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Numero TOKYO おすすめの3月の本

『Numero TOKYO』でのブックレビューが公開されました。今回は『友だち』(新潮社)、『フライデー・ブラック』(駒草出版)、『荒潮』(早川書房)の3作品をご紹介しています(春のガイブンまつり状態!)。


ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー氏の『フライデー・ブラック』についての原稿は、脳内でShing02さんの「400」を流しながら書いていました。とにかくクールでスマートだけど、ものすごい力を感じる作品だし、世の中のモヤモヤ気分も吹き飛ばしてくれそうなのでおすすめです。

書店で見かけながらも、レジに持って行くべきかどうか迷った方は、藤井光さんによる作品解説をちらりと読むと良いかと。読んだら確実に本篇も読みたくなると思いますよ。


シーグリッド・ヌーネス氏の『友だち』は、ハッピーな愛犬物語だけを期待して読むと「えっ…?」となるかもしれませんが、愛犬家の方であればグラグラと心を動かされること確実。あと木内達朗さんが描いたグレートデンの装画がとにかく素敵なので、ジャケ買いならぬ表紙買いするのもアリかと。


ちなみにグレートデンのイラストですが、以下のページからプリントを購入することができます。あわせて揃えると、日々の暮らしにうるおいがかなりプラスされると思います。オプションで額装もオーダーできますよ。

陳楸帆(チェン・チウファン)氏の『荒潮』については、既に各所で話題となっているので内容については書くまでもないと思いますが、作中に登場する食べ物とかお茶(高級茶)が、とにかく美味しそうです。お財布の中に夏目先生が2人ほどいて、サイバーなSF長篇を読みたい気分なら即買いです。

ちなみに書籍版についてくる登場人物表を、早川書房さんのnoteページからダウンロードできるので、電信書籍派の方はあらかじめダウンロード&プリントアウトしておくと良いかもしれません。


3作品とも(いちいち自分が言うまでもなく)良作ですが、強いて1作品だけを激推しするなら『フライデー・ブラック』。人間の悪意の描き方が、どこか舞城王太郎作品と通じるところがあると感じられるので、舞城さんのファンの方にもぜひ読んで欲しいです。何はともあれ、おうちにこもっての読書タイムのおともに、ぜひどうぞ。