バカボンの兄

詩とか旅行記とか駄文とか

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  • バカボンの兄 詩集

    詩の末尾に初稿を書いた年月を付していますが、note投稿にあたり加筆しています。投稿後の加筆もあり得るので、ご了承ください。

  • バカボンの兄 駄文

    つれづれなるままにひくらしスマホにむかいて心にうつりゆくよしなし事をそこはかとなく書きつくっていきます。

  • バカボンの兄 旅行記

    一話完結。読みやすい長さを心がけています。記憶を頼りに、ぽつりぽつり書き足していきます。

記事一覧

タイトル :
本能が蒸発する

バカボンの兄
16時間前
10

詩/魔法

魔法 私は詩人ではないし なんなら 人間ではない 強いて言えば思考だが 思考に実体はないと知れ 見えている光、 色と形に実体はないと知れ 聞こえている音に実体はないと…

18

駄文/ノラ猫を葬った話

当時、新卒で会社を二つ辞めたあと、バイトをかけもちしながら、JR中央線の線路沿い、風呂なし3万円のアパートに住んでいた。 アパートには4世帯入っていて、真上は失業中…

17

駄文/奥行きのクオリア

気が向くと、夜中に瞑想している。 瞑想中は目を閉じている。目を閉じているのに、映像が見えることがある。何も見えていないのに、そこに奥行きがある、とはっきりわかる…

19

駄文/なんだかなぁ/日本人とか外国人とか

外国人が非常に多い地域で暮らしている。ネイティブの日本語を話す人もゴロゴロいる。 * キャンプで使うガス缶を買いに100均へ。 レジ袋は買わなかったので、「(お店の)…

29

旅/ベトナムで偽タクシーの運ちゃんの首を後ろから絞め上げた話

1997年の話。 「詩/フーンズオンホテル」はミトーで書いた。今回はカントーでの話。 カントーへ行く途中、バスを降ろされ、はしけ?フェリー?のようなもので、川を渡っ…

バカボンの兄
4週間前
21

詩/ニルヴァーナ2

ニルヴァーナ2 小学生の頃 カブトムシみたいな車が流行っていて 赤いの見たら死ぬんだよ とか言いながらワイワイやってた 自ら命とのつながりを断つ人が いなくならない…

バカボンの兄
1か月前
26

詩/玉ねぎの命

玉ねぎの命 半欠けにラップした 冷蔵庫の玉ねぎが成長している ちゃぶ台に乗せて観察する 命はどこから来るのか 親から子へとつながっていないと 生命体にならない 命は…

バカボンの兄
1か月前
30

詩/国語の授業

国語の授業 お祭りの準備だろうか あるいは 戦争のしたくか ブルーシートで覆われた歩道が途切れて ふと顔を上げると 妙に世界が黄色っぽい アレ、目が変だ… 不安になる…

バカボンの兄
1か月前
29

詩/バランス

バランス 古着屋で800円で買ったジーンズ 膝から下を切り落として 暑過ぎる夏の ハーフパンツにした 左右の長さが微妙に違うけど バランスなんか気にしてられない 左右の…

バカボンの兄
1か月前
26

詩/明日になったら死のうと決めた

明日になったら死のうと決めた 明日になったら死のうと決めた やり残したことはもうなかった 旅をした 地球一周できなかったけど 気が済むまで旅をした 楽器が弾けるよ…

バカボンの兄
1か月前
27

詩/ニルヴァーナ あるいは 言葉の向こう側へ

ニルヴァーナ あるいは 言葉の向こう側へ 意味について 言葉で伝えようとする その無意味さ、 という意味を生じさせてしまう ジレンマを抱えながらも それでも伝える、を…

バカボンの兄
1か月前
34

詩/原野2

原野2 夢と知りながら 生き残る算段をしてみたが 奴隷労働で 生きているためだけに生きていくのは もう無理だった 突然 重心が消えて 胎盤から零れた 左右のない世界を …

バカボンの兄
2か月前
24

詩/息について

息について 息は 自らの心 と書く 全ての声は吐息に乗る 吐息は 汗や うんこのように 少し前まで肉体の構成要素だった 呼吸、と一言で済ますけれども 吐く息と吸う息は…

