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「損切丸」-「日銀」編

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「損切丸」が20年以上 ”お付き合い” させて頂いた「日銀」に関するより突っ込んだ記事をご紹介。
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2022年1月の記事一覧

いよいよ「大転換」? 日本も「利上げ」シフトⅡ。 ー  市場の関心は既に「黒田後」へ。

いよいよ「大転換」? 日本も「利上げ」シフトⅡ。 ー  市場の関心は既に「黒田後」へ。

 黒田総裁は頑なに否定している いよいよ大転換? 日本も「利上げ」シフト。 ー 「外債投資」から 円へ「お金」が逆流する可能性。|損切丸|note。だが、既に「アベノミクス」という後ろ盾を失った総裁の立場は日銀内でも微妙に変化しているはずで、 市場の関心は既に「黒田後」に移行している。10年JGB(日本国債)は2021年2月に一度跳ね返された@0.165%を超え、今日(1/31)@0.185%をつ

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物価 ≠ 株価 ≠ 金利上昇Ⅱ。 ー 一躍主役に躍り出た 「金利」。

物価 ≠ 株価 ≠ 金利上昇Ⅱ。 ー 一躍主役に躍り出た 「金利」。

 おかしいのは株価ではない、金利だ!!|損切丸|note が持論の「損切丸」。FRBの利上げ開始で一躍マーケットの主役に躍り出た 「金利」だが、中でも 「株式投資」と「金利」の相関関係。|損切丸|note がクローズアップされている。

 その代表格が「イールドスプレッド」(標題に算式を添付 ↑ )。ここで実例を挙げて説明を試みてみよう。

 1.米S&Pの株価と「イールドスプレッド」の推移

 

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開かれた「金利正常化」への道。ー FOMC@1/26/2021。

開かれた「金利正常化」への道。ー FOMC@1/26/2021。

 さて注目のFOMC。いつも通り声明文の抜粋(原文まま)から。

 上記A.から読み取れるのは3月FOMCでの利上げがほぼ確実になったこと。個人的には "Behind the Curve" (対策が後手後手になること)解消のためには、昨日(1/26)+0.25%利上げもある、と思っていたが、さすがに ”サプライズ” は避けたかったのだろう。ただ市場には3月に+0.50%利上げの思惑が燻っており、筆

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不可思議な「人民元高」と「中国国債金利低下」の同時進行。 ー 「資金繰り」と「儲け」どちらを優先するのか。

不可思議な「人民元高」と「中国国債金利低下」の同時進行。 ー 「資金繰り」と「儲け」どちらを優先するのか。

 「人民元」はまだ金利・為替ともあまり目立たないが、不可思議な状況が同時進行している。「人民元高」と「中国国債金利低下」だ。

 1990年台にUSD/CNY@8.0000近辺の実質固定レートから始まった「人民元」だが、ここへ来て一気に「人民元高」が進み、今日(1/24)は@6.3300割れ。2013年初に付けた@6.0400に向け動き出している。ただ今のところ*為替市場で「ドル買い・人民元売り」

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日本の "トルコ化" (?)

日本の "トルコ化" (?)

 筆者が英系銀行を辞めた2016年当時も「10%を超える高金利!トルコ建債券」を証券会社から購入していた日本の顧客が大勢いたが、今息をしているだろうか(苦笑)。当時トルコリラ円が@33円ぐらいで「2007年には100円ぐらいあったので、そろそろ底値」とでも耳元で囁かれたか。実際は@8円まで暴落し元金の目減りが酷い。こうなると2桁金利も ”焼け石に水” 。「高金利通貨は買い」がいかにデタラメか、わか

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「どうせ戻るでしょ」 相場の終焉Ⅱ。 ー 「引け」の雰囲気の悪さ。

「どうせ戻るでしょ」 相場の終焉Ⅱ。 ー 「引け」の雰囲気の悪さ。

 「ここまで下がるとさすがに戻すか...」

 たまたま早起き(それも凄い早起き。笑)して見ていた1/20のNY株式市場。NYダウも一時+500ドル近く上がり、昨年までなら半ば常識だった「押し目買い戦略」を思い起こさせたが、「引け」の動きが違った。最後の1時間で株価はあれよあれよいう間に下げ、何と終値は▼300ドル以上下落。かなり雰囲気が悪い。ナスダックはこれで年初来▼10%近く下げている。

 

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消えゆく「マイナス金利国債」Ⅳ ー 遂に10年ドイツ国債が "ゼロ" に 。

消えゆく「マイナス金利国債」Ⅳ ー 遂に10年ドイツ国債が "ゼロ" に 。

 消えゆく「マイナス金利国債」 ー 金利の ”パラダイム・シフト” 。|損切丸|note を書いたのが2021.2.26。ほぼ1年ぶりの「悲願達成」(苦笑)。ついにドイツ国債が "ゼロ" に到達した。

