宮田宣也/MikoshiGuy

ドキュメンタリー映画「祭の男MIKOSHIGUY」主演。一般社団法人明日襷代表理事。神…

宮田宣也/MikoshiGuy

ドキュメンタリー映画「祭の男MIKOSHIGUY」主演。一般社団法人明日襷代表理事。神社を支援する「祭エンジン」を運営。故郷横浜本郷台の春日神社で祖父が製作した神輿を上げ続けるのが生涯の約束。長渕剛ファン。マツコの知らない世界,U29出演。祭を未来へ届けましょう!

記事一覧

蘇民祭と大銀杏

先日、1200年の歴史のある祭が幕を下ろしたというニュースが聞こえてきました。 決定をした住職の思い、最後の瞬間に立ち合い熱狂する若者の姿。 その祭を愛し続け、語り継…

星座と日本神話

冬の夜空に輝くオリオン座。明るく形もわかりやすいので、誰もが寒い夜に天を見上げたことがあると思います。ほとんどの星座はギリシャ神話との繋がりがあり、古代の西洋人…

日本人の背中【祭ラジオ#9】

モンゴルの首都ウランバートルでいよいよ担ぎ上げられた神輿。 多くのモンゴル人が集まってきてくれました。 神職の方も同行し、降神の儀式を行います。 神事を行う際、一…

両国で前を向いて【祭ラジオ#8】

国交50周年を記念してモンゴルの首都ウランバートルで担ぎ上げられた神輿について振り返っています。 今回の神輿渡御は日本各地の伝統的な祭とは異なりますが、日本とモン…

モンゴルで上がった神輿(祭×海外①モンゴル)【祭ラジオ#7】

令和4年8月。 おそらくモンゴルで初となるお神輿が首都ウランバートルにて渡御されました。 日本とモンゴル国交50周年を記念し、両国の友好を願って担がれた神輿。 どんな…

心の中の日本(祭×WBC)【祭ラジオ#6】

 先日、大きな話題になったWBCサムライジャパン世界一。 たくさんの熱い視線と思いが届き、選手たちの大変な活躍が私たちを感動させてくれました。 応援する私たち、そし…

祭という道を歩いていこう【祭ラジオ#5】

祭とは何か 僕は祭が大好きです。 日本全国にある日本の祭文化。 一年に一度、たくさんの人が集まって盛大に行われる祭もあれば、地元の人たちだけでささやかに、だけど賑…

コロナが教えてくれたこと【祭ラジオ#4】

大切な祭をずっと続けていくために「今年も中止、残念だよ。来年こそ!」 一年に一度の何より楽しみな祭の日が近づくたびそんな言葉を聞く日々でした。 祭が大好きな人たち…

「祭研究女子会」発足!【祭ラジオ#3】

 日本全国、世界中にも祭を愛する仲間がたくさんいます。 長いコロナ禍、「大好きな祭のために何かしたい!」と集まった祭大好き女子たちがいました。 彼女たちが集まって…

神道は、実践あるのみです!【祭ラジオ #2】

神社と向き合い、教えてくれたこと 普段通りの祭が出来なかった3年間、祭とは何か、なぜ祭を行うのか。 そのことについて考える時間が増えました。 僕が実践し続けてきた…

祭が出来なきゃ、神社清掃すればいいじゃない!【祭ラジオ #1】

祭の無いコロナ禍、どんなことしていましたか?「祭をしてない」わけじゃない  約3年間の間、祭の日の賑わいが無くなり、寂しい日が続いていましたが各地の神社では祭を…

祭ラジオを始めよう!【祭ラジオ #0】

コロナ以後、祭はどう変わるのか 3年間続いたコロナ禍、社会はパンデミック以前と同じように戻っていくのでしょうか。 特に日本の祭文化は? 祭が大好きな3人が今後の祭…

神社清掃のすゝめ

あの日味わった虚無感を私は忘れません。 3年前,令和に変わって初めての年,私の大好きな一年に一度のお祭を迎える頃でした。 今はいない,まだ元気だった祖母からの電…

葉が樹から落ちるように,鮭が川を遡るように

なぜ,人は紅葉を見て美しいと思うのかを考えてみたことがありますか。 赤に黄に色づく葉がカラフルで鮮やかだからですか。 僕はきっとそれだけではないのだと思います。…

【神社にて】落ち葉の代わりに思いやりをしきつめよう

秋になり,街の樹々も色付いてきました。 紅葉の季節,黄色や赤に色付いた葉は,季節の移ろいを感じさせてくれますが,やがて葉は下に落ちます。 私の地元の神社でも,だ…

祭は中止になったりなんかしていないし,伝統は途切れてない

令和2年。 コロナ禍が続きどの地域でも人の集まる行事は中止,僕の大好きなお神輿も今年は2月の建国祭以来,お祭で担いでいません。 でも,お祭が中止になった訳ではなく…

