乃井万nosuke

元々理系脳なのに文系畑に進んだ空想系塾講師です。 昔からの夢だった物書きを中心として自…

乃井万nosuke

元々理系脳なのに文系畑に進んだ空想系塾講師です。 昔からの夢だった物書きを中心として自己表現をしたいと思います。精神年齢小〜中学生くらいなので、気軽に絡んで下さい😄 個別指導の塾講師として20年以上、1000人を超える生徒と1対1で接してきたお笑い好き人間です。

マガジン

  • 古蓮町物語

    2000字前後の1回読み切り集です。 でも実はストーリーがつながったりしています。

  • ツッコミ神様見聞録

    1話1000字以下の4コマ小説?です

  • 世界と世界をつなぐもの

    一記事2000字前後です。創作大賞に挑戦しよう!と思って、人生で初めて仕上げた小説です。読んでもらえると嬉しいです。

記事一覧

【連載小説】「結局たすきは振り回される」第1話

「吹部辞めます」  音楽室に響き渡る声で、阿佐瑞歩は唐突に叫んだ。  吹奏楽部の部活中に、である。  楽器の準備などをしていた部員の視線が瑞歩に集まる。  ———…

乃井万nosuke
18分前
3

【美術2が必死に作成 #うちの子かわいいでしょ?】「ドアノブ犬」

 名前 ノンちゃん  ドアノブが好き過ぎて、ノブになったワンちゃん。  画力は置いといて、ネタ的にどうでしょう?笑  ちなみに、モデルはウチの犬です↓  今14歳…

12

【詩 #シロクマ文芸部】「私月投影」

今朝の月が映す我が身 我が身の陰は今朝の月 これから欠けゆく運命は この身の先を映し出す 光る時は鳴りをひそめ 輝く時は失われゆく 栄華を極めた隆盛も いつしか翳り…

13

【300字エッセイ】それを足さないと男じゃない気がした

 私の中にある奇妙な男気が、テストの成績を36点落とす結果となったことがある。  中学一年生の一学期期末テストだった。  私に一つの迷いが生じる。  これは………

8

【500字エッセイ】『普通のこと』は三日坊主を解消するはずだった

 学生時代、2つ上の先輩で、ある競技で全国ベスト16になった人がいた。  すごく気さくな楽しい先輩で、自分の自慢話などはまったくしない人だった。  その先輩がある日…

3

【ショートショート】「この町の秘密」〜古蓮町物語シリーズ 11〜

 僕は見てしまった。  この町の秘密を。  この町は様々な目で監視されている。  夜になると、監視の目が光り始める。  おそらく昼間もあの目はあるのだろう。明るい…

3

【毎週ショートショートnote】黒幕甲子園

 我が校伝統の『会長甲子園』が始まる。   生徒会長をトーナメントで決めるもので、1回戦はクラス代表選だ。  だが会長候補は傀儡に過ぎない。必ず裏にドンがいる。 …

12

【ショートショート】「最高の言葉」〜古蓮町物語シリーズ⑩〜

 玄関で飼っている金魚。  子供神輿作りに出かけるとき、去年より数段大きくなったそいつは、心の底にある俺の大切な記憶を蘇らせた。  その子の名前は雪那。  去年の…

10

休み明けでもギリハッピー?な写真

この時を狙っていました! 揃った瞬間に車を止めてパシャッ。 お盆休みも終わり、心機一転頑張るぞ〜❗️ ご覧頂いた方もギリハッピー?😆

8

【詩 #シロクマ文芸部】「永遠の花火」

 花火と手を合わせてみた  僕の手は花火の代わりになれないかな  みんなの手も花火の代わりになれないかな  みんなが見上げる夜空のきらめき  目を奪われる光の芸術…

乃井万nosuke
10日前
21

【500字エッセイ】「秘密基地の味」

 子供の頃、夏休みになると家の長屋(倉庫)には必ず200ml瓶の三ツ矢サイダーがケースでストックされていた。お中元を持ってきたり、お盆に来たりするお客さんをもてなすた…

乃井万nosuke
10日前
15

【500字エッセイ】初アメリカで日本風の……

 20代半ばの頃に行ったアメリカフロリダ。  ウォルトディズニーワールドへの旅。  初めての海外旅行ということもあり、印象に残っている旅No.1だ。  その中でも、最…

乃井万nosuke
11日前
18

【500字エッセイ】恥ずかしい言い間違い

 学生時代のこと。  女の子の前に行くと、なぜか気取った仕草になって、カッコつけた言い方をするヤツがいた。  そいつとマクドナルドに行って注文した時にそれは起こっ…

乃井万nosuke
11日前
6

【1000字小説】「スイカの種飛ばし競争」〜古蓮町物語シリーズ⑨〜

 ボクはみんなの嫌われ者。  いつだってみんなに疎まれ、邪魔にされ、捨てられて。決してみんなの輪に入ることはない。  でも今日はボクがメインだ。 「リューチン、…

乃井万nosuke
12日前
6

【300字心霊体験談】「いつもの道で」

 小学生の頃でした。  夢の中で私は夕方に、いつもの道を1人で歩いていました。  すると後ろから、この世のものではない黒い影が私を追ってくるのです。  捕まる! …

