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水木三甫の心葉♡♧詩集

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心葉♡♧詩集では、心に感じたままを言葉に置き換えて表現した詩を掲載します。 まだまだ表現力不足で、うまく伝えられない未熟な僕ですが、進化していく姿を追いかけていただき、感想などを… もっと読む
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2023年7月の記事一覧

無意識の戦い(詩)

無意識の戦い(詩)

無意識が過去にしがみつく意識と戦っている
無意識だから私には何をどう戦っているのかわからない
でも、微熱が続いているのは戦いのエネルギーのせいだろう
どちらが優勢なのかもわからない
戦いは長引いているようだ
体は疲労し、倦怠感と脱力感で体を動かす気にもなれない
いつか無意識が意識に勝ったとき
私は生まれ変わるだろう
私の微熱は今も続いている

心の奥のちっちゃな粒(詩)

心の奥のちっちゃな粒(詩)

僕の心の一番奥に

ダイヤモンドよりちっちゃな光の粒がある

光の粒はいつも僕を正しい方向へ導いてくれる

光の粒 その名は良心

湖の底の宝箱(詩)

湖の底の宝箱(詩)

この湖の神に捧げるために沈められた宝箱
昔は誰でも覗けば見られたはずなのに
樹木の伐採により土砂が流れ込み
廃棄物が違法に捨てられて
今や5センチ先も濁って見えなくなった

宝箱が見えなくなって
人は湖の神を忘れた
それとともに人は純真さを失った

ようやく自然保護団体が湖の浄化に取り組んだ
湖は昔のように底まで見えるようになった
しかし、宝箱はどこにもなかった
そして人は純真さを失ったまま
自然

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洗濯物(詩)

洗濯物(詩)

夏の日射しが洗濯物を乾かしてくれる

洗濯物から水分が水蒸気になって昇っていく

水蒸気は雲を作り

雲はいつか雨となって

誰かが取り込み忘れた洗濯物を濡らすのだろう

人生なんてそんなもの

孤独者のひとりごと(詩)

孤独者のひとりごと(詩)

僕のことに構わないでくれ
今の僕は誰の言葉にも反発してしまうから

僕を一人にさせてくれ
僕は僕の貝殻の中で眠りたいから

僕の名前を呼ばないでくれ
僕が僕を嫌いになってしまうから

僕の話を聞かないでくれ
それはただの寝言と何も変わらないから

僕の孤独を壊さないでくれ
僕は孤独の世界でしか生きられないから

(改訂)真夜中の列車(詩)

(改訂)真夜中の列車(詩)

自動運転列車が真夜中の軌道を走る
行き先は未来で、乗客は僕一人だけ
目的地がどこにプログラミングされているのかはわからない

列車はただひたすらに殺風景な軌道を走る
車内には路線図もなければ、夢をかき立てる広告もない

未来の夢と現実とがあまりにもかけ離れていくのは、とてもつらいことだとわかっているから、人は妥協という名の途中駅で降りてしまった
残されたのは僕一人だけ
不安な未来へと向かって、列車

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にぎやかなせかい(詩)

にぎやかなせかい(詩)

まごたちがあつまると
そこはいっきににぎやかなせかいにはやがわりするひとつのことばやどうさで
きどあいらくがばくはつする
しずかにじっとしているのは
けいたいでんわのあにめやげえむをしているときだけ
はしりまわり、ころがり、あばれまわり、
ころんではなき、
ままのひざもとにしがみつく

こどもたちがいなくなると
みみにはまだこどもたちのこえがのこり
めにはこどもたちのどうさがのこり
よいんがきえて

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(改訂)個性(詩)

(改訂)個性(詩)

個性

僕は今歩いている。
ただひたすら歩いている。
まわりの景色は風とともに過ぎ去り、新たな景色が風とともにまた現れる。
ビルも人も車も、まわりの景色すべてが僕を無視して消えていく。
僕の存在など必要としない世界で、僕はたった一人で歩いている。
歩くのをやめたとき、僕はこの景色と同化してしまうのだろう。
そして、景色と一緒に消え去るのだろう。
だから僕は歩いている。
この道の先に何があるのかわか

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片想い(詩)

片想い(詩)

僕の言葉は君に届く前に
口から出たとたんに地面に落ちてしまった
それらの言葉は行き交う人たちに踏み潰され、破壊され、風に乗って飛んでいった
僕の言葉はいつも迷子になり、破片となって行き場所を失ってしまう

君のいる場所は遠すぎる
心の距離感と実際の距離には大きな差があり、目の前の君に僕の言葉は届かない

君の中に僕は存在しないのか
僕の勇気が足りないだけなのか

僕は今日も君の学校の校門の影で

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スズメ(詩)

スズメ(詩)

公園のベンチで本を読んでいたら
近くでスズメの鳴く声が聞こえた
隣を見るとベンチにスズメがとまっていた
チュンチュン
僕に話しかけている
僕が戸惑っているあいだにスズメは飛び去った

もしもスズメの言葉がわかっていれば、僕たちは友だちになれたかもしれないのに

僕は本を閉じ、公園の出口に向かった
振り返ってベンチを見たが、もうスズメはいなかった

身投げ岬(詩)

身投げ岬(詩)

恋に破れた人たちが飛び降り自殺したことから名づけられた身投げ岬

恋が実らないから
恋が終わったから
そんな理由で人は死ねる

命を賭けた恋なんて
僕には想像できない
それほどの女性に巡り合えていないからなのか
それほどの恋ができない性格なのか

そこまで人に恋せる人がうらやましい
死より深い恋に出会いたい
でも本当に僕にそこまでの勇気があるのか
恋に命を賭けられるのか
僕に死を賭けた恋ができるの

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最後の愛(詩)

最後の愛(詩)

愛する人に愛されたい
それはもしかしたらただのエゴなのかもしれない
それでも私は愛する人に愛されたい

無償の愛なんて私には無理だ
無償の愛といえばキリストやマザー・テレサの名前しか浮かばない
普通の人が無償の愛を貫いていない証拠だ

私ももうすぐ六十歳になるが
残りの人生を愛し合える人と巡り合いたい
愛し合うことは人生の中でも一番の幸せだと思う
だから私は愛し合える人を探したい
そして、最後の愛

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脱運命論(詩)

脱運命論(詩)

僕は死ぬために生まれた
しかし、いつ死ぬのかはわからない

僕は元々運命論を信じていたが
ここに宣言する 「脱運命論」を

台本どおりの人生は歩まない
アドリブだらけの人生を生きる
それが「脱運命論」だ

死ぬ時期については台本どおりになるかもしれないが
人生の過程は自分で決める
それが「脱運命論」だ

運命に対して抵抗する
運命のせいにしない人生を生きる
それが「脱運命論」だ

自分の人生は自分

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(改訂/作品名変更)明日=今日+α(詩)

(改訂/作品名変更)明日=今日+α(詩)

地下一階 洞窟の奥の灯り 心療内科
境界線の先の白い世界とさっきまでいた世界

BGMが静かに空気に溶けていき
吸収材に取り込まれた無音の旋律が
僕の中で不協和音となる

医師の声はさざ波のように
僕の心に流れこんでは
引いていく
くり返し くり返し くり返し

医師の声はヨーヨーのように
僕の体を通り越しては
戻ってくる
何度でも 何度でも 何度でも

心の重さと体の重さを釣り合わせるための

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