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りっちゃんとそのお友達

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うぉおおおおお りっちゃん うぉおおおおお
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記事一覧

面接即興劇

海「面接官って絶対楽しいと思うんだよね」
真子「海はそういうの好きそうだよな」
友里「人試すの好きだもんな」
海「難しい質問して困らせてみたい」
珠美「よしじゃあやってみよ。私受験者やるね」
海「手加減しないからね?」
珠美「よしこい」



海「あー。次。どうぞ」
珠美「失礼します」
海「みんなに言ってんだけど、うちの会社、意味ないビジネス的な文化とかあんまり重んじてないから、楽にしてくれてい

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物理法則を信じるおしゃべり

物理法則を信じるおしゃべり

友里「なあお前ら。物理法則信じてる?」
海「物理最高! 人間は嘘をつくけど物理は嘘をつかない!」
珠美「物理覚えること少なくて楽」
真子「高校レベルなら、数学さえちゃんとできてればほぼ自動的にできるからほんと楽だよな」
友里「いや、そういう話じゃなくて、物理法則が私たちの生活を支配しているっていう命題に関して、どのように付き合ってるかって話」
海「てめぇそりゃぁ、てやんでい! だよ」
友里「いやご

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男の浮気についてのおしゃべり【会話劇】

海「ねぇみんな。浮気する男ってどう思う?」
友里「ん? お前の男浮気したん?」
海「いや私じゃなくて、中学時代の友達から相談されてさ。彼氏が浮気してたの発覚して、どうしようか悩んでるって話で」
珠美「なんでその子、ピュアガールの海ちゃんに聞いたの?」
海「いや私、中学時代、大学生の男の人と付き合ってるって設定だったからさ」
真子「は?」
海「その真顔の『は?』の破壊力ヤバイからやめてwww」
友里

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性についてのおしゃべり

(彼らの通っている高校の校則はゆるゆる。休み時間にはスマホゲームやってる奴が普通にいる。でも授業中に電源切り忘れて携帯が鳴ると先生ガチギレする。「校則緩いのは、おめーらが自分で何をどうすべきか分かってるってこっちが信頼してるからやねんぞ」ってわけ)

真子「おう。漫画やんけそれ。何読んでんの?」
珠美「俺たちの異世界では同性愛以外許されていない」
友里「何そのタイトルやば」
真子「あー。今度アニメ

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ふたりで映画【会話劇】

ふたりで映画【会話劇】

真子「海って、映画よく見に行くの?」
海「うん。たいていひとりで見に行くかな。誰か誘うことも少なくないけど……でもあんまり大人数で見に行ってもうるさいというか、ひとりで考えたいなぁって時が多いから。ひとりっていうか……ちゃんと考えたい、っていうのが本当のところかな。ほら、面白かったかどうかでしか感想言えない人っているじゃん? そういう人とは、あんまり一緒に見に行きたくない」
真子「ほーん」
海「真

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フリーダム会話劇

 女尊男卑、という言葉はもうこの社会に馴染んでいる。しかし男性への差別は依然根強いし、そもそもその女尊男卑というものが本当に間違っているのかまだはっきりと分からない部分もある。

 男性は、子供を産むという特権の代わりに、強い体を持って生まれてくる。当然、奴隷的な労働は歴史上全て男性が担ってきた。それは現代でも変わらない。
 そのうえで、女性は男性よりも子供を守ろうという本能が強いため、そのために

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差別用語についてのおしゃべり

友里「私、見ての通り外斜視なんだけどさぁ」
真子「せやな。右目いつも変な方見てるよな」
友里「そうそう。小学生のころさ、もうひとり外斜視のヤツおって、斜視のことロンパリって言うことあるじゃん? ロンドンとパリを同時に見てるって話から。だから私、そいつのことロンドンって言って、そいつに自分のことパリって呼ばせようとしてん。ちょっとかっこよく、ロンドとパリスって。でも三日後くらいに『恥ずかしいからやめ

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友情談義【会話劇】

海「さて、今日は友情というものについて考えていきたいと思います」
珠美「どうぞ」
友里「友情、ねぇ」
真子「なんだ。みんなあんまり乗り気じゃないのか」
友里「友情に限った話じゃないけどさ、言葉にした瞬間、実際のそれと『なんか違う』ってなることあるくない? 愛の定義とか、友情の定義とか、そんなん言い始めて納得できたことあんまりないからさ」
真子「確かに。なんか、言葉にすると実際以上に単純化しちゃうっ

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容姿だけが醜い女

 昔から容姿がコンプレックスだった。具体的にそのどこが、ということが考えられないくらいに。
 どこか一カ所さえ直せば綺麗になりそうな子のコンプレックス話が嫌いだった。眉毛の形だとか、鼻がちょっと曲がっているとか、上下の唇の厚さのバランスがおかしいとか、そんな話を聞くのが嫌いだった。

 時々男と見間違われるようなレベルだった。しかも、かなり不細工で背の低い、そういう男と見間違えられるから……私は、

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マイペースなのに自分がない

海「私時々思うんだけどさー」
真子「うん」
海「私たちの会話って、みんなついてこれてんのかな?」
珠美「みんなって、読者様方のこと?」
友里「メタいな」
海「四人+りっちゃんのわけじゃん? 私たち。三人の場合だったら、会話がどんな感じかは想像しやすいじゃん?」
真子「四人までなら行けるくない?」
珠美「四人までならキャラ被らないし、みんな喋ってられるよね」
友里「んで、理知は発言の存在感強いから、

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ふたりきりの世界

 五人の仲良しグループがあったとすると、その中に存在する「ふたりきりの世界」は、十通りある、ということになる。十通りの関係がある、ということだ。
 私がここでしたいのは中学生レベルの数学の話ではなくて、人はグループで話をしてるときよりも、二人きりで話している時の方が突っ込んだ話ができるし、より確かな友情を結ぶことができる、ということ。五人の人間が「うちら仲良し!」と言っていたとしても、その十通りの

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高級な遊びについて

海「ねぇねぇみんな。私さぁ、遊びにも、ランクってのがあると思うんだよね」
友里「高級な遊びと、低級な遊びってこと?」
海「そう」
真子「まぁ、それはあるだろうな」
珠美「でも、お金がかかる遊びが高級な遊びとか、そういう風には私は思わないよ。ねーりっちゃん?」
理知「うん。でも海は、お金とは別の基準でその話をしようとしているんだよね」
海「そうそう。まずはさ、遊びにどんな要素があるか各々挙げてみてよ

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珠美はすぐ嫉妬を忘れる【ショートショート】

珠美はすぐ嫉妬を忘れる【ショートショート】

 私は自分よりすごい人を見ると腹が立ってくる。自分の情けなさを突きつけられたような気持ちになる。
 その人の悪い部分を探そうとしてしまう。見つかることなんて滅多にないし、見つかったら見つかったでまた違う自己嫌悪がやってくるのが分かっているのに!
 あー私ってクソだ。自分より高いところにいる人の粗探しをしていると、その行動自体が自分の粗だから、もはや探す必要もなく、自分がダメな人間だって分かる。もー

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りっちゃん賛美

りっちゃん賛美

 彼女のことをどう表現していいものか、正直僕は困っている。いやもちろん、これは、彼女の話だ。
 僕は生まれてこの方ろくに文章を書いてこなかった人間なのだが(実は、中学生のころに友達に影響されて短い小説を何本か書いたことはあるが……まぁその話はあまりしたくないので、数に入れないことにしよう)最近はじめて、書きたいと思える題材と出会えたから……いや違うな。書かなくちゃいけないと思ったから、こうして書い

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