蘇民祭と大銀杏

蘇民祭と大銀杏

先日、1200年の歴史のある祭が幕を下ろしたというニュースが聞こえてきました。
決定をした住職の思い、最後の瞬間に立ち合い熱狂する若者の姿。
その祭を愛し続け、語り継いできた先人もいたでしょう。
地元の方の寂しさも大いにあっただろうし、悔しさや、逆にほっと肩を撫で下ろすこともあるのかもしれません。

平成22年(2010年)の3月、私の地元の近く、鎌倉鶴岡八幡宮の大銀杏が突然倒れました。
鎌倉幕府

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星座と日本神話

星座と日本神話

冬の夜空に輝くオリオン座。明るく形もわかりやすいので、誰もが寒い夜に天を見上げたことがあると思います。ほとんどの星座はギリシャ神話との繋がりがあり、古代の西洋人は天に想いを馳せ、様々な物語を思い描いていたことがわかります。

“日本人は古来より星に関心がない”という考え方がありますが、少し不自然な気もします。まだ現代のように街中が明るくない頃、日本においても夜になれば満天の星が毎日のように広がり、

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日本人の背中【祭ラジオ#9】

日本人の背中【祭ラジオ#9】

モンゴルの首都ウランバートルでいよいよ担ぎ上げられた神輿。
多くのモンゴル人が集まってきてくれました。
神職の方も同行し、降神の儀式を行います。
神事を行う際、一体どんな気持ちで臨んでいたのでしょうか。

言葉では説明できないお神輿は神様の乗り物なので、モンゴルで担ぎ上げる際も神様をお呼びしてお神輿にお乗りいただきます。
今回も神職の方がお神輿が担ぎ上げられる前に神事を行いました。
しかし、“神様

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両国で前を向いて【祭ラジオ#8】

両国で前を向いて【祭ラジオ#8】

国交50周年を記念してモンゴルの首都ウランバートルで担ぎ上げられた神輿について振り返っています。
今回の神輿渡御は日本各地の伝統的な祭とは異なりますが、日本とモンゴル、両国で協力して実現させました。

日本人が作った広場モンゴルの首都ウランバートルの中心地に、スフバートル広場という大きな広場があります。
正面には国会議事堂があり、チンギスハンの像、そして広場中央には英雄スフバートルの像がある場所で

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モンゴルで上がった神輿(祭×海外①モンゴル)【祭ラジオ#7】

モンゴルで上がった神輿(祭×海外①モンゴル)【祭ラジオ#7】

令和4年8月。
おそらくモンゴルで初となるお神輿が首都ウランバートルにて渡御されました。
日本とモンゴル国交50周年を記念し、両国の友好を願って担がれた神輿。
どんなドラマがあったのでしょうか。

日本とモンゴル「宮田さん、国交50周年の記念にモンゴルでお神輿担ぎたいんだけど」
そう連絡をくれたのは、以前リトアニアで出会った松村さんという女性でした。
松村さんは前職にてODAの開発コンサルタントを

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心の中の日本(祭×WBC)【祭ラジオ#6】

心の中の日本(祭×WBC)【祭ラジオ#6】

 先日、大きな話題になったWBCサムライジャパン世界一。
たくさんの熱い視線と思いが届き、選手たちの大変な活躍が私たちを感動させてくれました。
応援する私たち、そしてそれを背負って戦う選手たちの心の中にあったのは一体なんだったのでしょう。

心をひとつにするということ スポーツのみならずビジネスや普段我々が生活するシーンでも、チームで行う活動では"心をひとつにする"ということが大変重要です。
WB

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祭という道を歩いていこう【祭ラジオ#5】

祭という道を歩いていこう【祭ラジオ#5】

祭とは何か 僕は祭が大好きです。
日本全国にある日本の祭文化。
一年に一度、たくさんの人が集まって盛大に行われる祭もあれば、地元の人たちだけでささやかに、だけど賑やかに行われる祭もあります。
世界を見ればさらに様々な風習があり、愛され育まれています。
僕の生まれた故郷の祭も、どんな風に次世代へ届けていけばいいのか。
そのために、祭とは何かについて探ってみようと思います。

答えには辿りつかなくても

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コロナが教えてくれたこと【祭ラジオ#4】

コロナが教えてくれたこと【祭ラジオ#4】

大切な祭をずっと続けていくために「今年も中止、残念だよ。来年こそ!」
一年に一度の何より楽しみな祭の日が近づくたびそんな言葉を聞く日々でした。
祭が大好きな人たちの寂しそうな顔を見るのも心苦しいことです。
長いコロナのトンネルの中、私たちは何を感じ何を学んだのか。
振り返ってみようと思います。

行動できない悔しさ

 祭の日は一年に一度、本当に楽しみな日です。
しかし、地域の文化である祭を継承し

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「祭研究女子会」発足!【祭ラジオ#3】

「祭研究女子会」発足!【祭ラジオ#3】

 日本全国、世界中にも祭を愛する仲間がたくさんいます。
長いコロナ禍、「大好きな祭のために何かしたい!」と集まった祭大好き女子たちがいました。
彼女たちが集まって「祭研究女子会」が結成されました。

それでも祭が好き!

