夜を歩けよ、言葉の中。

夜を歩いた。街は静まり返って僕がこの街と街を包む夜について書くのは一体何回目なのだろうか。

それはもうわからない。けれど、書くたびに思う、僕はこの街が好きだということを、ここは都会でもないし田舎でもない微妙な立ち位置である。そんなところが僕は大好きなんだ。

そして、夜の街に繰り出したのは久しぶりである。よりいっそう体にまとわりつくようになった空気は凄く気持ち悪いしそれ以上に暑いすぎる。

え、こんなに夜って暑かった?

辺りでは蝉が鳴き、それに呼応するように外の気温が上がっていくような気がした。僕の貧弱な体は既に限界を迎えて家に帰宅する道を歩んでいた。

空を照らす誘蛾灯には虫集まり過ぎて空中に丸い塊が出来ていた。それを見るとよりいっそう夏が深まってさらに暑さが上昇して僕は先程よりも急ぎ足で家に向かった。

家に着くと冷蔵庫までダッシュで向かってはアイスを手に取りすかさず口へと運んだ。すると、外で受けた熱は次第に消えていき、今ここに残るのは溶けかけたアイスだけだった。

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