乃井万nosuke
12日前
6

【ショートショート】「紫が彩る道」〜古蓮町物語シリーズ⑧〜

『みーちゃんは花畑を探す名人だ』  大和が言っていた。  クワンソウの花畑もあの子が見つけたらしい。  この街に来て1年。ずっと探している。  必ずあるはずの道。…

乃井万nosuke
12日前
4
【連載小説】「結局たすきは振り回される」第1話

【連載小説】「結局たすきは振り回される」第1話

「吹部辞めます」
 音楽室に響き渡る声で、阿佐瑞歩は唐突に叫んだ。
 吹奏楽部の部活中に、である。
 楽器の準備などをしていた部員の視線が瑞歩に集まる。

 ———はぁぁぁ?

 隣にいた私、沼上翼希は目が飛び出るくらい瑞歩をガン見して、心で奇声を発した。
 瑞歩はいつもそうだ。
 急に思いついたかのように言葉を発し、それを実行する。
 それがまさか、ここで出現するとは思いもよらなかったが。

 

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【美術2が必死に作成 #うちの子かわいいでしょ?】「ドアノブ犬」

【美術2が必死に作成 #うちの子かわいいでしょ?】「ドアノブ犬」

 名前 ノンちゃん

 ドアノブが好き過ぎて、ノブになったワンちゃん。

 画力は置いといて、ネタ的にどうでしょう?笑

 ちなみに、モデルはウチの犬です↓

 今14歳です。
 実は乳がんを抱えていて、毎日薬を飲み、傷口を処置しています。
 でもメッチャ元気😀
 高齢に見えない童顔が魅力です♪

 手術をすることは不可能だそうで、対症療法をするしかないようです。

 もしかしたら、一緒にいれる

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【詩 #シロクマ文芸部】「私月投影」

【詩 #シロクマ文芸部】「私月投影」

今朝の月が映す我が身
我が身の陰は今朝の月

これから欠けゆく運命は
この身の先を映し出す

光る時は鳴りをひそめ
輝く時は失われゆく

栄華を極めた隆盛も
いつしか翳りが見えてくる
それでも幕引きなどではない

光をなくし
路頭に迷い
すべてが失われたとしても

終わりを意味するのではなく
これから生まれる始まりを表す

何も見えず
闇に閉ざされ
目前に最期があるとしても

死を意味するのではな

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【300字エッセイ】それを足さないと男じゃない気がした

【300字エッセイ】それを足さないと男じゃない気がした

 私の中にある奇妙な男気が、テストの成績を36点落とす結果となったことがある。

 中学一年生の一学期期末テストだった。
 私に一つの迷いが生じる。

 これは……足すのか?

 当然、答えはこのまま『5x+3』である。
 しかし、この日の私は迷った。

 これを足さないと男じゃない気がした。

 もしかしたら間違っているかもしれない。

 しかし、

これを足さないで間違ったとしたら、俺は一生後

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【500字エッセイ】『普通のこと』は三日坊主を解消するはずだった

【500字エッセイ】『普通のこと』は三日坊主を解消するはずだった

 学生時代、2つ上の先輩で、ある競技で全国ベスト16になった人がいた。
 すごく気さくな楽しい先輩で、自分の自慢話などはまったくしない人だった。
 その先輩がある日、1人で自主練していたのを見た。恐らく毎日やっているのだろう。

 しかし、1人で練習なんて、私ならすぐやめてしまうに違いない。
 だから聞いてみた。
「毎日自主練するのって辛くないですか?」
 それに対して先輩は、
「え、なんで?普通

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【ショートショート】「この町の秘密」〜古蓮町物語シリーズ 11〜

【ショートショート】「この町の秘密」〜古蓮町物語シリーズ 11〜

 僕は見てしまった。
 この町の秘密を。

 この町は様々な目で監視されている。
 夜になると、監視の目が光り始める。

 おそらく昼間もあの目はあるのだろう。明るいから気付かないだけだ。

 この事実を知ったのは単なる偶然だった。
 子供神輿作りから帰る途中、傘を忘れたことに気付いて集会所へ戻った。再び帰路についた時には辺りは暗くなり始めていた。

 ———早く帰らないと。

 僕は歩を速めた。

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【毎週ショートショートnote】黒幕甲子園

【毎週ショートショートnote】黒幕甲子園

 我が校伝統の『会長甲子園』が始まる。 
 生徒会長をトーナメントで決めるもので、1回戦はクラス代表選だ。

 だが会長候補は傀儡に過ぎない。必ず裏にドンがいる。
 だから陰では『黒幕甲子園』と呼ばれている。
 候補者が会長になることで誰が甘い蜜を吸えるのか。

 黒幕達の熱い夏が始まる。

 俺が立てた候補者は、成績も運動も中の下。特別取り柄もない奴。
 ここまで来るのに長い月日を費やした。

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【ショートショート】「最高の言葉」〜古蓮町物語シリーズ⑩〜