バカボンの兄
2か月前
25

詩/コイン

コイン 見えているこの感じ 聞こえているこの感じ 触れているこの感じ この感じの全てが 私だけのクオリアであることから 世界は私の反映である、 それを、世界は私である…

バカボンの兄
2か月前
16

詩/涙

涙 まだ戦争している 人間の持つ人間性に失望している 宇宙全体が一つの神、 あるいは命だと知っているので 人間をこのように運行している神、 あるいは命にも失望してい…

バカボンの兄
2か月前
21

詩/魔法

魔法

私は詩人ではないし
なんなら
人間ではない
強いて言えば思考だが
思考に実体はないと知れ

見えている光、
色と形に実体はないと知れ
聞こえている音に実体はないと知れ
その匂いに実体はないと知れ
その味に実体はないと知れ
その感触に実体はないと知れ
その苦しみに実体はないと知れ

五感が捉えた情報を
脳がそのように解釈しただけだと知れ
そして言葉があなたを苦しめるが
言葉に実体はないと知れ

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駄文/ノラ猫を葬った話

当時、新卒で会社を二つ辞めたあと、バイトをかけもちしながら、JR中央線の線路沿い、風呂なし3万円のアパートに住んでいた。

アパートには4世帯入っていて、真上は失業中のN崎さん、隣りはヒッピー風の3人家族、斜め上の爺さんは、一日中窓から路地を見下ろして、「バカヤロー!!」と叫んでいた。

ある朝、バイトへ行こうとドアを開けようとするのだが、妙にドアが重い。ナニゴト!?と思いながら、ドアをゆっくりと

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駄文/奥行きのクオリア

気が向くと、夜中に瞑想している。
瞑想中は目を閉じている。目を閉じているのに、映像が見えることがある。何も見えていないのに、そこに奥行きがある、とはっきりわかる時もある。
初めて奥行きを感じた時、気づいたことがある。



自分とは、脳を含めたこの体のことで、皮膚によって外界と隔てられている、という二元論によって支配されている、僕ら大多数の世界観は、
この3次元空間は過去から未来へ向かって時間の

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駄文/なんだかなぁ/日本人とか外国人とか

外国人が非常に多い地域で暮らしている。ネイティブの日本語を話す人もゴロゴロいる。



キャンプで使うガス缶を買いに100均へ。
レジ袋は買わなかったので、「(お店の)テープを貼ってください。」と告げると、
「全部ですか!?(キレぎみ)」と言われ、
「はい。」と答える。2本しか買ってないんだが…。

続いてスーパーへ行くと、肉のコーナーに行列ができている。脇を通って前まで行くと、↓こんな感じだっ

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旅/ベトナムで偽タクシーの運ちゃんの首を後ろから絞め上げた話

1997年の話。

「詩/フーンズオンホテル」はミトーで書いた。今回はカントーでの話。

カントーへ行く途中、バスを降ろされ、はしけ?フェリー?のようなもので、川を渡った。カントーでは、その はしけにいた客引きに案内された安宿に泊まった。

この安宿のオーナーがかなり怪しいヤツだったのだが、数日の予定だったし、体調も悪かったので、宿を変えなかったのが失敗だった。

ホーチミンに戻る日の前日に、

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詩/ニルヴァーナ2

ニルヴァーナ2

小学生の頃
カブトムシみたいな車が流行っていて
赤いの見たら死ぬんだよ
とか言いながらワイワイやってた

自ら命とのつながりを断つ人が
いなくならないのは
まさかカブトムシのせいではないけど
どこに潜んだノロイのせいか

猫はそんなふうに死なない
猿だって。
レミングやイルカがそんなふうに死ぬ
という嘘をついたのは人

死神に取り憑かれただとか
ハラキリとか
丈夫な人が熟慮の末と

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詩/玉ねぎの命

玉ねぎの命

半欠けにラップした
冷蔵庫の玉ねぎが成長している
ちゃぶ台に乗せて観察する

命はどこから来るのか

親から子へとつながっていないと
生命体にならない
命はどうやら
玉ねぎの内部から来ている
生命体の裏側に
異次元への扉がある

(あるいは命の影として
投影されているだけの世界)