 全国には様々な祭があります。
日本の伝統的な祭は少し危険なものもあったり、体力を必要とするものもあり女性の参加の仕方が制限されるものもあります。
しかし、例えばお神輿を担ぐだけ

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神道は、実践あるのみです!【祭ラジオ #2】

神道は、実践あるのみです!【祭ラジオ #2】

神社と向き合い、教えてくれたこと 普段通りの祭が出来なかった3年間、祭とは何か、なぜ祭を行うのか。
そのことについて考える時間が増えました。
僕が実践し続けてきたことは、月に一度の神社清掃です。
信じて、継続してきたことから学んだことがあります。

やればやるほど、素敵な場所になる

 神社清掃は、祭の出来ない日々の中で出来るささやかな取り組みでした。
月に一度なので、少しずつ、少しずつ進めていた

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祭が出来なきゃ、神社清掃すればいいじゃない!【祭ラジオ #1】

祭が出来なきゃ、神社清掃すればいいじゃない!【祭ラジオ #1】

祭の無いコロナ禍、どんなことしていましたか?「祭をしてない」わけじゃない

 約3年間の間、祭の日の賑わいが無くなり、寂しい日が続いていましたが各地の神社では祭を完全に中止していたわけではありません。
お神輿、お囃子、縁日屋台、神楽などの祭の日に行われる賑わいのことを
「神賑(しんしん/ かむにぎわい)行事」
と言い、コロナ禍においては縮小もしくは中止されていました。
神社社殿にて、神職や総代など

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祭ラジオを始めよう!【祭ラジオ #0】

祭ラジオを始めよう!【祭ラジオ #0】

コロナ以後、祭はどう変わるのか 3年間続いたコロナ禍、社会はパンデミック以前と同じように戻っていくのでしょうか。
特に日本の祭文化は?
祭が大好きな3人が今後の祭について真面目に楽しく語り合います。

祭を愛する3人

宮田宣也
一般社団法人明日襷代表理事 祭エンジン主宰
神奈川県横浜市栄区出身。神輿職人だった祖父は氏神様である春日神社の神輿を製作、地域の祭を活性化させた。その意思を引き継ぎ、未来

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神社清掃のすゝめ

神社清掃のすゝめ

あの日味わった虚無感を私は忘れません。

3年前,令和に変わって初めての年,私の大好きな一年に一度のお祭を迎える頃でした。

今はいない,まだ元気だった祖母からの電話。

「今年は神輿は上がらないよ」

祭は,祖父から引き継いだ大切な伝統,そして町の大切なハレの日です。

私の目の黒いうちは,絶対に神輿を下ろしたりなんかしないと仏壇の遺影の前でした祖父との約束は,守ることが出来なくなってしまいまし

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葉が樹から落ちるように,鮭が川を遡るように

葉が樹から落ちるように,鮭が川を遡るように

なぜ,人は紅葉を見て美しいと思うのかを考えてみたことがありますか。

赤に黄に色づく葉がカラフルで鮮やかだからですか。

僕はきっとそれだけではないのだと思います。

葉が赤や黄色に色づくのは,葉を落とすためです。

やがてすべての葉が落ち,樹はまるで枯れたようになります。

紅葉が全ての樹が枯れる時の合図だったらどうでしょう。

今のように美しいと思うのでしょうか。

全ての終焉の刹那の輝きに目

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【神社にて】落ち葉の代わりに思いやりをしきつめよう

【神社にて】落ち葉の代わりに思いやりをしきつめよう

秋になり,街の樹々も色付いてきました。

紅葉の季節,黄色や赤に色付いた葉は,季節の移ろいを感じさせてくれますが,やがて葉は下に落ちます。

私の地元の神社でも,だんだんと落ち葉が目立つようになってきました。

落ち葉が一枚も落ちていないのは不自然かもしれない木にはたくさんの色付いた葉がついていて,放っておけば下は落ち葉だらけになります。

落ち葉が地面にたくさんある風景は,秋になれば極めて自然な

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祭は中止になったりなんかしていないし,伝統は途切れてない

祭は中止になったりなんかしていないし,伝統は途切れてない

令和2年。

コロナ禍が続きどの地域でも人の集まる行事は中止,僕の大好きなお神輿も今年は2月の建国祭以来,お祭で担いでいません。

でも,お祭が中止になった訳ではなくて,どこのお祭もきちんと行なっています。

神輿が上がらなくても,祭の伝統は途絶えていないのです。

先人が命がけで紡いできた伝統を,絶対に途絶えさせないというプライドを,「今年は祭は中止だね〜」と簡単に言ってしまっていいのでしょうか

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