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#コラム・エッセイ
第3章 ライ麦畑で僕を追う-1
Vol.1
水卜先輩が会社を辞めてしまう。そんなことを考えながら日々の業務に追われ、1週間、2週間と時は進んでいき、とうとう水卜先輩がいなくなる最後の日になってしまった。先輩は変わらず、いつも通りの笑顔を咲かせながら業務をこなしていた。
「ねえ、話聞いてるの?ちゃんとやってもらわないとこまるのよ。ここ最近ミスが多すぎ、やる気あんの。」
「すみません。すぐ直しますんで。」
K先輩に怒られた
第2章 ぐらつく2つの道-2
それから、その男。いや、先輩とは定期的にサウナに通うようになり、たまたま一緒になった剣崎とも仲良くなって一緒に楽しむようになった。そして何やかんやあり、今に至るのだった。思い出に耽っていると横からチョップが飛んできた。
「セレン、ボーッとしない。早くいくぞ。どうせ彼女のことでも考えてたんだろ。」
「違いますよ、先輩のこと考えてました。」
「え。先輩ちょっと男の子から好意を向けられるのは初めて
第一章 ヨハネの夢-2
未来を告げる鳥には少し慌しくて、少々頼りない彼女は僕にぶつかってきた。
「いてて、すみません」
「大丈夫?前見て歩かないとダメだよ」
「前は見てたんですけどね。考え事してて。」
「考え事は、どこかカフェの中でするといい。意外とあのざわつきが集中できたりする。」
「そうします。本当にすみませんでした。」
彼女はそう言って足早に去っていった。
次の日、僕はまた彼女を見かけた。東大の赤門の前。昨日
第一章 ヨハネの夢-1
「言葉で世界を顛覆することができるだろうかー。」
群衆が僕の横を通り過ぎていく。子供連れの家族や白髪の老人、自転車に乗って駆け出す学生。その一人一人に物語があり、今を生きている。そして、他人のサイドストーリーとして交わっていく。僕は想う。そもそも人間は何のために生きているのだろうか?この高々80年程度で壊れてしまう器に入れられて。不自由を感じながら。
「何ぼさっとしているの?早くしない