【300字エッセイ】それを足さないと男じゃない気がした
私の中にある奇妙な男気が、テストの成績を36点落とす結果となったことがある。
中学一年生の一学期期末テストだった。
私に一つの迷いが生じる。
これは……足すのか?
当然、答えはこのまま『5x+3』である。
しかし、この日の私は迷った。
これを足さないと男じゃない気がした。
もしかしたら間違っているかもしれない。
しかし、
これを足さないで間違ったとしたら、俺は一生後悔する!
そんな訳のわからない使命感と決心によって、答えを『8x』にしてしまった。
同種の問題はすべてそうした。
結果、私はこの回のテストで36点を失うこととなった。
そして、今でもこうして思い出すように、
私は『足したこと』を一生後悔する
ことになるのだった。
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