあらゆる不安を忘れさせてくれる。 酔ってい…

レンフリー
8か月前
8

あなたの1番になりたくて

「うがーー!聞いてよ紗夜ーー!」 「はいはい。ちゃんと聞くよ。神奈ちゃん」 私こと紗夜は、友達の神奈ちゃんに「相談したいことがある」と言われ、大学近くの喫茶店に…

レンフリー
8か月前
11

トリートは売り切れ中

10月31日は、世間的にハロウィンである。 悪霊から身を守るため、悪霊と同じ衣装に仮装するという風習は、キリスト教圏でない日本でも、都市を中心に賑わいを見せている。…

レンフリー
9か月前
2

私とコミュニケーションのお話

人と話すのが、苦手だ。 対面、オンライン、バーチャル関係なく、人と話すということが、どうしようもなく、苦手だ。 今、眼の前にいるその人は、私なんかに時間を取られ…

レンフリー
9か月前
7

VERMILIONな日々 sideファイ

「ファイ~。おやつちょうだ~い」 「だ~め。さっき食べたでしょ」 「ファイの作ったお菓子なら何個でもいけちゃう!」 「ありがとう。でもだーめ。残りは妹の分なの」 「…

レンフリー
9か月前
3

VERMILIONな日々 sideシィ

ボクはそわそわしながら、先生の頭上に掛けられた時計を見つめていた。 教壇に立つ先生は、抑揚のない話し方で衣替えの連絡をしているんだけど、今のボクは長袖解禁の時期…

レンフリー
10か月前
6
声劇台本「VRCやってる?」

声劇台本「VRCやってる?」

人物紹介
 上司:VRとかわかんない人。YouTuberが流行っているのは知ってる。
 部下:VRチョットわかる人。最近はAIボイスチェンジャーにハマってる。

上司「VRCやってる?」
部下「やってないです。どうしたんですか急に」
上司「いやね。昨日、今後の事業展開に関する会議があったんだけど、バーチャル業界に進出することになったんだよ」
部下「バーチャル?ノウハウ何もないじゃないですか」
上司

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センスのない人

センスのない人

私の彼は、センスがない。
どうしようもないくらい、センスがない。

「このレストラン、美味しくてオススメだよ」

そう言って連れてきてくれたお店は、私が気になっていた場所だった。

「このネックレス、君に似合うと思うんだ」

そう言ってプレゼントしてくれたのは、私の好きなブランドの新作だった。

「じっとしてて。大丈夫、勝ってくるから」
「姫プレイは趣味じゃねーんだよっ!」
「ごっ、ごめん!じゃあ

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妖精からプロテインを込めて

妖精からプロテインを込めて

事故物件という話は、聞いていない。
それでも、この部屋は何かがおかしい。

規則的に叩かれる壁、誰かに見られているような感覚。夜、耳元で聞こえる誰かの声。

引っ越す金もなく、途方に暮れていた私は、友人からの勧めで霊媒師を呼ぶことにした。

「先生。この部屋で変なことばかり起こるんです。これは、幽霊の仕業なのでしょうか」

年老いたお婆さんが来ると思っていた私は、自分と同年代くらいの、どこにでもい

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私が転職を決めたわけ

私が転職を決めたわけ

私は、今の職場が嫌いなわけではない。かといって好きなわけでもない。

ただ、安定した生活と充実した趣味の時間が欲しくて選んだだけの、妥協の選択だった。

安定は、していると思う。

少なくとも私が定年を迎えるまで、この会社は残っているだろう。

給料も、悪くはない。

この円安物価高にもかかわらず一向に給与を上げる気はないようだが、元々の給与体系がそれなりだったので、すぐに困窮することはない。

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VRで生きています

VRで生きています

 VRで生きています。

 VRの世界で食事がとれるわけではありません。

 VRで生活費を稼いでいるわけでもありません。

 ログイン時間は短いです。

 VR機器をつけたまま眠るなんて、やったこともありません。

 それでも私は、VRで生きています。

 平日の夜、疲れて帰ってきた私は、VRで友人と遊ぶことができます。

 心がしんどい時。暗闇の中、ひとり静かにきれいな月を眺めることができます

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廃墟の街の武者と猫

廃墟の街の武者と猫

夜。それは俺の店が一番騒がしくなる時間帯だ。

鉄くずと漂流物だらけのこの島でも、酒が飲めるところはそれなりにある。だが、労働者向けの安いパブの中では、俺の店が一番繁盛していると自負している。

「マスター! ビール!」
「デカい声で叫ぶんじゃねぇ。聞こえてるよ」
「そりゃ悪かったな! マスターはどこも機械化してねぇフレッシュマンだから、耳も俺たちより悪いんだと思ってたぜ!」
「てめぇらみたいな安

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私の小説、私の色

私の小説、私の色

私の作品には、節操がない。

ヤンデレみたいな恋愛話を書いたと思えば、ほのぼのとした話を書き、かと思えばバトルを入れて、エモい感じのものも書く。

世界観もあっちこっちに飛んでいる。VRC小説は舞台がVRと決まっているが、現代を書いたりサイバーパンク調のものを書いたり、かと思えば剣と魔法のファンタジー世界を書くこともある。

