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偏読書評

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「偏食」ならぬ「偏読」気味の本好きによる、文芸やマンガ作品紹介。
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#文芸

【お仕事】Numero TOKYO おすすめの11月の本

【お仕事】Numero TOKYO おすすめの11月の本

Numero TOKYOでのブックレビュー、11月分が公開されました。

今月は……

📕 「まずは読め。話はそれからだ」と言いたくなるほどすごい(かつ、ものすごく物語を説明しにくい)高山羽根子さんによる『暗闇にレンズ』(東京創元社)

📗 短篇小説好きなら一篇読むごとに打ち震えること間違いなしな、世界最高の短篇小説家とうたわれたウィリアム・トレヴァー氏の最後の作品集『ラスト・ス

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(CREATIVE VILLAGEにて、最果タヒさんへのインタビュー記事を書かせていただきました。明日発売の『わたしの全てのわたしたち』についても、ひとあし早くお話を伺えてうれしかったです。お時間あるときに、ぜひどうぞ📚)
https://www.creativevillage.ne.jp/80216

(『Numero TOKYO』のブックレビュー、今月は古川日出男さんの『おおきな森』、パオロ・ジョルダーノ著/飯田亮介さん訳『コロナの時代の僕ら』、J.M.クッツェー著/鴻巣友季子さん訳『イエスの学校時代』をご紹介。息抜きなどにぜひ)
https://numero.jp/book-news-20200602/

Numero TOKYO おすすめの4月の本(の補足など)

Numero TOKYO おすすめの4月の本(の補足など)

『Numero TOKYO』でのブックレビューが公開されました。今回は『ピエタとトランジ〈完全版〉』(講談社)、『ザリガニの鳴くところ』(早川書房)、『彼女の体とその他の断片』(エトセトラブックス)の3作品をご紹介しています。

藤野可織さんの『ピエタとトランジ〈完全版〉』ですが、わざわざ私が言うまでもないですが、本当に最高です。岸本佐知子さんが帯に寄せている「最強最高の女子バディ物語。」の言葉に

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Numero TOKYO おすすめの3月の本

Numero TOKYO おすすめの3月の本

『Numero TOKYO』でのブックレビューが公開されました。今回は『友だち』(新潮社)、『フライデー・ブラック』(駒草出版)、『荒潮』(早川書房)の3作品をご紹介しています(春のガイブンまつり状態!)。

ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー氏の『フライデー・ブラック』についての原稿は、脳内でShing02さんの「400」を流しながら書いていました。とにかくクールでスマートだけど、ものすごい力を

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(『Numero TOKYO』4月号、巻頭特集にて“トリップできる長篇”として三島由紀夫の『豊穣の海』全4巻(新潮文庫)、小川哲さんの『ゲームの王国』上下巻(ハヤカワ文庫JA)、リチャード・パワーズ氏の『オーバーストーリー』(新潮社)をご紹介しています。書店で見かけたら、ぜひ)

Numero TOKYO おすすめの2月の本

Numero TOKYO おすすめの2月の本

雑誌『Numero TOKYO』公式サイトでのブックレビュー、2月分が公開されました。今回ご紹介しているのは……

📕テッド・チャン氏、17年ぶりとなる話題の作品集『息吹』(早川書房)

📗本邦初となる21世紀イタリア短篇アンソロジー『どこか、安心できる場所で』(国書刊行会)

📘韓国生まれのやわらかなSF『となりのヨンヒさん』(集英社)

……の3作品です。合併号の関係で1月はブックレビュ

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〈偏読書評 番外篇〉「『翻訳者で選ぶ』新しい読書体験」補足版(非英語圏篇) *01/02追記あり

〈偏読書評 番外篇〉「『翻訳者で選ぶ』新しい読書体験」補足版(非英語圏篇) *01/02追記あり

2019年10月末に発売された雑誌『Numero TOKYO』2019年12月号(扶桑社)の巻頭特集「いいね! がつなぐ未来」内「あの人がナビゲートする、知る喜び」にて書かせていただいた「『翻訳者で選ぶ』新しい読書体験」の記事が先週からウェブでもお読みいただけるようになりました。

とはいえ原稿を書いていたのが9月だったので、この3ヶ月で各翻訳者さんが手がけた新刊が発売されたり、今後の刊行予定の情

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Numero TOKYO おすすめ 年末年始に読みたい本

Numero TOKYO おすすめ 年末年始に読みたい本

雑誌『Numero TOKYO』公式サイトでのブックレビュー、公開されました。2019年かつ2010年代最後にご紹介するのは……
📕各所で話題のグラフィックノベル『サブリナ』(早川書房)
📗島本理生さんが“純文学卒業”前に書かれた連作小説『夜 は お し ま い』(講談社)
📘20世紀後半にアメリカ西海岸で起きた環境保護運動(エコテロに近い内容)をモチーフにした、リチャード・パワーズ氏の傑作

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“推し”の翻訳者がいるくらし(『Numero TOKYO』12月号「『翻訳者で選ぶ』新しい読書体験」寄稿によせて)

“推し”の翻訳者がいるくらし(『Numero TOKYO』12月号「『翻訳者で選ぶ』新しい読書体験」寄稿によせて)

ただいま発売中の『Numero TOKYO』12月号(扶桑社)、巻頭特集内の「あの人がナビゲートする、知る喜び」コーナーにて「『翻訳者で選ぶ』新しい読書体験」をテーマに原稿を書かせていただきました。

“推し翻訳者”の方々はたくさんいるのですが、今回は比較的若手といえる方々を中心に7名(英語圏から3名、韓国語・華文(中国語)・フランス語・イギリス語圏から各1名)の翻訳者の方々をご紹介しています。誰

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〈偏読書評〉 『グスコーブドリの太陽系—宮沢賢治リサイタル&リミックス—』(新潮社)

〈偏読書評〉 『グスコーブドリの太陽系—宮沢賢治リサイタル&リミックス—』(新潮社)

原稿を送って数週間経つのに、いまだ公開される気配がないブックレビュー(追記:と、半ばぼやくように投稿していたのですが、数時間後に記事が公開されました)、紹介する3作品の中で(約300文字という短い原稿とはいえ)特に力を入れて書いたのが、自分が尊敬し、かつ表現者としても人としても最も信頼している(信頼できる存在だと作品や活動を通して感じている)古川日出男さんの最新刊『グスコーブドリの太陽系—宮沢賢治

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〈偏読書評〉 『なめらかな世界と、その敵』(早川書房)

〈偏読書評〉 『なめらかな世界と、その敵』(早川書房)

原稿を送って数週間経つのに、いまだ記事が公開される気配のないブックレビュー(追記:と、半ばぼやくように投稿したのですが、数時間後に記事が公開されました)。その中で紹介している3作品のひとつが、ただいま各所で話題沸騰中の『なめらかな世界と、その敵』(早川書房)です。

この作品については、刊行前から早川書房さんのnoteで色々な投稿がされていました(未読の方は以下からどうぞ)。ちなみに著者である伴名

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〈偏読書評〉 『掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集』(講談社)

〈偏読書評〉 『掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集』(講談社)

毎月(正確には年10回)、とあるファッション誌の公式サイトにて新刊紹介を書かせてもらっているのですが、原稿を送って数週間経つというのに、9月分の記事がいっこうに公開される気配がありません(追記:と、半ばぼやくように投稿していたのですが、数時間後に記事が公開されました)。でも、今月分の記事で取り上げている作品は、どれも激推ししたいものだし、早く紹介したい。ということで、久々に〈偏読書評〉名義での投稿

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