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在るまでの日々

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これまで書いた中で好きな文章、 かつ読んで欲しいものをまとめました。
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2020年1月の記事一覧

私のなか

私のなか

あわただしく、玄関の戸を開けるおとがして、そこでおやおや妹が学校に行ったのかなと不確かな感覚を確かな物にするために私は重い布団を剥ぎ取り、足首を劈くような冷気に耐えながら一歩、また一歩階段を下りていつも玄関前に無造作に投げ捨てられたスクールバックがないことに己の中で優越感に浸りつつ朝焼けが広がる時、私はまた眠りについた。

次に起きると、太陽は今日一番の輝きを持って部屋を照らし窓際に密かに隠してお

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朝焼け

朝焼け

私は朝が嫌いだ。
あの、窓の隙間から差し込む光や街を駆け巡る怒号の数々それを日々身体中に染み込ませる行為そのものが私の有り余る人生において何故、必要なのか、また空を覆い尽くす焼け焦げた見るからに健康に悪そうな色を見たとき私は身体の奥に隠し持った感情が煮えたぎるのを感じる。
いや、それは可笑しいな話だ。   
なぜなら私は朝のことを美しい物として己の額縁にひとしきり大事に掲げていたのだ。

本当に嗤

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