そして、一番書きたい巫女と和風ファンタジーは、書きたいことが多すぎて全然

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伯爵と令嬢は相企む

伯爵と令嬢は相企む

「みなさま、伯爵陛下をご存知ですか。齢19で家督を継ぐと、北に行っては蛮族を討ち、南に行っては呪いを払う。治める領地は常に潤い、町は常に祭りのように賑わっているという、まっこと偉大な名君でございます」

昼下がりの街を目的もなく歩いていると、大広場に人だかりができていることに気がついた。野次馬根性で近づいてみれば、吟遊詩人が語り引きをしているらしい。

しかも歌の内容が伯爵かぁ。

この王国で伯爵

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【メタバースぼくの生き方】ソロ系物書きマンの場合

【メタバースぼくの生き方】ソロ系物書きマンの場合

初めての方ははじめまして。知ってる人はいらっしゃ~い!普段はnoteでVRChat系の小説を書いているレンと申します。

今回は、こちらの企画に参加して、記事を書いております。

私のメタバースライフはひとりでの活動が多いので、ひとりでの楽しみ方を中心に書かせていただきます。

別にいつもぼっちなわけではないデスヨ?

私ってこんな人です。
メタバースライフを語る前に、まずは自己紹介といきましょう

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Vermilionな日々side.デルタフレア

Vermilionな日々side.デルタフレア

「僕って、かなりクールだと思うんだ」
「……デルタちゃん。それマジで言ってる?」

学校からの帰り道。隣を歩く友人に日頃から思っていたことを話すと、なぜか変なものを見るような目を向けられた。

確かに、僕の見た目がクールとは言い切れないのは自覚してる。認めるしかない。
身長は低いし、目つきだって鋭くない。動物を思わせる耳や尻尾を持っているけど、それは可愛いがられる方面にしか役にたってない。

だか

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VERMILIONな日々 sideラムダ

VERMILIONな日々 sideラムダ

アタシ、ラムダにとってお酒はまさに、命の水だ。

喉を焼くアルコールは虚ろな脳を覚醒させ、ほどよい酩酊は現代社会に蔓延るあらゆる不安を忘れさせてくれる。

酔っている間、アタシは無敵になれる。酔っている間だけは、どんな困難にも打ち勝てる気がする。

アルコールがアタシにくれる至福の酩酊こそ、この世で5指に入るほどの宝物だ。

だけど、ひとたび酔いが醒めればーー

「あああ!!レポートが間に合わなー

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あなたの1番になりたくて

あなたの1番になりたくて

「うがーー!聞いてよ紗夜ーー!」
「はいはい。ちゃんと聞くよ。神奈ちゃん」

私こと紗夜は、友達の神奈ちゃんに「相談したいことがある」と言われ、大学近くの喫茶店に来ていた。

といっても、誘った本人はこうして机につっぷしてうめくばかりで、一向に話に入ろうとしない。

こうして神奈ちゃんのうめき声を聞くだけの時間というのも悪くないけど、私もそこまで暇じゃないのよねぇ。

私はため息をつき、神奈ちゃん

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トリートは売り切れ中

トリートは売り切れ中

10月31日は、世間的にハロウィンである。

悪霊から身を守るため、悪霊と同じ衣装に仮装するという風習は、キリスト教圏でない日本でも、都市を中心に賑わいを見せている。

まぁ、一部では主役である子供そっちのけでコスプレイベントじみた雰囲気になりつつあるが、そこはもう日本らしさとして納得する他ないよね。

かくいう私も、そんな日本風ハロウィンを満喫するべく、可愛らしいハロウィン衣装に身を包んでいるわ

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私とコミュニケーションのお話

私とコミュニケーションのお話

人と話すのが、苦手だ。

対面、オンライン、バーチャル関係なく、人と話すということが、どうしようもなく、苦手だ。

今、眼の前にいるその人は、私なんかに時間を取られて、迷惑じゃないか。

面白い話も、楽しい話題も持っていない私なんかが話しても、きっと楽しくないだろう。

そんな事を思いながら、言葉を絞りだしている。

沈黙が、怖い。

きっと退屈なんだろう、そう思ってしまう。私の反応がどこかズレて

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VERMILIONな日々 sideファイ

VERMILIONな日々 sideファイ

「ファイ~。おやつちょうだ~い」
「だ~め。さっき食べたでしょ」
「ファイの作ったお菓子なら何個でもいけちゃう!」
「ありがとう。でもだーめ。残りは妹の分なの」
「ぶ〜、ファイは妹に甘いよねぇ。私もファイの妹になりたーい」

夕日によってオレンジ色に染まった帰り道を、私ことファイは、友達と一緒に下校していた。
友達の手には、さっきまでクッキーを包んでいた袋紙が握られている。試食をお願いしたんだけど

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VERMILIONな日々 sideシィ

VERMILIONな日々 sideシィ

ボクはそわそわしながら、先生の頭上に掛けられた時計を見つめていた。

教壇に立つ先生は、抑揚のない話し方で衣替えの連絡をしているんだけど、今のボクは長袖解禁の時期よりも大事なことで頭がいっぱいになっていた。

他の人よりもちょっと特徴的な、犬や猫みたいな耳が逸るようにぴこぴこと揺れてしまう。

もうちょっと、もう少し……。

時計の長針が12時を指し、学校のあちこちでチャイムの音が鳴り響く。

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