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ヨガインストラクターのための指導ポイント

ヨガ指導におけるヒントや有益な知識情報をお伝えします。特にヨガの解剖学や安全安心な指導への情報を中心にお送りします。
ヨガの解剖学の第一人者直伝のヨガ指導のポイントをお伝えします。他ではあまり伝えない内容もここではお…
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【マガジン】アーサナはヴィ一パーサナ瞑想と思うと合点がいく

【マガジン】アーサナはヴィ一パーサナ瞑想と思うと合点がいく

多くのヨガ愛好家はアーサナはフィットネスだと思っている人がほとんどでしょう。
心肺機能を高めて、筋力をつけ、柔軟性を高める。
じゃぁストレッチや筋トレと何が違うの?というツッコミはしないでおきますが、そこにちょっとした瞑想や呼吸法を入れて、さも東洋の神秘をやっていますという感じが日本のヨガの殆どでしょう。

本来は、ヨガの目標といえば心の調整であり、苦しみの除去なわけです。
もちろん悟りや解脱が最

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【マガジン】有限な時間をヨガに費やす価値とは?

【マガジン】有限な時間をヨガに費やす価値とは?

ヨガの実践となると、ポーズ(アーサナ)を取る時間が圧倒的に多いと思います。
ポーズの練習よりも瞑想の方が長いという人は少ないでしょう。
浄化法を習慣にしてる人も、呼吸法の時間を日常でとっている人も少数派でしょう。
身体は分かりやすいですし、効果もすぐ感じれるので実践としては確かに最適だと思います。

講義などでこのアーサナの取り方をお伝えすることが多いのですが、その中で参加者の方によく問うのは、ア

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【マガジン】古典文献のアーサナの効果は何が記されているのか?

【マガジン】古典文献のアーサナの効果は何が記されているのか?

アーサナは生物の数ほどあるといわれています。
要は凄くたくさんということですね。
インドでは84という数字が縁起がいいようで、書物によっては8400万あるとかいわれています(G.S.)。

アーサナについて解説してある古典文献は、ハタプラディピカーで18種、ゲーランダサンヒターで32種、シヴァサンヒターで4種です。
ゲーランダサンヒターでは8432種のアーサナが特に効果があり、その中から32種を解

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【マガジン】哲学とヨガ実践の違い

【マガジン】哲学とヨガ実践の違い

インドには六派哲学という学派が存在します。

有名なところですと、二元論を想定するサーンキャ学派。
またそこから波及し、ラージャヨガーの背景となっているヨーガ学派。
さらにはハタヨガの背景であるヴェーダ学派でしょうか。

その他にもミーマーンサ学派、ニヤーヤ学派、ヴァイシェーシカ学派があります。
これらは哲学ですから、世界をどう捉えて、人間がどう関わればいいかを解説している存在です。

ヨガはこれ

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【マガジン】ニードは人によって異なるから色々なヨガが存在する

【マガジン】ニードは人によって異なるから色々なヨガが存在する

ヨガと一言で表そうとすると、古典的には「悟りや解脱を目標とした修行体系」ですが、近代的には「ストレス発散やマインドフルな状態を作って心身を健康的に保つ方法」みたいな感じでしょうか。

だいぶ二つの印象は異なります。
同じヨガでも、古典と近代ではヨガの表現の仕方というか、目的が変わってきています。
本家のインドでも、都市部では近代的なフィットネスヨガが流行っているとも聞きます。
ヒマラヤでは、出家し

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【マガジン】大殿筋でお尻を締めるのがなぜいけないのか〜剪断力〜

【マガジン】大殿筋でお尻を締めるのがなぜいけないのか〜剪断力〜

先日クラスで、ブジャンガーサナなどの伸展系の取る時に大殿筋を使わない方がいい理由を教えてくださいと質問がありました。
そこでも解説したのですが、大殿筋で腰を守ると教わっている方もいるようなので、この概念はしっかりと押さえて欲しいところなので、このブログでも解説します。

キーワードは「剪断力」です。

【マガジン】生徒さんからの質問に対するヨガインストラクターの実態調査(R2.5.)

【マガジン】生徒さんからの質問に対するヨガインストラクターの実態調査(R2.5.)

