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いよいよ「大転換」? 日本も「利上げ」シフト。 ー 「外債投資」から 円へ「お金」が逆流する可能性。

 ”1/17・18日の金融政策決定会合を前に日本銀行が、物価目標が2%に達する前に利上げをすることが可能かどうか議論”

 今日(1/14)に日銀の「利上げ」に関して ”観測記事” が出た。丁度 今度は「全部下がる」? "予定調和" の相場。|損切丸|note(1/9)で:

 ”正直黒田総裁体制で本当に「利上げ」出来るかは甚だ疑問~総裁が退任を前倒しすれば別だが、任期の2023年4月まで「円安」は待ってくれない

 と書いた直後。特別な情報もないし ”預言” するつもりもないが、なぜかこういうタイミングになる事が多い(苦笑)。5年国債は一時▼0.015%とゼロに接近し、日本も 消えゆく「マイナス金利国債」Ⅲ ー 「3度目の正直」? 欧州国債がマイナス金利脱却へ 。|損切丸|note の列に加わる。

 FXもフイをつかれ、ドル円は一気に@113円台へ下落@118~120円目指しで円を売っていた向きは振り落とされた恰好だ。「話を良く聞く」首相と「悪い円安」について話が通じているのだろう。今のところ政治問題は噴出していないが「アベノミクス政権」との暗闘が想像できる。*株、FX、JGBなどの反応を探るためのとりあえずの ”観測気球” といったところだ。

 *「日経平均だけ大きく売られている」というような "怒りの声" も聞こえてくるが、為替レートを加味した「ドル建日経平均」は実はそれほど下げていない(▼1%程)プラス圏で推移する欧州株には及ばないが、▼5%以上売られているナスダックや▼4%近い中国株よりは "好成績" だ。

 ここでいわゆる ”Market Mover” (市場を動かす要因)として気をつけなければいけないのは 「過剰流動性」の震源地「日本」。 ー ばらまかれた「円」の行方。|損切丸|note 。 財務省統計の「対外証券投資」によれば、居住者(日本人)による「外貨投資」1996~2020(25年間)で:

 実に381兆円!!。そのうち約半分がドル建と推計される ↓ 。

 この400兆円近い「外債投資」故に、日本の投資家は "鯨" と呼ばれるリーマンショック(2008)前の "主役" は銀行、生保、系統金融機関の「ヘッジ付外債」為替直先/通貨スワップを用いて為替リスクを取っていなかったため「ドル円」などFXに対して脅威ではなかったが、近年 "主役" が交代2014年以降の統計では9割近くを「投資信託」と思しき買いが占めている

 個人投資家から集めた「お金」がメインなら、そのほとんどは為替リスクを負っているはず。つまり直近7年間で投資された100兆円近くは「円売り」ヘッジファンドも真っ青の「リスクテイク」「円安」も起きようというもの金利上昇による債券価格下落で損失が出ても、為替で10円近く勝っていればおそらくネットでは「儲け」「円安」で結構良い思いをした人もいたということだ(本当に勝っている人は吹聴したりしない)。

 日本人が円から換えたドルは ”フリーマネー” としてドル投資家に渡る。彼らは物価上昇率を下回る金利に投資するのは「損」と判断するため、これを株等のリスク資産に再投資100兆円単位の ”フリーマネー” のインパクトは凄まじく、近年の米株価高騰の原動力になった

 ここまで書くと勘の良い読者はお気付きだろう。そう、日銀の「利上げ」シフトは単なる日本の出来事に留まらず、マーケット全体の資金フローに影響を及ぼす日本人による巨額の「外債投資」を「鯨スキーム」 ↓ と名付けたが、日銀の「利上げ」はこれまで「より高い金利」を求めて円 → ドルに流れていた「お金」を逆流させる可能性がある

 「損切丸」の推定が正しければ、「円金利」の正常化は、今までの「円安+米株高」から「円高+米株安」へ100兆円単位の反転を引き起こす。最近は何かと「衰える日本」の論調が強まっているが、**マーケットでの「日本」「円」の存在感は我々日本人が思っているより大きい”観測記事” だけでドル円が▼1円以上も動くのも当然。だから "鯨" なのである。

 **円コール市場では通常100億円ロットで取引され、50億円以下の取引は少ない。10~50百万ドル( ≓ 11~55億円)中心のドル資金市場より取引金額が大きいJGB vs 米国債然りである。

  "優秀な" 日銀スタッフのこと、この程度の理屈は十分認識している。果たして「利上げ」をやり遂げることができるのかハードルは思いのほか高い2022年前半に日銀の「利上げ」が実現するとは思わないが、今回の ”観測記事” 同様、「可能性」が示されるだけでマーケットは過剰なほど反応するだろう。万が一にも株価暴落の引金を引かないよう願うばかりだ。

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