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一人で過ごした時間の先に現れる誰か
5年ぐらい前の夏休み、一人で奈良と三重に行った。
旅の最大の目的は、三重にある赤目四十八瀧を見ること。学生時代に車谷長吉の小説「赤目四十八瀧心中未遂」を読んで圧倒され、何の展望もない男と女が物語終盤に訪れるこの世の果てのような場所を、いつか自分も歩いてみたいと思ったからだ。要はオタクの聖地巡礼のような感じ。
誰かを誘おうとは思わなかった。私の「赤目四十八瀧心中未遂」への愛と、そこから派生した赤目
なぜ彼女たちは「かわいいは正義」を叫ぶのか――自撮り・被写体ガールに対する私見
はじめに:私とSNSのざっくりした歴史昭和末期生まれの私が学生だった頃、まだスマホはなかった。当時の私たちにとっての「携帯」は、今や「ガラケー」と呼ばれている端末だ。テキストを打つ時は、画面に表示されたキーをタッチするのではなく、端末についているボタンをプチプチ押す。当然LINEもないので、友達とのやり取りはテキストメールがほとんどだった。
「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)」と