【ショートショート】「最高の言葉」〜古蓮町物語シリーズ⑩〜

 玄関で飼っている金魚。
 子供神輿作りに出かけるとき、去年より数段大きくなったそいつは、心の底にある俺の大切な記憶を蘇らせた。

 その子の名前は雪那。
 去年の夏休みが始まった頃、俺たちはほぼ同じタイミングでこの町にやって来た。

「来たばかりで何もわかんねーんだよな」
 俺が言った言葉に雪那はこう返した。
「私も来たばかり。一緒だね」
 肩にかかりそうなサラサラした黒髪が揺れていた。黒目がち

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休み明けでもギリハッピー?な写真

休み明けでもギリハッピー?な写真

この時を狙っていました!
揃った瞬間に車を止めてパシャッ。
お盆休みも終わり、心機一転頑張るぞ〜❗️

ご覧頂いた方もギリハッピー?😆

【詩 #シロクマ文芸部】「永遠の花火」

【詩 #シロクマ文芸部】「永遠の花火」

 花火と手を合わせてみた

 僕の手は花火の代わりになれないかな
 みんなの手も花火の代わりになれないかな

 みんなが見上げる夜空のきらめき
 目を奪われる光の芸術

 同じ花火は一つもない
 丹精込めた無二の存在
 魂注いだ唯一の存在

 そんな花火だからこそ
 みんな心が動かされる
 人間だってそうかもしれない

 同じ人は誰もいない
 悩んで迷う無二の存在
 誰もが誰かの唯一の存在

 一

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【500字エッセイ】「秘密基地の味」

【500字エッセイ】「秘密基地の味」

 子供の頃、夏休みになると家の長屋(倉庫)には必ず200ml瓶の三ツ矢サイダーがケースでストックされていた。お中元を持ってきたり、お盆に来たりするお客さんをもてなすためのものだったが、私はよく目を盗んで飲んでいた。

 もちろん、冷蔵庫でキンキンに冷えたものが美味しいのは当然だ。その当時だって間違いなくその方が美味しいのは知っていた。

 しかし当時の私にとって、隠れて飲む、ぬるい三ツ矢サイダーは

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【500字エッセイ】初アメリカで日本風の……

【500字エッセイ】初アメリカで日本風の……

 20代半ばの頃に行ったアメリカフロリダ。
 ウォルトディズニーワールドへの旅。
 初めての海外旅行ということもあり、印象に残っている旅No.1だ。
 その中でも、最も強く残っている思い出について話そうと思う。

 『エプコット』というテーマパーク内にあった『日本館』でのことである。
 "Kakigoori"と書いてある屋台があった。

「かき氷!食べよっか!」
 数日ぶりに味わう日本的なスイーツ

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【500字エッセイ】恥ずかしい言い間違い

【500字エッセイ】恥ずかしい言い間違い

 学生時代のこと。
 女の子の前に行くと、なぜか気取った仕草になって、カッコつけた言い方をするヤツがいた。
 そいつとマクドナルドに行って注文した時にそれは起こってしまったのである。

 レジはアルバイトの女子のようだ。
 すると、そいつはまた気取りだした。
 斜に構えて、斜め45°を意識している。

 ———需要ねーわ。

 私は呆れていた。

 そしてそいつはカッコつけて注文した。

「ビック

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【1000字小説】「スイカの種飛ばし競争」〜古蓮町物語シリーズ⑨〜

【1000字小説】「スイカの種飛ばし競争」〜古蓮町物語シリーズ⑨〜

 ボクはみんなの嫌われ者。

 いつだってみんなに疎まれ、邪魔にされ、捨てられて。決してみんなの輪に入ることはない。

 でも今日はボクがメインだ。

「リューチン、頑張って!」
 暗闇の中、女の子の声が聞こえる。
 大きな縦揺れ。
 そして勢いよくボクは外へ弾き出された。

 太陽の光がキラキラ輝いていた。
「おお!すげぇ!」
 男の子の声が聞こえたとき、ボクは着地した。
 コロコロと2、3回転

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【300字心霊体験談】「いつもの道で」

【300字心霊体験談】「いつもの道で」

 小学生の頃でした。
 夢の中で私は夕方に、いつもの道を1人で歩いていました。
 すると後ろから、この世のものではない黒い影が私を追ってくるのです。

 捕まる!

 そう思った瞬間、目が覚めました。

 すごく怖かったのを覚えています。

 それから数日後の夕方、いつもの道を1人で歩いていました。
 夢で見たのと同じ状況です。

 怖くなって後ろを見ました。

 するとそこには……

 この世の

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【ショートショート】「紫が彩る道」〜古蓮町物語シリーズ⑧〜

【ショートショート】「紫が彩る道」〜古蓮町物語シリーズ⑧〜

『みーちゃんは花畑を探す名人だ』
 大和が言っていた。
 クワンソウの花畑もあの子が見つけたらしい。

 この街に来て1年。ずっと探している。
 必ずあるはずの道。そしてその先にあるはずの花。あの子なら見つけられるかもしれない。
 私たちが探しているあの花を。

 午前中は集会所で夏祭りの準備をしていた。みーちゃんも子供神輿を作りに来ていたので、それとなく私の探している道の話をした。

「夏のこの

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