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小さな県から見た世界

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日本で最も人口の少ない鳥取県に住みながら気づいた地方の暮らしや思い。日々つれづれに綴っています。
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2021年4月の記事一覧

空き家リノベの5ステップ

空き家リノベの5ステップ

昨日は、鳥取市内で空き店舗をリノベーションを手掛けられた方のお話を聞いた。ゲストは”まるにわ”という団体代表の齋藤さん、設計士の谷口さんのお二人。

”まるにわ”では、つい最近マーチングビルという形で市内にあった旧松木ビルをリノベーションされていて、今回は、そのリノベーションに至るまでのストーリーを伺った。私なりにその話を整理してみたい。

1.ゆるい関わりを持つ今回対象となった物件は5階建てで、

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物語のある雑貨屋さん

物語のある雑貨屋さん

鳥取県境港市に「一月と六月」という本・雑貨・ギャラリーとカフェも備えたお店がある。

昨日は境港にあるJAZZ喫茶の記事を書いたので、今日はその続きでこのお店のことをご紹介したい。

「一月と六月」は、ご夫婦でやられていて、それぞれの誕生日にちなんでお店の名前となっているそう。旦那さんの方が主に本のセレクトを、奥さんの方が雑貨、ギャラリー、カフェを担当されているようで、うまく役割分担がされている。

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「ゆたかさのしてん」を読んで得た、“暮らしのなかで働く”視点

「ゆたかさのしてん」を読んで得た、“暮らしのなかで働く”視点

鳥取は、なにもない?日本一人口が少ない都道府県、鳥取。

転勤してから、数えきれないほどの人に「鳥取はなにもないから、つまらないでしょ?」と言われた。その頃はまだ何も知らなくて、曖昧な返事しかできなかった気がする。

かけられた言葉は謙遜なのか、はたまた本気なのか。

どちらにしろ、なんだか悲しかった。

“鳥取はなにもない”と思っているのも、
“なにもないからつまらない”と思っているのも、
本気

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海沿いに佇む写真館

海沿いに佇む写真館

し鳥取に塩谷定行という写真家がいた。

写真愛好家の間では有名な方らしいが、一般の人にはまだ馴染みが薄いかもしれない。

いわゆる芸術写真の先駆け的な存在で、その後の植田正治さんらの系譜に繋がっていく。

思えば鳥取県は、これまでに優れた写真家をたくさん生んできたのだと思うが、やはりその風土や自然環境が影響しているのだろうか。

鳥取に引っ越してきて感じたのは、光の当たり方が独特だなぁということ。

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民芸の器で食事する豊かな時間

民芸の器で食事する豊かな時間

正直、”民芸”というものについてあまりよく知らなかった。

柳宗悦らが始めた運動であるらしい、という曖昧な記憶しかなかったのだけれど、5年前に鳥取に移住してきてから、鳥取県が実は民芸と深い関わりを持つ土地であるということを知った。

柳らと同じ時代に活躍した鳥取県の民芸家の一人が、吉田璋也だ。

その吉田が生み出した有名な器の一つが、この”染分皿”と呼ばれる特徴的な器だ。

以前からこの器で食べた

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国内観光を外国人目線で見直してみる

国内観光を外国人目線で見直してみる

先日、鳥取県東京本部の方と打合せをした際に、インバウンド事業の一環で作成されたという冊子を頂いた。

TOTTORI The Land, The Lives, The Stories

私が頂いたのは紙ベースのものだが、上記の通りウェブでも閲覧が可能だ。

外国人目線で鳥取県を切り取った時に、どういった所に視点がいくのか、とても興味深く勉強になった。

まず意外性のある表紙から。

鳥取といえば

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オススメしたい紅茶

オススメしたい紅茶

これまでそんなに紅茶好きではなかったのだけれど、ここ数年コーヒーがあまり飲めなくなり(飲むとお腹を壊したりしてしまいます。。。)、最近は紅茶にはまっています。

といっても、それほどこだわりがあったわけではなくて、市販のアールグレイなどをよく飲んでいた。

ある時、妻が「”とっとり紅茶”なるものがあるらしいので、買いたい。」と言うので、買って飲んでみた。

これが、おいしい。。。

ちょっと甘みが

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今ここに在ることを感じられる時

今ここに在ることを感じられる時

昨日、今年もこれで最後になるだろうということで、家族で鳥取県内にある鹿野町、鹿野公園まで花見に出かけてきた。

コロナの影響もあって、出店などもなく、それがためにむしろ静かな花見を楽しむことができた。

これまでは、春の桜を見ると、心がワクワクと気持ちが高ぶっていくことが多かったのだけれど、昨日の花見はとても静かで落ち着いた気持ち。

そして、心はこの瞬間を捉えたいという思いに集中していた。

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袋川の桜に癒される朝の時間

袋川の桜に癒される朝の時間

家の近所に袋川という川があり、そこの土手沿いに桜が植えられている。

以前に鳥取に赴任されていた医師が、この土地にお世話になった御礼にということで、数千本の桜を寄贈されたそうだ。

今あるこうした桜並木も、そうした先人の思いの上に見ることができるのだなぁと思うと感慨深い。

私は毎朝この土手沿いをジョギングしている。

距離にすると大体2キロくらいになるかと思うが、ちょうどよい距離感で、桜を見なが

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