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本や映画のおはなし

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大好きな本や映画、作品にまつわる「人」のお話。
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#わたしとポッドキャスト

祝!本屋大賞を受賞した韓国小説と作家たち

祝!本屋大賞を受賞した韓国小説と作家たち

 ポッドキャスト第41回、配信しました。

 今回は先日発表された「本屋大賞」の翻訳小説部門で、韓国の小説が1位と3位に選ばれたというニュースを受けて、私が最近読んだ小説『不便なコンビニ』や『アーモンド』にまつわるお話をしています。今回大賞を受賞された『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』については、過去の配信やnoteの記事をご参照ください。

 作家さんたちがどういう場所や環境で作品を生み出しているの

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韓国と縁深い役者たち ~上野樹里、三浦春馬〜

韓国と縁深い役者たち ~上野樹里、三浦春馬〜

 7月7日の七夕になると、毎年思い出す大切な映画があります。それは、亡き佐々部清監督の作品『チルソクの夏』(2004年公開)。

1970年代の山口県下関市と韓国・釜山を舞台に、関釜陸上競技大会を通して出会った日韓の高校生の淡い恋や友情が描かれています。

▲映画『チルソクの夏』予告編。(予告編を見ただけで泣けてくる)

 この映画に出演していた上野樹里さんは2006年、ドラマ『のだめカンタービレ

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韓国の嫁・姑・舅事情① ~漫画『ミョヌラギ』より~

韓国の嫁・姑・舅事情① ~漫画『ミョヌラギ』より~

 今から数年前、子どもを産んで間もない頃だったでしょうか。『ミョヌラギ(며느라기)』というWEB漫画の存在を知りました。書籍化されたものを読もうと思いながら、機会を逃してはや数年。前回の記事で紹介したソウル国際図書展で『ミョヌラギ』作者のブースを見つけたこときっかけに、やっと手に取り読んでみました。

 このタイトルが意味する通り、漫画『ミョヌラギ』では、韓国で嫁(며느리)という立場になった人の多

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「いいかげんなイタリア生活」と日韓のルッキズム

「いいかげんなイタリア生活」と日韓のルッキズム

 ルッキズムとは〝見た目の良し悪しで人の価値をはかること〟で、日本では外見至上主義と言われていますよね。

 日本で暮らしていた時は「もうちょっと痩せたらいいのに」、「化粧ちゃんとしたら?」、「よく二の腕出せるね」などと身近な人に言われたり、人と会った時に頭の上から足の先まで舐めるようにチェックされることがよくありましたが、韓国でも身内から「太った?」とか「皮膚科行ったら?」と容姿について時々言及

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続ける勇気がわいてくる。韓国映画『不思議の国の数学者』

続ける勇気がわいてくる。韓国映画『不思議の国の数学者』

 20~30代半ばまでは、映画館で映画を観ることが大好きでした。大学時代の後半を過ごした札幌では講義をさぼったり、さぼらなかったりしながら、「シアターキノ」や、今はなき名画座「蠍座」によく通ったものです。

 関西に戻ってからは、神戸の「元町映画館」や「シネリーブル神戸」に足繁く通ったり、神戸100年映画祭で過去の貴重な名作を大スクリーンで鑑賞したり。大阪の「シアターセブン」「シネリーブル梅田」「

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