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「学校非公認 R駅伝部」あらすじ
「一緒に駅伝やろうぜ」
あの日聞いたその言葉が少年を変え、R駅伝部へと誘った。R駅伝部は学校に知られていない言わば裏部活だったが、少年にとってはどうでも良かった。あの人と走りたい。その一心だった。
R駅伝部はスカウト制で、スカウトされていない少年は本来入部できない。特別に入部を許可するための条件が提示されるが、それは少年にとって厳しいものだった。それでもがむしゃらにクリアを目指すが…。
学校
「学校非公認 R駅伝部」第3話
とうとうその日が来た。
仮入部から1カ月。1500mTTで5分30秒台を出す!
この1ヵ月、やれるだけのことはやった。
スタミナをつけるために毎日たくさん走った。何度もみんなのペースと同じ速さで練習を重ねて体に刷り込んだ。1500m全部をあのペースで走ることは今の段階では無理かもしれない。でも、俺の目標タイムは5分30秒台。みんなのペースより1分くらい遅くていいんだ。それならいける気がする
「学校非公認 R駅伝部」第2話
思い思いの準備をして、みんなスタートの場所に集まった。
「一斉にスタートするぞー。ラップは1秒ごとに読み上げていくから各自確認すること。」
「はい!」
「了解ッス。」
「御意!」
伊坂の指示に、手を上げるだけ、うなずくだけの返事も含めてそれぞれが応答した。かなり自由な環境で練習していることがうかがえる。
みんな一列に並んだ。
直進もその中で静かに号令を待った。
「ヨーイ、スタート!」
そ
「学校非公認 R駅伝部」第1話
例えて言うならそれは「黒い弾丸」だった。
黒いユニフォームで大きい選手達の間を駆け抜けて行く小さい弾丸。
あの日、それを目撃したことが1人の少年の人生を全く違うものに変えていった。
夏の日照りと暑さが続いているのに、名目上「秋」を名乗っている9月上旬のある日のことだった。
「お母さんの友達の息子が出るから」という理由だけで、少年は学校を休んで行った皮膚科の帰り道に、中学校駅伝大会の応援に