だいぶ時間が空いてしまいましたが、以前実施したアンケート結果を公表していなかったので、公表します。

日時:令和2年5月
アンケート実施方法:FBやSNSで募集しGoogleフォームにて回答いただいた
回答件数:31名

以下属性と、質問の回答です。

ここまでをまとめると、回答してくれたのは30代から50代の主に女性のインストラクターの方で、指導経験は5年前後で、生徒さんからの質問は多いという結

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【マガジン】「反り腰」のこと本当に理解していますか?

【マガジン】「反り腰」のこと本当に理解していますか?

ヨガの先生に反り腰といわれたのですが、、、どうしたらいいですか?と相談してくる方少なくありません。
反り腰改善のためのヨガ!という動画やら書き物も多いですね。

反り腰は医学用語では「過前弯」といいます。
腰部の「過剰な前弯」という意味ですね。
そもそも、腰部は正常でも前弯していますので、まず前弯がいけないというのは大きな間違い、勘違いになるので注意して下さい。
腰が反っているのがイコール異常では

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【マガジン】ヨガの危険性

【マガジン】ヨガの危険性

ヨガは素晴らしい!それは間違いありません。
リラックスできる、体が柔軟になる、物事を客観的に見れるようになる、、、いいことがたくさんあります。
だから僕も夢中になりましたし、多くの方に伝えたいとも思って活動しています。
ただ、何事にも危険性というは存在しているもので、ヨガも例外ではないということは時々指摘しなくてはいけないなと思っています。

まずは、誇大広告ならぬ誇大解釈ができてしまうため、見え

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【マガジン】ヨガの心理学

【マガジン】ヨガの心理学

アーサナアナトミカルアプローチという安全で効果的なアーサナの取り方をまとめたものを展開しているのですが、アーサナからもっとその先にということで、ヨガが本来目的としている心の制御という点にフォーカスを当てて「ヨガの心理学」と銘打って今手帳をまとめています。

おおかたはまとめ終わって、これから校正と印刷に取り掛かるのですが、結構な時間を割いてきたので、そのまとめている中で感じたことを手帳では書ききれ

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【マガジン】エセ医学ヨガが出てきてしまうメカニズム

【マガジン】エセ医学ヨガが出てきてしまうメカニズム

側弯症のためのヨガとかいうのは昔からあります。
医療者でかつ側弯症の専門家としては、こういう風潮は由々しき事なのですが、、、。
こういうエセ医学的なものが出てきてしまうメカニズムを今回は考察してみたいと思います。

その前にひとつ言っておきたいのは、エセ医学をしている本人たちは悪気はないですし、いい人たちだという事です。
人の役に立ちたいという善意からだと思います。
だからこそ難しいところがあって

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【マガジン】素人にはわからないから修行なのだけれど素人にも伝えたいから難しいヨガ

【マガジン】素人にはわからないから修行なのだけれど素人にも伝えたいから難しいヨガ

ヨガは元々は出家者のための修行法であり、それがカルマヨガなどで一般庶民にも広まったのは後の話。
ヨガの修行法が密教の影響を受けて極端な実践法としてハタヨガが発展し、精神論だけじゃなくて、肉体改造的な要素が多くなったのが14世紀くらい。
心を落ち着かせるラージャヨガは1世紀。

現代はフィットネスと融合したヨガが主流だけれど、突き詰めれば心を落ち着かせるための手段。
そこ真髄は結構難しい。
でも、現

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【マガジン】このポーズは何に効きますか?にどう答えたらいいか

【マガジン】このポーズは何に効きますか?にどう答えたらいいか

雑誌の取材でもよくされる質問が「このポーズは何に効きますか?」です。
また「肩こりにいいポーズはどれですか?」もよく聞かれます。
大したことない会話であればその場を取り繕うように適当なことを言って流しますが、記事になるとかそれなりに責任のある場合にはそう簡単に流せない質問です。
おそらくヨガを指導している方であれば、お客さんから上記の質問を受けることもあるでしょう。

今回は、これらの質問にどう答

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【マガジン】対面のワークショップを再開して感じること

【マガジン】対面のワークショップを再開して感じること

コロナ禍の中、オンラインでのワークショップに移行してそのまま自身が大学院に行くことで対面のワークショップをほぼやっていなかったのですが、院も終わりここにきてやっと対面を再開しました。

ここ2回ほど対面のワークショップを行って思ったことをシェアしたいと思います。
オンラインの良さもありますが、やはり対面の良さを再確認し、これからも対面をしっかりやろうという思いです。