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私が転職を決めたわけ
私は、今の職場が嫌いなわけではない。かといって好きなわけでもない。
ただ、安定した生活と充実した趣味の時間が欲しくて選んだだけの、妥協の選択だった。
安定は、していると思う。
少なくとも私が定年を迎えるまで、この会社は残っているだろう。
給料も、悪くはない。
この円安物価高にもかかわらず一向に給与を上げる気はないようだが、元々の給与体系がそれなりだったので、すぐに困窮することはない。
ただ、相性が悪かった。
社会のためになることだから、もてる全てで答えることが当然という雰囲気。
日本のためになることだから、大変なときこと頑張り続けなければならないという、スタンス。
それはまったくもって正しいし、素晴らしいことだと思う。
滅私奉公は誉れ高く尊ぶべき精神だと思う。
ただ、不真面目な私には、眩しすぎる場所だった。
自分の生活が第一の私には、少し居心地が悪い場所だった。
特に、家では物書きまがいの活動をしながら、子育てに四苦八苦している時には、本当に、大変だった。
仕事の内容も、相性が悪かったのだと思う。
定例業務を着実に、すばやく、小さな改善を加えながら行うことは、得意だ。
けれど新規提案や企画、根回し、人脈形成というのは、とても苦手だった。
私は縁の下でのんびりやりたいが、日の下で働くことを求められる。
それでも、メンタルを病む前であれば、なんとか対応できただろう。
だけど今は、その苦手を抱えたまま定年まで頑張れる自信は、ない。
それ以上に、また調子を崩して迷惑をかける可能性のほうが、はるかに高い。
だから悩んだ。
ここにいて良いのか。ここ以外に生きる場所はないのか。
不安で、苦しくて、大いに迷った。
だけど、生きるのなら、少しでも長く生き続ける気があるなら、私は別の職を見つけなければならないのだと理解し、ようやく、決心がついた。
私は今、働きながら新しい職を探している。
メンタルに不安は残る。
だけど、どんなに調子が悪くてもできた仕事があった。
得意なのかはわからないが、少なくとも、苦手ではない。
業界も変えてみるつもりだ。
興味のない業界よりも、少しでも気になっている業界の方が、まだ、頑張れる気がする。
もちろん、執筆活動を止めるつもりは毛頭ないし、子育ても今と同じように頑張っていくつもりだ。
わがままじゃないかと思っている。
けど、新しい場所を探すなら、そのくらい好きなことを言っても良いのではないか、とも思う。
そんなわけで、私は今、転職活動真っ最中である。
VRや執筆活動をしながらではあるが、まぁ、ほどほどに、頑張る次第である。
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