 銀行の立場からすると、いくらマーケットで憶測や投機が起きても、政策金利が@▼0.50%でロックされている以上、保有国債をそれ以上の金利で売るのは躊躇される。実際「マイナス金利国債」脱却といっても

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「どうせ戻るでしょ」 相場の終焉。 ー 2年米国債は@1%越え。

「どうせ戻るでしょ」 相場の終焉。 ー 2年米国債は@1%越え。

 「損切丸」が主に担当していた「短期金利」は妄想や妥協を許さない ”リアル” の塊。特にインターバンク(銀行間)は各行の「資金繰り」が激しくぶつかり合う、あまり誤魔化しが効かない世界だ。短期金利に属する1~2年国債は、「利上げ」「利下げ」等金融政策の影響をもろに喰らう。その2年米国債がついに@1%を超えてきた。

 2020年3月「コロナ危機」以降「ゼロ金利」で推移してきたFRBの政策金利が、 ”

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「不良債権」と「通貨高」の狭間。 ー  日本の "バブル崩壊" の教訓。

「不良債権」と「通貨高」の狭間。 ー  日本の "バブル崩壊" の教訓。

 中国 10~12月 GDP(年率)+4.0% 予想 +5.4% 前月 +4.9%
      12月 鉱工業生産 +4.3% 予想 +4.2% 前月 +3.8%
      12月 小売売上高 +1.7% 予想 +3.8% 前月 +3.9%         
     2021年固定資産投資 +4.9% 予想 +5.6% 前年 +5.2%

 1/17 中国人民銀行 
 ・中期貸出制度(MLF)

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いよいよ「大転換」? 日本も「利上げ」シフト。 ー 「外債投資」から 円へ「お金」が逆流する可能性。

いよいよ「大転換」? 日本も「利上げ」シフト。 ー 「外債投資」から 円へ「お金」が逆流する可能性。

 ”1/17・18日の金融政策決定会合を前に日本銀行が、物価目標が2%に達する前に利上げをすることが可能かどうか議論”

 今日(1/14)に日銀の「利上げ」に関して ”観測記事” が出た。丁度 今度は「全部下がる」? "予定調和" の相場。|損切丸|note(1/9)で:

 と書いた直後。特別な情報もないし ”預言” するつもりもないが、なぜかこういうタイミングになる事が多い(苦笑)。5年国債

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「俺たちは "低金利" "過剰流動性" が好きなんだ!」

「俺たちは "低金利" "過剰流動性" が好きなんだ!」

 また ”デジャブ” である。ショート(売り=金利上昇)で突っ込んだ金利市場に2021年の "悪夢" を思い起こさせるような米国債の買い戻し。10年米国債は@1.70%割れと、Conundrum = ”謎” はまだ続く。

 前稿.「利上げ」のアメリカ VS 「利下げ」の中国の "対決" ?。|損切丸|note で書いた歴史的低水準の株価「イールドスプレッド」。特に金利上昇の影響が顕著なナスダック

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「利上げ」のアメリカ VS 「利下げ」の中国の "対決" ?。

「利上げ」のアメリカ VS 「利下げ」の中国の "対決" ?。

 2021年12月CPI(年率) 中国 +1.5% 予想+1.8% 前月+2.3%
     同     アメリカ +7.0% 予想+7.1% 前月+6.8%

 米中で対照的な結果となった12月のCPI。アメリカは+7%に達し、いよいよ「利上げ」モードだが、中国はCPI低下で「利下げ」気運が浮上。

 指標の真偽は別として(統計不正が問題になっている日本が言えた義理ではないが)、これを機に中国で

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消えゆく「マイナス金利国債」Ⅲ ー 「3度目の正直」? 欧州国債がマイナス金利脱却へ 。

消えゆく「マイナス金利国債」Ⅲ ー 「3度目の正直」? 欧州国債がマイナス金利脱却へ 。

 消えゆく「マイナス金利国債」Ⅱ ー マーケットを追認する「金利上昇」 。|損切丸|note シリーズ。今度こそ「3度目の正直」なるか。記憶する限り、この3年でスイスの10年国債0%を見るのは初めてで、ドイツも▼0.03%とあと一歩に迫った。

 アメリカの背中を追い始めたヨーロッパ。 ー 「利上げ」は先行実施。|損切丸|note でも触れたが、バイトマン・ブンデスバンク総裁のECB理事辞任(昨年

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今度は「全部下がる」? "予定調和" の相場。

今度は「全部下がる」? "予定調和" の相場。

 2021年12月 米失業率 3.9% 予想 4.1% 前月 4.2%
 非農業部門雇用者数 +19.9万人 予想+45万人 前月 +24.9万人←+21万人
 平均時給 前月比 +0.6% 前年比+4.7% 前月 +0.4%、+5.1%

 「予想を大きく下回る非農業部門雇用者数(NFP、Non-firm Payrolls)」

 こういう経済ニュースのヘッドラインを見て違和感を覚えたのは筆者だ

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