命はみえない、でも
この身に発現している とわかる
錯覚ではない
これに似たものを
僕は確かに知ってい

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詩/国語の授業

国語の授業

お祭りの準備だろうか
あるいは
戦争のしたくか

ブルーシートで覆われた歩道が途切れて
ふと顔を上げると
妙に世界が黄色っぽい
アレ、目が変だ…
不安になる一歩手前で
補色残像のフィルターだよ
と理解が追いつく
思考が助けになることもあるけど

そうか
うつむいて歩いてたんだ

義務教育を受けていた頃
国語の成績がすこぶる悪かった
問 : 太郎の気持ちを次の中から選びなさい
って聞か

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詩/バランス

バランス

古着屋で800円で買ったジーンズ
膝から下を切り落として
暑過ぎる夏の ハーフパンツにした
左右の長さが微妙に違うけど
バランスなんか気にしてられない
左右の目の開き方も違えば
眉の高さだって違う
そういうもんだ

沿道の 氷の彫刻
完成の一瞬に届かぬままに
溶けていくから詩が流れ出す
丈夫な人で社会をまわして
壊れている人が詩を紡ぐ
そして、

丈夫な人が壊れそうな時に
その詩をさっ

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詩/明日になったら死のうと決めた

明日になったら死のうと決めた

明日になったら死のうと決めた
やり残したことはもうなかった

旅をした
地球一周できなかったけど
気が済むまで旅をした

楽器が弾けるようになった
プロにはなれなかったけど
あきらめることができるまで弾いた

黒帯を取った
弱かったけど弱いなりに
守りたいものがあった

死ぬほど知りたかったこともわかった
それはわからないのだ、
ということがわかった

明日になった

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詩/ニルヴァーナ あるいは 言葉の向こう側へ

ニルヴァーナ あるいは 言葉の向こう側へ

意味について
言葉で伝えようとする その無意味さ、
という意味を生じさせてしまう
ジレンマを抱えながらも
それでも伝える、を選択するのは
そのジレンマが
次元への感受性の未熟さに過ぎないから。

物理的な痛みは
甘んじて受けるしかない
時折襲ってくる、強い恐れも
脳のメカニズムに変調をきたした結果としての表れ
その耐え難きを
道端にうずくまって堪(こら)

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詩/原野2

原野2

夢と知りながら
生き残る算段をしてみたが
奴隷労働で
生きているためだけに生きていくのは
もう無理だった

突然 重心が消えて
胎盤から零れた
左右のない世界を
どこまでも落ちていった
(それとも昇っている?)

自分で決めた方向を見失い
よるべきものが何もない
私の家はどこ?

壁に耳をあて
吐息をさぐるように
息をひそめた深海
その時
最古の聖典よりも古いものが
すっくと立ち上がった

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詩/息について

息について

息は
自らの心 と書く

全ての声は吐息に乗る

吐息は
汗や
うんこのように
少し前まで肉体の構成要素だった

呼吸、と一言で済ますけれども
吐く息と吸う息は
似て非なるもの

息とは
本当は吐息のみを表していて
吸う息は大気だ

その大気に
全ての息ものの吐息が紛れている

かくて肉体を回転扉として
陰は陽に、陽は陰に転じている

2024年6月

詩/コイン

コイン

見えているこの感じ
聞こえているこの感じ
触れているこの感じ
この感じの全てが
私だけのクオリアであることから
世界は私の反映である、
それを、世界は私であるとも言い
世界には私しかいないとも言う
その時
私が私である必要性が消失する

髪の毛の一本一本から
心臓から
思い出から
何から何まで全て与えられた

私すら、
私というこの感じすら
借り物である
その時、

私を嫌いなあなたも同

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詩/涙



まだ戦争している

人間の持つ人間性に失望している
宇宙全体が一つの神、
あるいは命だと知っているので
人間をこのように運行している神、
あるいは命にも失望している
神あるいは命が
自身の性質に失望している
そんな世界の中で
傷つけられて流れた涙の中に、ある時
報復せず
憎しみの連鎖を断たんとする、
辛抱の萌芽を見て
神あるいは命は
自身に初めて希望を持った
たとえそれが
太古の雨の最初の一

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